- 1.中途覚醒が起きる原因とは?
- 1-1.生活リズムが乱れている
- 1-2.アルコールやタバコで睡眠の質が低下している
- 1-3.加齢の影響で目が覚めてしまう
- 1-4.心身にストレスがかかっている
- 1-5.うつ病の可能性がある
- 2.中途覚醒の原因以外にも眠れない理由があるかも?
- 2-1.睡眠時無呼吸症候群
- 2-2.むずむず脚症候群
- 2-3.概日リズム睡眠障害
- 3.中途覚醒を起こさないための対策
- 3-1.睡眠日誌をつける
- 3-1-1.睡眠時間や覚醒のタイミングを知る
- 3-1-2.睡眠の質に影響する要因をチェック
- 3-1-3.睡眠ログなどを記録できるスマホアプリを活用する
- 3-2.寝る前の視覚的な刺激を避ける
- 3-3.起きた時に朝日を浴びる
- 3-4.眠れない時には布団を離れる
- 3-5.寝室の環境を整える
- 4.中途覚醒が起きてしまった時に再入眠する方法
- 4-1.腹式呼吸でリラックスする
- 4-2.眠気をさそうストレッチをする
- 4-3.眠気をさそうツボを押す
- 4-3-1.失眠(しつみん)
- 4-3-2.安眠(あんみん)
- 5.仕事に支障が出てしまった場合は病院へ
- 6.まとめ|中途覚醒を理解して適切に対策しよう!
中途覚醒が起きる原因は?対策や再入眠の方法を紹介
「夜眠っても途中で目が覚めてしまう……」
「一度起きてしまうとなかなか眠れない…」
中途覚醒とは、一度寝ついても夜中に何度も目が覚めてしまう状態のことです。しっかりと睡眠が取れている実感が得られずに、睡眠不足だと感じる方も多いでしょう。
中途覚醒が起きてしまう原因は、生活リズムが乱れていること、加齢の影響、ストレスが溜まっているなど、様々です。正しく原因を理解して、適切に対策ができれば、少しの工夫で改善できる場合もあります。
本記事では、中途覚醒が起きる原因や効果的な対策、症状がひどい場合の治し方を解説しています。また目が覚めてしまった場合に、今すぐ再入眠できる方法も紹介しています。「夜中に目が覚めてしまって、困っている…」という方はぜひ、最後までご覧ください。
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1.中途覚醒が起きる原因とは?
中途覚醒とは、寝入ったとしても、夜中に何度も目が覚めてしまう状態のことです。
中途覚醒の特徴は、夜中に何度も目が覚めてしまうことから、しっかりと睡眠が取れている実感が得られません。また、一度目が覚めてしまうと再び入眠することが難しくなります。実際に目が覚めている時間は短くても、体感としては一晩中起きていたように感じてしまう方が多いでしょう。
ここからは、なぜこのような症状が起きてしまうのか、主な原因を5つ紹介します。
1-1.生活リズムが乱れている
人間の脳は一定のサイクルで生活をするようになっています。生活リズムが乱れてしまうと、脳が混乱して本来眠気が出てくるはずの時間に脳が覚醒し、朝起きなければいけない時間に眠気が生じるようになることがあります。
特に夏季休暇やゴールデンウィークなどの長期休暇の後は、生活リズムが乱れやすいです。休日に眠りすぎてしまうと、長時間飛行機に乗ったあとの「時差ボケ」と同じような状態に陥ってしまいます。目が覚める時間にばらつきが生じて、睡眠不足が目立つようになります。
休暇中だからと言ってつい夜更かしを続けて、生活リズムを乱してしまうと元に戻すのは容易なことではありません。夜にきちんと眠るためには一定の生活リズムを守ることが重要です。
1-2.アルコールやタバコで睡眠の質が低下している
アルコールは一時的に入眠しやすくさせる働きがあります。
しかし睡眠の質を低下させ、夜間に中途覚醒してしまう要因にもなります。確かに一度、寝付くことはしやすくなるのですが中途覚醒した後、再度眠りにつくのが難しくなります。
