- 1.「睡眠負債」とは?
- 1-1.睡眠不足が体内で蓄積する仕組み
- 2.睡眠負債のセルフチェック方法
- 2-1.寝つきはよいか?
- 2-2.中途覚醒することはないか?
- 2-3.朝すっきり目覚めることはできるか?
- 2-4.よく眠れた実感があるか?
- 2-5.日中に過度の眠気に襲われてないか?
- 2-6.仕事や勉強の効率は下がっていないか?
- 3.睡眠負債が慢性化すると起こる症状
- 3-1.集中力や注意力が落ち、パフォーマンスが低下する
- 3-2.生活習慣病などの不調のリスクが上昇する
- 3-3.メンタルヘルスに影響が出る
- 4.睡眠負債を確認する手順
- 4-1.睡眠負債の総量をチェック
- 4-2.一日あたり必要な睡眠時間を計算する
- 4-3.睡眠時間を増やして、体調の変化を観察する
- 5.睡眠負債を返済する方法
- 5-1.「寝だめ」をしない
- 5-2.適度に仮眠を取る
- 5-3.毎日少しずつ「返済計画」を立てる
- 5-4.質の良い睡眠をとる
- 6.まとめ│睡眠負債をチェックし、日々の生活を見直そう
睡眠負債を解消する方法は?症状や確認手順も解説
本当は怖い睡眠負債。ちょっとした睡眠不足でも、毎日積み重なっていけば身体とこころの大きな不調の原因になることもあります。しかし、睡眠負債を解消しようと思っていてもなかなか実践できていない方が多いのではないでしょうか。
この記事では睡眠負債の自己チェック方法や解消法、また質の良い睡眠を取るためのポイントを詳しく紹介します。
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1.「睡眠負債」とは?
睡眠負債とは、日々のちょっとした1~2時間程度の睡眠不足が積み重なっていき、取り戻せない状態のことです。睡眠不足を膨れ上がる借金に例えた言葉です。
睡眠負債の恐ろしさは、本人の気づかないうちに身体やこころの不調を招いてしまうところです。「徹夜が続いた」、「昨日は3時間しか眠れなかった」のような明らかな睡眠不足とは違って自覚しにくいため、注意が必要です。現代の日本人の多くがこの睡眠負債を抱えて生活していると言われています。
1-1.睡眠不足が体内で蓄積する仕組み
一日に必要な睡眠時間は、個人差や年齢差があるものの、およそ6~8時間です。しかし本来7時間の睡眠が必要であるはずの人が、毎日5時間しか睡眠時間が確保できないとなると、足りない睡眠2時間×7日で1週間でトータル14時間の睡眠の借金をすることになるのです。
睡眠不足は慣れが生じやすく、このようなちょっとした睡眠不足は日々蓄積されていきます。上記のような仕組みによって睡眠負債が出来上がるというわけです。
2.睡眠負債のセルフチェック方法
自分ではなかなか気づきにくい睡眠負債。自分に睡眠負債があるのかどうかを知るために簡単なセルフチェックをしましょう。
2-1.寝つきはよいか?
就寝と起床のサイクルが乱れて睡眠の質が低下している場合は注意が必要です。しっかりと睡眠を取れている人は体内で就寝と起床のサイクルができているため、就寝する時間になると自然と眠くなります。
しかし、寝つきが悪ければ睡眠負債が溜まっている可能性が高いでしょう。睡眠負債の緩和には睡眠時間も重要ですが、睡眠の質も重要になります。
2-2.中途覚醒することはないか?
就寝中に何度も目が覚めてしまうことを中途覚醒といいます。もし一晩に何度も中途覚醒をするようであれば、睡眠時間も睡眠の質も低下します。中途覚醒に悩んでいる人は睡眠負債が大きくなりがちです。
2-3.朝すっきり目覚めることはできるか?
