首が痛い…「ストレートネック」「寝違え」など、原因チェック

首の痛みは多くの人が抱える悩みです。首には非常に多くの、しかも重要な神経が通っているため、首の痛みを放置してしまうと神経が障害されて思わぬ症状が現れることがあります。首の痛みは様々な原因により発生します。首の痛みの原因にはどのようなものがあるのでしょうか?原因を特定するための方法を解説します。
1.首の痛みの原因とは?
首は様々な神経や動脈、静脈が通っている部位です。非常に複雑な構造をしているため、様々な原因で首の痛みが生じます。代表的な首の痛みの原因を解説します。
1-1.寝違え
寝違えは朝目覚めたとき、首に強い痛みが生じている状態です。痛みの度合いは強弱があり、首を動かすと痛みを感じる程度のものから、非常に強い痛みで首を一切動かせないようなものまであります。寝違えが起きる明確なメカニズムは解明されていませんが、就寝中の無理な姿勢が一つの原因とされています。無理な姿勢により、首の一部の筋肉への血液の供給が滞り、しこりとなり目覚めたときに痛みが生じるとされています。
1-1-1.寝違え時の対処法
寝違えは基本的に数時間程度で痛みが緩和していきます。ゆっくりと首を動かして血流をよくすると、痛みの緩和が早まります。しかし、数日間痛みが持続したり、何も手につかないくらい痛みが強い場合は他の病気の可能性もあるため、整形外科での診察と検査をする必要があります。
病院で診察を受ければ湿布薬を貰えますし、市販の湿布薬でも抗炎症作用、鎮痛作用のあるものを張ると、寝違えの痛みを軽減させることができます。
1-2.ストレートネック
ストレートネックは日常的に猫背など不自然な姿勢を続けることで、頸椎がまっすぐになってしまった状態のことを指します。頸椎は正常ならば緩いくの字を描いていますが、まっすぐになってしまうと頭が前に飛び出た前傾姿勢となります。
この姿勢になると頭部の重さがすべて首や頸椎にかかってきます。首の筋肉がこわばり、肩や首の痛みに繋がるほか、神経を害して手や腕のしびれ、頭痛、眼精疲労などを引き起こすこともあります。ストレートネックは合わない枕や猫背の状態でのデスクワーク、スマートフォンの長時間の使用などが原因となります。まずストレートネックにならないように日常生活の姿勢を見直すのが重要です。
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1-3.外傷
強い衝撃を受けると首の骨と骨をつないでいる靭帯が損傷を受けます。交通事故などで車に追突されると強い衝撃により、靭帯が捻挫をしてしまいます。頸椎の靭帯が捻挫を引き起こすと、長期間の痛みや頭痛、めまいが引き起こされることがあります。
1-4.椎間板ヘルニア
椎間板とは骨と骨の間のクッションの役割をする器官です。この椎間板が何らかの原因により骨と骨の間から飛び出た状態を椎間板ヘルニアと呼びます。頸椎の椎間板ヘルニアを頸椎椎間板ヘルニアと呼び、飛び出した椎間板は神経を刺激して首に痛みを引き起こします。また首だけではなく腕にも痛みやしびれを引き起こすことがあります。
椎間板ヘルニアによる神経の圧迫が強くなると、手足のしびれが強くなり、日常生活に支障がでることもあります。そのため頸椎椎間板ヘルニアを疑う症状が見られるようになったらなるべく早めに病院で診察を受けるようにしましょう。整形外科、もしくは脳神経外科が頸椎椎間板ヘルニアの診療科です。
1-5.肩こりに付随する首の痛み
肩こりは肩の筋肉が無理な姿勢、運動不足や血流不足によりこわばることで発生します。肩こりに関わる筋肉は首の付け根から肩、背中まで広がる僧帽筋という筋肉です。僧帽筋は首の付け根にも存在しているため、肩こりと同時に首が痛くなることもあります。
1-6.筋肉痛
首の筋肉を使うと筋肉痛になることがあります。首を使った激しい運動というのはラグビーや格闘技などになります。ラグビーや格闘技を日常的に行っている人は少ないとは思いますが、普段運動不足の人が急に首に負担をかけると筋肉痛が生じやすくなります。
2.自分の首の痛みは何なのか?