またタバコには良い睡眠を妨げる、多くの成分が含まれています。中でもニコチンは交感神経を刺激する働きが強く、タバコを吸うと脳が興奮してしまいます。そのため寝付きが悪くなります。寝る前にタバコを吸うと睡眠の質を低下させ、眠いのに寝れない状態になるので避けるようにしましょう。
1-3.加齢の影響で目が覚めてしまう
加齢するにつれて眠りが浅くなっていくのは、自然な老化現象です。
高齢になればなるほど、早期覚醒しやすくなったり夜中に何度も起きてしまうなど中途覚醒しやすくなります。
特に女性は閉経前後10年間の更年期に、さまざまな症状が現れる傾向があります。早い方では40歳代前半から女性ホルモンが少しずつ低下することで、体のほてりやのぼせ、ホットフラッシュ、発汗の他、めまい、動悸、疲れやすさ、気分の落ち込み、意欲の低下、いらいら、情緒不安定、不眠などの症状が発生します。
男性も女性と同様、男性ホルモンが低下しますが、ゆるやかに低下するため、女性と比べて症状が出にくいようです。
1-4.心身にストレスがかかっている
仕事のストレスや人間関係のストレス、引っ越しや転職の環境変化のストレスなど、ストレスはあらゆる睡眠障害の原因となります。ストレスは交感神経を刺激して優位にしてしまいます。ストレスが溜まっていると、本来副交感神経が働いているはずの夕方から深夜にかけて交感神経が働き、眠気が生じないことがあります。眠れたとしても睡眠の質が低下し、夜中に何度も起きてしまったり、深い眠りにならなかったりすることがあります。
1-5.うつ病の可能性がある
うつ病を初めとする精神疾患は、睡眠障害を併発することが多いです。
うつ病の典型例として「気分の落ち込み」「憂鬱」「趣味などに興味を持てない」「積極的に行動できない」などがあります。
特に、中途覚醒は精神疾患患者に非常によく見られる典型的な症状です。眠気を感じているのにも関わらず、不安や落ち込みからスムーズに入眠することができなくなったり、就寝中夜中に何度も起きてしまったりします。
2.中途覚醒の原因以外にも眠れない理由があるかも?
ここまでは、中途覚醒が起きてしまう主な原因を5つ紹介しました。
しかし中途覚醒が起きる場合は睡眠障害など、他にも「何度も目が覚めてしまう理由」が隠れているのかもしれません。
本項では中途覚醒の原因の他に、早く目が覚めてしまう原因を、3つ紹介します。
2-1.睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に気道が閉塞し、一時的に無呼吸状態が起こります。肥満やもともとの舌やのどの形状により発生しやすくなります。無呼吸が生じることで、脳は無酸素状態に対応するため覚醒します。そのためノンレム睡眠が阻害され睡眠の質が低下して、熟睡できなくなります。
無酸素状態により心臓への負担が増し、循環器系疾患のリスクも高まるため、医療機関で診察と治療を受けた方が良い状態です。特徴としては大きないびきと無呼吸が断続的に繰り返されることなので、大きないびきを指摘されたことがあるなら一度検査を受けると安心です。
2-2.むずむず脚症候群
むずむず脚症候群は、夕方から就寝する直前くらいに脚に虫が這うような不快感が生じる症状です。不快感は非常に強いため、寝付きづらくなります。また就寝中にも不快感で起きてしまうことがあり、睡眠の質が低下し熟睡できなくなります。
原因はドーパミンの分泌不足か鉄の不足と考えられています。治療にはやはり医療機関が頼りになるため、むずむずするような不快感に悩んでいるなら一度診察を受けましょう。
2-3.概日リズム睡眠障害
概日リズム睡眠障害は体内時計が乱れてしまい、起きるべき時間に起きれず、眠らなければいけない時間に眠れない睡眠の問題です。
体内時計は一度乱れてしまうとなかなか元に戻せません。日ごろから規則正しい生活を意識するようにしましょう。個人では改善が困難なため、睡眠外来などのある医療機関で治療を受けるようにしましょう。
3.中途覚醒を起こさないための対策
自分自身が「よく眠れていないかもしれない…」と感じたのであれば、まずは現状を知る努力をしていきましょう。そうはいっても、眠っている間の自分を知ることは、容易なことではありません。適切なアプローチをして、自分自身を理解する必要があります。適切な対策が取れれば、少しの工夫で楽になることもあるでしょう。