朝にすっきりと目覚めることができなければ、睡眠負債が蓄積されている証拠と言ってよいでしょう。適切な睡眠時間には4時間~8時間など個人差があるため、睡眠が足りているかは朝にすんなりと起きられるかどうかを一つの判断基準にするのがおすすめです。
2-4.よく眠れた実感があるか?
朝すっきりと目覚めることができるか、という点に繋がりますが、起きた時に「よく寝れた!」という実感を持つことができるかもポイントになってきます。スッキリと起きられたなら、睡眠時間や質に関して問題がないといえます。
2-5.日中に過度の眠気に襲われてないか?
最も重要と言っても過言ではありませんが、日中に過度の眠気に襲われる場合には明らかに睡眠が足りていません。
ナルコレプシーなどの病気が隠れている可能性もありますが、仕事をしている最中に意識を失うレベルの眠気に襲われるのなら、睡眠負債が無意識に溜まっている証拠です。
2-6.仕事や勉強の効率は下がっていないか?
仕事や勉強のパフォーマンスが下がっているなと感じる場合、睡眠負債が溜まりすぎていることを疑いましょう。睡眠負債が蓄積されていると集中力や判断力の低下に繋がり、普段通りの行動がしづらくなる可能性があります。
上記のセルフチェックポイントをさらに詳しく知りたい方は関連記事「睡眠負債とは?睡眠不足が与える影響やセルフチェック、対策法を紹介」をご覧ください。
3.睡眠負債が慢性化すると起こる症状
自覚しにくい睡眠負債ですが、この状態が悪化すると心身ともに影響を及ぼすのです。詳しく睡眠負債による影響をみていきましょう。
3-1.集中力や注意力が落ち、パフォーマンスが低下する
睡眠負債をためこむと、まず日中のパフォーマンスが低下します。記憶力、コミュニケーション能力、判断力、集中力、思考力、計算能力、モチベーションなどがすべてダウンし、何をやってもやる気が出ない、失敗するという事態に陥ってしまいます。
さらに乗り物の運転でもミスを犯す危険性が高まるので、十分な注意が必要です。
※参考:ダイヤモンドオンライン『経営判断を誤らせる「睡眠負債」を睡眠日誌で返済する』
3-2.生活習慣病などの不調のリスクが上昇する
眠りの借金のつけは身体にも影響します。まず日常的に疲労が蓄積するので、身体の回復能力が追い付かなくなったり、倦怠感が続いたりします。また、外敵から身体を守る働きが弱まり、体調を崩しやすくなります。
この結果、生活習慣病などのリスクが高まるというわけです。生活習慣病を引き起こさないためにも睡眠負債を溜めないことが重要です。
3-3.メンタルヘルスに影響が出る
こころの面では、睡眠負債によって感情が抑えられなくなり、気分のアップダウンが激しくなることが分かっています。何をするにもモチベーションが低下しているので、嫌々こなすことになり、日常生活やコミュニケーションが億劫に感じることもあります。
4.睡眠負債を確認する手順
睡眠負債をスッキリ返済するためには、借金返済と同じように、まずは現在の自分自身の負債状況を知ることが大切です。どのくらい睡眠負債が溜まっているか確認する手順を紹介します。
4-1.睡眠負債の総量をチェック
まずは睡眠負債状況のチェックをしてみましょう。本格的に調べるためには専用の施設で数日間かけて睡眠リズムを観察する必要がありますが、簡易なチェックの場合は自宅で行うこともできます。
自宅で行う場合は、翌日に仕事や外出などの予定がない日にしましょう。朝日が入らないように部屋を遮光し、アラームなどもすべてオフにしてから就寝します。目が覚めるまで眠り続け、そして睡眠時間の合計を記録します。
この合計時間が通常の自分よりも長い場合には注意してください。特に3時間以上長く眠ってしまったという人は、かなり睡眠負債がたまっていると考えられます。
4-2.一日あたり必要な睡眠時間を計算する