首の痛みの原因は様々です。病院で診察を受ければどういう原因により首に痛みが生じているかが分かります。しかし、不安を解消するためになるべく自分でもどのような原因なのかあたりを付けておきたいですよね。あくまで目安で確定診断ではありませんが、首の痛みの原因を分類してみました。
2-1.起きたときに首が痛い場合
朝、起きたときに首が痛くなっている場合は寝違えの可能性が高いです。寝ている間に首が無理な姿勢になったことにより、筋肉がこわばり血流も滞り、疲労物質や痛みの原因物質が筋肉に蓄積されてしまった状態です。しこりができていることもあります。
寝違えは早急に病院で診察を受ける必要はありません。数時間のうちに痛みが緩和してくるため、経過観察で大丈夫です。ただし、寝違えの痛みが数日たっても続いたり、非常に強い痛みが生じている場合は別の病気の可能性があるため病院での診察が必要になります。
2-2.姿勢が悪いと指摘される場合
「姿勢が悪い」「猫背だね」と指摘されることがある場合、首の痛みの原因はストレートネックにある可能性が高いです。ストレートネックは頸椎がまっすぐになってしまうため、前傾姿勢が目立つようになります。座っている時だけではなく、立っている時も頸椎がまっすぐの状態で固定化されてしまうため、はた目からも姿勢の悪さが分かるようになります。
ストレートネックでは首の痛みのほかに眼精疲労や頭痛、腕や手の痛みが生じます。首の痛み、姿勢の悪さに加えてこれらの症状があるならばほぼストレートネックが原因によるものと考えられます。ストレートネックは薬で改善することができず、病院で治療をする必要があります。ストレートネックが疑われるならば早めに病院で診察を受けるようにしましょう。
2-3.首に大きな衝撃を受けた覚えがある場合
交通事故や高所からの落下のように首に大きな衝撃を受けた覚えがある場合、靭帯を損傷している可能性があります。靭帯を損傷した場合、長期間にわたって痛みやしびれが持続することがあります。また首だけではなく頭痛や腕のしびれも現れるようになります。頸椎を安静にさせ、消炎湿布薬などを用いることで治癒も早まるので、病院で診察を受けることが重要です。
2-4.腕に痺れを感じる場合
頸椎椎間板ヘルニアは首や肩の痛みだけではなく、腕へのしびれが症状として現れることが多いです。腕に痺れがある場合、頸椎椎間板ヘルニアの可能性も考慮して早めに病院で診察を受けることが必要となります。椎間板による神経への圧迫が大きくなると痛みやしびれが強くなり、麻痺状態になることもあります。早めの治療をすると予後もよいので、早期発見早期治療を基本としましょう。
2-5.活発に運動した場合

筋力トレーニングや長時間の同じ姿勢を続けることで、首の筋肉に負担が掛かります。そのような場合の痛みは筋肉痛であることが多いです。筋肉痛は数日で消えていきます。よく温めて食事と睡眠をしっかりと取るようにしましょう。また普段から運動習慣をつけることで予防することも可能です。
3.気になるようならば病院で診察を
首は重要な神経や血管が通っている部位です。頸椎も頭を支えるために複雑な構造をしています。色々な要因が重なって首が痛くなることもあり、調べてみると重大な病気や外傷が隠れていることもあります。数日間痛みが続いたり、痛みが非常に大きかったり、手足にしびれを感じたりと、違和感があるようならば、整形外科の病院で診察を受けるようにすると安心です。
4.まとめ
・起床時に首が痛い場合、無理な姿勢により筋肉がこわばり、寝違えが起きてる可能性が高い
・日常生活の姿勢が悪いと指摘されることがあり、首の痛みとともに眼精疲労や頭痛がある場合ストレートネックになっている可能性が高い
・交通事故など強い衝撃を受けた覚えがある場合、靭帯が損傷している可能性が高い
・腕に痺れを感じる場合は椎間板ヘルニアの可能性が高い
・首は重要な神経や血管が通るデリケートな部位である
・首の痛みを放置すると手や腕の麻痺や筋力の低下を引き起こすこともあるので、早めの診察と治療が重要
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