そこで本項では中途覚醒でお悩みの方に向けて、簡単にできて、朝までぐっすり寝れる対策を5つ紹介します。
・睡眠日誌をつける
・寝る前の視覚的な刺激を避ける
・起きた時に朝日を浴びる
・起きれない時には布団を離れる
・寝室の環境を整える
すぐに効果を感じなくても、数週間を目安に始めてみると、状況が変わるかもしれません。まずは気軽にできそうなものから始めてみましょう。
3-1.睡眠日誌をつける
睡眠日誌とは、自分自身の睡眠の情報をまとめた日記です。下記画像のように、毎日の変化が明らかになるように記録するのがおすすめです。
記載する項目は、寝床に入った時刻・実際に眠りに就いた時刻・目が覚めた時刻・寝床から出た時刻です。また夜間の睡眠だけではなく、昼寝などの睡眠も記録します。
またこの時「気がついたこと」の項目に、睡眠の質についても記入しておくと、自分の睡眠についてより理解しやすくなるでしょう。
3-1-1.睡眠時間や覚醒のタイミングを知る
睡眠日誌を作成することで、自分自身の睡眠時間や覚醒タイミングについて、曖昧な感覚ではなく、記録した日誌で比較できるのが最大の利点です。なんとなく睡眠不足を感じていても、実は昼寝を含めれば十分に睡眠が取れていたなんてこともあるのです。
またその昼寝が、夜眠れないという原因の可能性もあります。そういったことを考察する上でも、睡眠日誌は有意義なものとなるでしょう。
3-1-2.睡眠の質に影響する要因をチェック
睡眠日誌を付けることで、眠れないと感じる日の状況も把握しやすくなります。いつもと寝床に入る時間がずれていたり、いつもより昼寝を長くしていたり、睡眠の質に影響している要因が何かを見つけることもできます。
3-1-3.睡眠ログなどを記録できるスマホアプリを活用する
睡眠日誌は紙に記入しても良いですが、もっと手軽にスマホアプリで記録できるため、おすすめです。スマホアプリであれば、設定した時間に合わせて浅い眠りのタイミングでアラームを鳴らすなどのサポートもあり、より充実した睡眠管理ができるでしょう。
3-2.寝る前の視覚的な刺激を避ける
テレビ、パソコン、ゲーム機器やスマホなど、睡眠の前に強い光の刺激を受けていると、脳が覚醒状態となって睡眠の質が低下します。眠る前に部屋の電気を少し暗めに設定し、液晶画面を見ないなど、穏やかな時間を過ごすように努めましょう。
また、就寝の際につけて寝る照明は暖色系の灯りがよいとされています。蛍光灯のような白色系の明るさは、眠りに関係しているホルモンの一つである「メラトニン」の分泌を抑制してしまうからです。
3-3.起きた時に朝日を浴びる
体内時計は、約25時間周期ですが、地球の1日の周期は約24時間。このズレを調整するのが日光です。特に朝起きた時に日光を浴びることで、睡眠・覚醒のリズムが整い、質のよい睡眠を得られるようになります。
3-4.眠れない時には布団を離れる
眠れないのにいつまでも布団にいることは、それだけでストレスの原因となり、さらに眠れなくなってしまう場合もあります。眠れない時には一度布団を離れることも大切です。布団は眠る場所であり、目が覚めている時には居なくてもよい場所だと身体に刷り込みましょう。
3-5.寝室の環境を整える
寝室の環境を整えることで、睡眠の質が改善することもあります。寝る前に換気を行って部屋に酸素を十分に取り込み、エアコンなどを活用して睡眠に適した室温と湿度に整えましょう。空気清浄機を使用するのも効果的です。また、自分に合った寝具を使うことも、良い効果が期待できます。
4.中途覚醒が起きてしまった時に再入眠する方法
ここまでで、中途覚醒に効果のある対策を5つ紹介しました。
少しずつ習慣付けることで、中途覚醒を抑制して、快適な睡眠を取れるようになるでしょう。しかしこの記事を読んでいる方の中には、「今すぐ再入眠したいのに、なかなか寝れなくて困っている…」という状況の方もいるのではないでしょうか?
