夜中に目が覚めるのはなぜ?中途覚醒の原因と対処法を解説
夜、ベッドに入ってから朝までずっと熟睡できると気持ちいいですよね。でも深夜に何度か起きてしまうことに悩んでいる人もいるのではないでしょうか?夜中に何度も起きてしまうと睡眠の質が低下し、翌日に疲れや眠気が残ってしまうことも。なぜ夜中に途中で起きてしまうのでしょうか?そしてその対策にはどんな方法があるのでしょうか?
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1.中途覚醒の原因とは?
一言で中途覚醒と言ってもその原因は様々です。代表的な原因をいくつか紹介します。
1-1.加齢
人間は年齢とともに眠りが浅くなっていく傾向にあります。小さいころ、おじいちゃんおばあちゃんがとても早く起きていた経験はありませんか?これは加齢とともに覚醒と睡眠のリズムの揺れ幅が小さくなっていくことによります。朝早く起きてしまうだけではなく、夜中に何度も起きてしまったり夜中に起きたらその後なかなか寝付けなくなったりもします。
ただし加齢による中途覚醒は自然な老化現象なのでそこまで気にする必要はありません。極度の疲労感や眠気が残るのでなければ、深刻にならないほうがよいでしょう。ちなみに高齢になればなるほど、夜間の睡眠時間は減りますが昼間にウトウトすることが多くなります。
1-2.生活習慣病
高血圧や肥満といったメタボリックシンドロームの患者は中途覚醒しやすい傾向にあります。高血圧であるということは交感神経が優位になりやすく、心身が興奮した状態になってしまいます。人間が睡眠をとるためには交感神経とは逆の働きをする副交感神経の働きが重要になります。肥満は高血圧を呼び、高血圧は中途覚醒を呼び込んでしまうので生活習慣病やメタボリックシンドロームをきちんと治すことが大切です。
また糖尿病は中途覚醒の原因となります。糖尿病患者は喉が乾きやすくなるので水分の摂取量が増えます。その結果、夜にトイレに行くことが多くなり目が覚めてしまいます。また進行すると手足のしびれなどが現れるために、熟睡しづらくなります。
1-3.睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は夜間寝ている間に呼吸が止まってしまう状態です。舌や口蓋が喉のほうに落ち、気道を閉塞してしまうことで睡眠時無呼吸症候群が現れます。呼吸が止まってしまうため、息苦しさから中途覚醒してしまうことがあります。また酸欠状態になるため、心拍数が増加し心身が興奮した状態になるので睡眠の質が低下します。翌日に疲れや眠気が残りやすいことも特徴です。
1-4.うつ病
人間はストレスが掛かると自律神経のバランスが崩れ、寝付きづらくなったり睡眠の質が低下したりします。うつ病患者は慢性的にストレスを感じているため睡眠障害を起こしやすいです。うつ病で最も多い睡眠障害は中途覚醒です。
1-5.アルコール
アルコールを飲むと酩酊状態になり、一時的に眠くなります。なかなか寝付けないときにアルコールを摂取するとスムーズに眠れた経験がある人もいるのではないでしょうか?しかしアルコールの作用が切れると脳は逆に興奮してしまいます。アルコールを飲んですぐ寝つけたとしても中途覚醒してしまい、結局睡眠の質はあまりよくないということもあります。たまにならばいいですが、眠れないからと言って毎日のように晩酌をするのは避けたほうがよいでしょう。
1-6.ストレス
うつ病の項目でも述べたように、ストレスは自律神経のバランスを崩して交感神経を働かせてしまいます。大事な面接や会議の前に、緊張(ストレス)で心臓が鳴った経験がある人も多いのではないでしょうか?ストレスにより交感神経が働くと、心身が興奮して睡眠の質が低下します。現代社会で全くストレスのない生活を送るのは不可能ですが、なるべくリラックスしてストレス発散をするように心がけましょう。
1-6-1.まとめ
中途覚醒をしてしまう原因は様々です。すぐに対策できるものから、治療が必要なものまで幅広くあります。ただし共通して言えることは健康的な生活をして、ストレスを溜めないことです。当たり前のように思えますが、これを意識するだけでも中途覚醒を軽減できることがあります。
2.中途覚醒の対策方法
中途覚醒をしてしまう人は翌日にスッキリと起きられず疲労や眠気が溜まりがちです。中途覚醒しづらくするためには、どのような点に気を付ければいいのでしょうか?対策方法を紹介します。
2-1.起床時間は一定に
人間の体は規則正しいサイクルを刻むようになっています。起床時間を一定にすると、睡眠と覚醒のサイクルが正しくなり夜は眠気が起きやすく、朝はしっかりと起きられるようになります。あくまで同じ時間に起きる、ということを体に覚えさせることが大切です。人間は覚醒した後14時間から16時間ほどで眠気が誘発されるので、たとえば朝の7時に起きる習慣があれば夜の21時から23時くらいの間に自然に眠くなっていきます。正しいサイクルを作れば夜中に起きることも自然と少なくなっていきます。
2-2.就寝時間もできれば一定に
起床時間とともにできれば就寝時間も一定にするとなお効果的です。「この時間になったら眠る」というサイクルを体が覚えると、自然に眠気が誘発され深い睡眠を取ることが可能になります。人間の眠気は覚醒後14時間から16時間で誘発されます。起きる時間とともに寝る時間も一定にすることで、この効果を十分に体感することができるでしょう。
2-3.寝る前はスマホやパソコン、TVを控える
人間は強い光を見ると覚醒が促されるようになっています。寝る前についついベッドでスマホをいじったりTVを見てしまう人も多いのではないでしょうか?せっかく暗い部屋でリラックスして眠ろうとしているのに、強い光を見てしまったら意味がありません。最低でもベッドに入ったらスマホやTVを避け、ゆっくりとリラックスするようにしましょう。
2-4.起床後は朝日を浴びる
人間は覚醒してから14時間から16時間ほどで自然と眠気が誘発されます。そのためには朝、しっかりと覚醒することが重要です。強い光は人間の脳を覚醒させる働きがあり、太陽光はその代表です。起床後にしっかりと太陽の光を浴びることで、昼間の眠気を抑え夜しっかりと眠れるようになります。
2-5.熟睡のためには体温の上げ下げ
人間が眠りにつくためには、体の内部の深部体温を下げる必要があります。深部体温は高くなると、急激に元に戻ろうとして下がっていきます。そうなると入眠しやすい状態になると言えます。入浴直後は深部体温も上がっていますが、そこから90分ほどかけて下がっていきます。眠る90分前に入浴を済ませておくと、寝付きやすくなりしっかりと熟睡し中途覚醒しづらくなります。
2-5-1.まとめ
しっかりと入眠してから朝まで熟睡するためには眠りのサイクルを作ることが重要です。なるべく起床と就寝は同じ時間にするようにしましょう。起床後はしっかりと太陽の光を浴びて頭を覚醒させ、眠る90分前に入浴を済ませ深部体温を調整し、ベッドではスマホやTVを用いないことも重要です。
3.まとめ
・高齢者には中途覚醒が多いが自然な老化現象である
・そのほか生活習慣病やストレス、うつ病などが中途覚醒の原因となる
・治療が必要な状態は治すことが必要
・それ以外の中途覚醒ならば、睡眠の質を高めることで対策となる
・まずは起床時間と就寝時間を同じにすることから始めたい
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