自分にとって1日に必要な睡眠時間を計算するステップも踏んでおきましょう。ただ、このテストは1週間かかります。そのため大型連休や年末年始などのまとまった休みを利用して行うのがおすすめです。
遮光し、かつアラーム類もオフにした部屋の中で、まずは眠りたいだけ眠ります。最初は睡眠負債が溜まっていたら不足分を補うために眠り続けることが多くなりますが、後半になるにつれて睡眠時間が短縮されていきます。1週間が終わった頃に取った睡眠時間が、自分にとって最適な時間になります。
4-3.睡眠時間を増やして、体調の変化を観察する
自分に本来最適な睡眠時間が分かったら、それにできるだけ近づけるように睡眠時間を増やす工夫をします。
これまで必要な睡眠時間に対して、一日あたり2時間不足している人なら、1時間早く寝て、1時間遅く起きる生活サイクルをつくると理想的です。
理想的な状態を一定期間続けてみて、体調や気持ちの変化を実感してみましょう。平日の睡眠時間と、休日に自然に目が覚める時間がほぼ同じになれば、それが自分の最適な生活リズムということです。
5.睡眠負債を返済する方法
たまってしまった睡眠負債を返済する唯一の方法は、「たくさん寝ること」。残念ながらこれ以外の得策はありません。今からでも遅くない、睡眠負債を解消する方法をみていきましょう。
5-1.「寝だめ」をしない
たまった睡眠負債を返済しようと考えたとき、まずやってしまいがちなのが「寝だめ」です。寝だめとは平日に不足していた睡眠時間を、休日にたくさん寝ることによって取り戻すことです。
残念ながら寝だめでは睡眠負債を解消することはできません。平日は4~5時間しか眠れていないのに、休日だけ10時間あるいはそれ以上眠ってしまうことは、生活リズムの乱れにつながり、身体に負担がかかってしまいます。
5-2.適度に仮眠を取る
適度に仮眠を取るのもおすすめです。この際にはタイミングと時間に気を付けましょう。起床から約8時間後がポイントです。6時に起きる人なら午後2時頃に仮眠をとるのが効果的ですが、これは実は本能的に脳を休ませようとする仕組みがはたらいているからです。
詳しくは関連記事「効果的な仮眠の取り方とは?短時間で頭をリフレッシュさせるコツを解説」をご覧ください。
5-3.毎日少しずつ「返済計画」を立てる
睡眠負債をスッキリ返済するためには、借金返済と同じように、まずは現在の自分自身の負債状況を知ることが大切です。
自身の睡眠の状態を把握し、眠りの返済計画を立ててみましょう。これまで毎日1時間ずつ積み重ねてきた眠りの借金は、これから毎日1時間ずつ多く眠ることで、計画的に継続して取り戻していくことが理想的です。
5-4.質の良い睡眠をとる
質の良い睡眠とは、朝起きた時に熟睡感を持ってスッキリと起きられ、疲労が解消されるような睡眠のことをいいます。
質の良い睡眠をとるには、例えば自分に合った枕や自分に合ったマットレスなど、良い寝具を選ぶことが挙げられます。それ以外にも寝る前にブルーライトを浴びないようにしたり温かいお茶を飲むようにしたりなど、質を上げるためにはさまざまな工夫が必要になるのです。
寝具を変えるだけで朝スッキリ目覚められるようになった・疲れが取れたということもあるので、ぜひ試してみてください。また、「疲労がたまっていてそもそも睡眠の質が悪い」という方は、関連記事「疲れやすい、疲れが取れない人の睡眠の特徴は?睡眠の質を高めて疲れを取る習慣」をご覧ください。
6.まとめ│睡眠負債をチェックし、日々の生活を見直そう
ちょっとした睡眠不足が続くことでたまっていく睡眠負債。忙しい生活の中で、最適な睡眠時間を確保し、睡眠負債を返済していくためには毎日の積み重ねが必要です。まずは自分の睡眠負債をチェックし、日々の生活を見直してみましょう。
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