そこで本項では、「今すぐ再入眠したい!」という方に向けて、即効性のある対処法を3つ紹介します。どれも今すぐできるものなので、ぜひ試してみてください。
4-1.腹式呼吸でリラックスする
腹式呼吸には、リラックスできる効果があるといわれています。ぜひ寝転がりながら、やってみましょう。
腹式呼吸のやり方
1. 仰向けに寝た状態で、両手をお腹の上に置きます。
2. 口から息を吐いて、お腹を凹ませます。ロウソクの火を消すように、フーッと吐く事がポイントです。
3. 息を吐き切ったら、鼻から大きく息を吸ってお腹を膨らませます。自分の鼻の近くにある空気を吸うようなイメージで吸うとお腹が膨らみやすいです。
4. 口から息を吐き切ってお腹を凹ませます。
4-2.眠気をさそうストレッチをする
全身を伸ばして体をゆるめるストレッチです。ストレッチにより、緊張が緩和され、手足が温まり放熱される事で体温が下がるので、結果的に眠りやすくなるのです。また心身ともにリラックスする効果が得られる事も入眠効果として挙げられます。
1. 仰向けに寝て、両膝をしっかりと伸ばします。
2. 両手を組んで頭の上でバンザイをするように伸ばします。
3. 両手と両足を遠くにグーっと伸ばします。両手、両足が上下から引っ張られているように意識するのがポイントです。
4. 3の状態を10秒キープしたら、脱力し深呼吸をします。
この動作を3~5セット繰り返します。
4-3.眠気をさそうツボを押す
ツボを押す際、ツボがある場所を意識することは大切ですが、場所を特定することが難しい場合もあります。このような時に、神経質になりすぎてしまうと余計混乱する場合もあります。
ツボのある場所を細かく考えすぎず「気持ちいいな…効いてそうだな」と、ゆるやかな気持ちで向き合うことが大切です。まずは、ツボのおよその場所をチェックし、やさしく触りながら取り組むことから始めたいですね。
ここでは、眠気を呼ぶツボを2つ紹介します。
4-3-1.失眠(しつみん)
足の裏の踵部分の真ん中にあるツボです。眠気を誘う代表的なツボといわれています。指で押すには少し力不足なので、ワインのコルク程度の硬さのものを踏むように刺激すると良いでしょう。
失眠に関しては踵の奥にあるため、通常のツボ押しの時間より長めの20秒程度、ゆっくり押すと良いといわれています。回数は3~5回繰り返します。
4-3-2.安眠(あんみん)
耳たぶの後ろにある骨のくぼみ部分から1cmほど下にあるツボです。文字通り安眠に導きます。親指でツボを押し、手のひらで頭全体を包み込むようにします。ツボを固定しながら頭を左右にゆっくり動かして刺激します。
参考:眠れない夜に効果的なストレッチ!タイミングや快眠のツボも紹介
5.仕事に支障が出てしまった場合は病院へ
本記事では、中途覚醒が起きている場合の対処法や予防法などについて解説してきました。
どんなことが原因になっているにしろ、眠いのに寝れない状態が続くということは心身に異常が生じています。
眠いのに寝られず、翌日の仕事などに支障が出ている場合は病院で診察を受けるようにしましょう。近くに睡眠外来や睡眠センターが設置されている病院があるならそこで診察を受けて、無い場合はかかりつけの内科で診察を受けるようにしましょう。
中途覚醒や睡眠障害などで悩んでいる場合、ドラッグストアなどでも睡眠導入剤を購入することは可能です。しかし睡眠導入剤を使えば一時的に眠ることはできるかもしれませんが、根本的な不眠の対策にはなりません。できるだけ市販の睡眠導入剤は最後の手段とするようにしましょう。
6.まとめ|中途覚醒を理解して適切に対策しよう!
中途覚醒とは、寝入ったとしても、夜中に何度も目が覚めてしまう状態のことです。
実際に目が覚めている時間は短くても、体感としては一晩中起きていたように感じてしまうのが特徴です。中途覚醒が起きる主な原因は、以下の5つです。
・生活リズムが乱れている
・アルコールやタバコで睡眠の質が低下している
・加齢の影響で目が覚めてしまう
・心身にストレスがかかっている
・うつ病の可能性がある
しかし中途覚醒が起きる場合は睡眠障害など、他にも「何度も目が覚めてしまう理由」が隠れているのかもしれません。翌日の仕事などに支障が出ている場合は、病院で診察を受けるようにしましょう。
とは言え適切な対策が取れれば、朝までぐっすり寝れるようになるかもしれません。対策を実行することを通して、自分の睡眠タイプと中途覚醒の原因を理解することが重要です。それをもとにセルフケアを行えば、快適な睡眠を手に入れる手助けになることでしょう。簡単なことから日々の生活に取り入れてみてください。
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