もしかしてロングスリーパー?長時間睡眠の3つの原因と短縮方法

日ごろどれくらいの睡眠時間を取っていますか?5時間程度でもスッキリと起きられる人もいますし、8時間以上寝ないと疲れが取れないという人もいます。なかには一日に9時間以上も眠ってしまうロングスリーパーの人も。睡眠時間を短縮する方法はあるのでしょうか?ロングスリーパーの基礎知識を解説します。
1.ロングスリーパーって?
人よりも睡眠時間が長いことに悩んでいる人はもしかするとロングスリーパーなのかもしれません。ロングスリーパーとはどのようなものなのでしょうか?
1-1.ロングスリーパーは病気ではない
適切な睡眠時間は人によって様々です。睡眠時間の長さに関わらず、朝しっかりと起きられるならば基本的に問題はありません。ただし睡眠時間が長いことで悩んでいる人も確かに存在します。1日に9時間以上の睡眠を必要とする人をロングスリーパーと呼びます。ただし人よりも睡眠時間が多く必要になるからと言って、決して病気ではありません。
睡眠で重要なのは時間よりも目覚めたときの熟睡感です。しっかりと寝た実感があって、日中に眠気や倦怠感を起こさないだけ睡眠を取れているならば睡眠時間が十分に取れていると言えます。
1-2.ロングスリーパーの睡眠時間は?
ロングスリーパーの人はおおよそ9時間以上の睡眠を必要とします。睡眠にはメラトニンというホルモンが関わっていますが、加齢によりメラトニンの分泌量は低下します。そのため基本的に年を取れば取るほど、睡眠時間は減少していく傾向にあります。日本国内ではロングスリーパーの人は人口の5%から10%ほど存在していると考えられています。珍しいものではありません。一方でショートスリーパーと呼ばれる、睡眠時間が6時間未満で平気な人もいます。
2.ロングスリーパーの特徴とは?
ロングスリーパーの傾向がある人にはどのような特徴があるのでしょうか?
2-1.ロングスリーパーはただ睡眠時間が多いだけ
ロングスリーパーは病気ではなく、睡眠時間が長いだけです。朝、起床したときに疲れが取れて熟睡感があり、日中に眠気や倦怠感が生じないのならば問題ありません。睡眠時間が長いため、心身をしっかりと休めることができ、翌日に疲労やストレスが残りづらいことも特徴の一つです。
人間は脳が起きているレム睡眠と脳を休めるノンレム睡眠を繰り返して睡眠を取っています。ノンレム睡眠中は副交感神経が優位になり、脳も体もリラックスした状態となり休息効果が高くなります。(短時間睡眠だからといって、健康を害するわけではありません)。
2-2.ロングスリーパーのデメリット
しかし睡眠時間が長いということはそれだけ、日常の生活の時間が睡眠に使われるということでもあります。朝6時に目覚める人が9時間の睡眠が必要な場合、前日の21時に就寝する必要があります。
ちょっと遅めの残業があったり、飲み会などが開催されたりしたら睡眠時間が足りなくなってしまうこともあります。9時間の睡眠が必要な人がそれ未満の睡眠時間になってしまうと、熟睡感が得られず、日中の眠気や倦怠感の原因となります。
ロングスリーパーの人が無理をして睡眠時間を減らしてしまうと、睡眠不足が借金のように蓄積して睡眠負債となります。心身のバランスを崩して健康を害してしまうこともあります。必要な睡眠時間が長いため、睡眠負債を蓄積しやすいことはロングスリーパーのデメリットとも言えます。
2-3.過眠症との違いとは?
過眠症とは、夜間に十分に睡眠時間を確保しているにも関わらず、日中に強い眠気に襲われてしまう睡眠障害のことを指します。この眠気は耐え難いもので、居眠りを引き起こす可能性があります。運転をしている時や何らかの集中力が必要な作業をしている時にも生じる可能性があり、事故の原因や仕事の支障になったりもします。
ロングスリーパーと過眠症は別のものです。過眠症は日中に強い眠気が生じる。一方で、ロングスリーパーの人は夜間に十分な睡眠を取っていれば日中の眠気が起きることはほとんどありません。
3.長時間睡眠の原因として考えられるものは?
ではなぜ、平均的な睡眠時間を超えて眠ってしまうのでしょうか?一般的な原因について解説します。
3-1.疲労やストレス

疲労が溜まっていると心身のバランスを整えるために睡眠が必要になります。例えば休日の昼間にたっぷりと運動をしたら、その日は普段よりも早く眠気が来ますよね。このように疲労が溜まっている人は睡眠時間が多くなる傾向にあります。疲労を回復するために睡眠を取ることはもちろん重要です。ただし見方を変えて、疲労を溜めすぎないような生活を送ることも同じくらい重要です。
また、ストレスも同様に睡眠を過剰にしてしまうことがあります。通常はストレスは交感神経を優位にするため、寝つきを悪くしたり睡眠の質を低下させたりします。その分、長く睡眠を取ることで精神を安定させていると考えられています。
3-2.遺伝の可能性
遺伝によって睡眠時間の多い、少ないが決まるという考えもあります。特に両親のどちらかがロングスリーパーならば、子どももロングスリーパーになりやすい傾向があると言われています。ただしこれは現段階で明確になっている原因ではありません。遺伝ではなく、両親の生活パターンがそのまま子どもに受け継がれてロングスリーパーになる可能性も指摘されています。
3-3.体質
遺伝以外にもセロトニンやドーパミンといった睡眠に関わる神経伝達物質が少ないことが原因で睡眠時間が長くなることもあります。セロトニンやドーパミンは眠気を誘発する際に必要になりますが、これらの分泌量が少ないと眠りが浅くなり疲れが十分に取れないため睡眠時間が長くなることがあります。体質的にこれらの分泌量が少ないこともあります。
ドーパミンやセロトニンは精神の安定にも関わり、これらの分泌量が少ないと精神疾患が発症するリスクが高まります。過眠症や鬱などの原因となることもあり、この場合は治療が必要になります。
4.長時間睡眠の短縮方法は?

長時間睡眠は病気ではないため、深刻に考える必要はありません。しかし生活の時間が減ることも事実・・・。長時間睡眠を短縮することはできるのでしょうか?
4-1.睡眠時間が多くても気にする必要はない
朝、目覚めたときに熟睡感があり、日中に眠気や倦怠感が生じないのならば睡眠時間の多い少ないは気にしなくて大丈夫です。無理をして睡眠時間を短縮してしまうと、必要な睡眠が取れず、心身の健康を害してしまう可能性すらあります。
どうしても睡眠時間を短縮させたいのならば、少しずつ早起きをすることから始めましょう。就寝する時間を遅くするのでも構わないのですが、どうしても眠気が治まらないときに二度寝ができることが早起きの優れている点です。30分、1時間程度早く起きてみて、しっかりと熟睡感を得ているならば睡眠時間を十分に確保できているということになります。急に2時間も3時間も睡眠時間を減らすと睡眠時間が不足し、日中の倦怠感や眠気に繋がります。少しずつ睡眠時間を減らすようにしてみましょう。
5.まとめ
・ロングスリーパーは病気ではない
・単純に睡眠時間が多いだけ、適切な睡眠時間は個人差があるもの
・疲労やストレス、遺伝、体質などがロングスリーパーになる原因になる
・睡眠時間が長くて健康に悪いことはないので熟睡感を得ているならば気にしないことも大事
・睡眠時間を減らしたいなら少しずつ減らしてみること
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