浅い眠りは不調のサインかも?

睡眠時間を十分とっているはずなのに、朝起きると疲労感がある…。それは眠りが浅くなっているサインかもしれません。眠りが浅くなる理由とは?メリハリのある睡眠を習慣づけるためのポイントをおさえ、スッキリとした目覚めを手に入れましょう。
1.「眠りが浅くなっているサイン」とは?
睡眠不足などの睡眠のトラブルは、自覚しにくく、シャキッとしない目覚めの感覚が毎日繰り返されることでだんだんと慣れが生じてしまう特徴があります。寝足りない感覚や、倦怠感が日常的に続くと、その状態に慣れてしまい自分では分からなくなってしまうのです。しかし身体は正直ですから、睡眠の習慣が乱れていることをさまざまなサインで知らせています。
眠りが浅くなっているときに表れやすいサインを見ていきましょう。
1-1.夜中に目が覚める
些細な刺激で何度も夜中に目が覚めてしまい、ぐっすり感が得られないというのは就寝中の眠りが浅いサインです。眠りが浅いと、深い眠りに入っているときには気が付かないような物音や、室内の暑さ・寒さ、身体のかゆみ、くしゃみや咳などの刺激に反応して繰り返し目が覚めてしまいます。また、中高年の人では夜間にトイレにいきたい感覚があって睡眠が途切れてしまうことも。夜中に目が覚めること自体は、危険回避のためにヒトに備わった生理現象であり、その後再び深い睡眠に戻れれば問題はありません。ただあまりにも頻度が高かったり、なかなか深い睡眠に戻れないという人は注意が必要です。寝苦しい季節にはエアコンを活用したり、肌触りのよい寝具を使用するなどの工夫をして、快適な睡眠空間を用意することも大切です。
1-2.朝起きたときに「ぐっすり感」がない
朝、爽快に目が覚めて、「よく眠れた!」という充足感、つまり「ぐっすり感」があれば最高ですが、眠りが浅いときはそのような感覚を感じることができません。
「いくら寝ても、ぐっすり眠れている実感がなく、寝足りない。」
「朝起きたとき疲れを感じる。身体がだるい。」
睡眠時間は十分取れているはずなのに、目覚めたときに爽快感よりもこのような不快な感覚があるという人は、睡眠の量ではなく睡眠の質に問題があります。深い眠りへのシフトがスムーズにいかず、浅い睡眠のままウトウトと過ごしてしまうので、長時間寝ているようでも身体は休まらず、疲労感が残ってしまいます。この状態が日常的に続くと、浅い睡眠に慣れが生じて悪循環に陥りますので、まずは質の悪い睡眠習慣を自覚することが大切です。
1-3.昼間に眠気を感じる
睡眠時間は十分とれているはずなのに、昼間に突然強い眠気を感じる場合も、睡眠が浅くなっているサインのひとつです。浅い睡眠が癖になってしまっていると、睡眠と覚醒のメリハリがなくなり、日中も常に頭がボーっとしてシャキッとしない感覚を抱きます。日中の活動への集中力が低下するため、単純なミスや物忘れなども多くなりがちです。
2.眠りが浅くなる理由
そもそもなぜ眠りが浅くなってしまうのでしょうか?眠りが浅くなる理由は一つではなく、人によってさまざまです。眠りが浅くなると考えられている主な理由についてみていきましょう。
2-1.体内時計の乱れ
睡眠や食事などの生活リズムは「体内時計」によって一定に保たれています。朝になれば目が覚め、夜になると眠くなる…。これが毎日繰り返されるのも、体内時計が睡眠と覚醒の切り替えをコントロールしているからです。眠っている間も、体内時計は「浅い睡眠(ノンレム睡眠)」と「深い睡眠(レム睡眠)」を周期的に繰り返しながら、質の良い睡眠リズムを刻みます。いわば快眠のキーポイントともいえる体内時計ですが、現代社会における不規則な生活の中では乱れがちになり、これによって浅い睡眠と深い睡眠のリズムが崩れると考えられています。

2-2.加齢による変化
睡眠のリズムをコントロールしている体内時計のはたらきは、加齢によっても衰えます。歳を重ねるごとに、浅い睡眠と深い睡眠の周期に乱れが生じ、全体の睡眠時間も短くなることが分かっています。中高年におきる睡眠リズムの変化は、一種の加齢現象であり、ある程度は仕方がないことです。

2-3.ストレス
睡眠リズムはストレスの影響によっても乱れてしまいます。人を含め生き物は皆、安全でリラックスした環境の中で睡眠をとるものです。一方ストレスを感じている環境というのは、脳が何かしらの危険を感じ、生理反応として身体を危険回避のための緊張状態にシフトさせてしまいます。日常的にストレスにさらされていると、夜になってもなかなか緊張状態が取れず、深い睡眠を妨げてしまいます。

2-4.寝る前の行動習慣
なんとなくしてしまっている寝る前の3つの行動習慣が、睡眠を浅くしてしまうことがあります。
1. 寝る前の入浴(とくに熱い風呂)
2. 寝る前のTV、スマホ、PC操作
3. 寝る前の食事
眠りを浅くしてしまう習慣の一つ目は、寝る直前に熱いお風呂に入ることです。熱いお風呂は刺激が強く、身体を覚醒状態にシフトさせるため、快眠の妨げになります。寝る直前ではなく布団に入る2時間前を目安に、38度程度のぬるめのお湯にゆったりとつかるようにします。
そして2つ目の習慣は寝る前のTV、スマホ、PC操作です。もともと体内時計は日光の強弱によって、日中と夜間の判断をする性質を持っています。夜になってもディスプレイの明るい光線を見続けていると、体内時計が乱れ、睡眠リズムが崩れてしまいます。布団の中でスマホゲームをしながら眠りにつくという人も多いと思いますが、電子機器のディスプレイから出るブルーライトは、体内時計を強く刺激し、睡眠リズムを崩す原因になりますから、注意が必要です。
3つ目の習慣は寝る前の食事です。寝る前にダラダラと食べていると、消化吸収のために内臓が活発に動き出してしまい、快眠を妨げてしまいます。夕飯程度のボリュームの食事を消化するためには約3時間程度かかることを考慮し、早めに食事を終えるようにしましょう。規則正しくメリハリのある食習慣が、メリハリのある睡眠習慣をつくります。

2-5.飲み物の影響
嗜好品の中には、眠りを浅くしてしまうものがあります。それはカフェインとアルコールです。コーヒー、緑茶、紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェイン。眠気覚ましに利用される成分であるだけに、飲む量やタイミングを工夫しなければ、浅い眠りの原因になってしまいます。一方、夜間のアルコール摂取、特に寝酒の習慣のある人も要注意です。アルコールは、眠気を誘うイメージがありますが、実はその効果はとても短期的で、かえって睡眠の質を下げてしまいます。アルコールによる入眠では、眠りが浅くなってしまうことが分かっているのです。カフェインもアルコールも、布団に入る4時間前からは控える方が良いでしょう。

3.まとめ
寝ても寝足りない感覚や、日中の疲労感やだるさは、浅い睡眠による身体のサインかもしれません。睡眠時間を確保しているつもりでも、ぐっすり感が得られないのは本人にとってつらいものです。あきらかな睡眠不足に比べて、睡眠の質の問題は本人も自覚しにくく、癖になってしまいがちです。浅い睡眠によるサインを見逃さず、今一度自身の睡眠習慣や生活習慣を見直してみましょう。
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