40代になると疲れやすくなる理由とは?疲れを解消する方法を紹介

40代になると疲れが取れにくくなるって本当?

40代になり、疲れやすく回復しにくいと感じる方は多いのではないでしょうか。
若い時と比べて、40代では全身のさまざまな筋力が低下しはじめることや、仕事や家庭における人間関係など、多くのストレスにさらされることなどが、疲労の原因と考えられています。

疲れにくい身体を作る方法は、身体を動かす習慣作りで筋肉をつけること、食事、睡眠の質をあげることが大切です。

本記事では、40代になると疲れやすくなる原因と、疲れにくい身体作りで改善する方法を紹介します。

なんだかスッキリ起きられない…そんな日が続いたら

もしかしたらその原因は「合わない寝具を使っている」ことにあるかもしれません。体に合わない寝具を使い続けることで、寝心地の悪さを感じるうえに、首や腰、背中への負担など様々な不調を引き起こす原因にも繋がるため注意が必要です。もしも現在そんなお悩みをお持ちであれば一度寝具の見直しをおすすめします。

知っておきたい寝具の選び方
目次

1.40代になると疲れやすくなる原因は?

40代になると、疲れやすくなかなか回復せずに「歳のせいかな?」と感じることが多くなります。
若い時とは何が違うのでしょうか?40代の疲れの原因について考えていきましょう。40代になると疲れやすいと感じる主な原因は、以下の5つです。

・筋力が落ちている
・ストレスが増えている
・睡眠の質が低下している
・偏った食事が増えている
・更年期障害の影響が出ている


ここからは、上記の疲れやすくなる理由について、仕組みを詳しく解説していきます。

1-1.筋力が落ちている

標準的な骨格筋の筋肉量の割合は、体重の約40%です。
筋肉量の割合は20歳ぐらいをピークとして減り、70歳代では男女とも20歳代の約7割になるといわれています。筋肉量が減ってくると、それに伴い筋力も低下するため、歩行、姿勢や体のバランスを保つだけでも多くのエネルギーが必要になります。10年で約6%筋肉量が減ると考えると、40代になって若い時と比べて疲れやすいと感じるのは当然かもしれません。

また、骨格筋だけでなく、心臓は心筋、血管は平滑筋、呼吸のための横隔膜や肋間筋など循環器に関係する臓器も筋肉でできています。骨格筋ほどではないものの、40代になるとこうした筋肉の衰えにより、血圧上昇や肺活量が減少する傾向があるといわれています。

個人差はありますが、加齢による筋力の低下が全身のさまざまな機能の低下に繋がり、体を維持するにも多くのエネルギーが必要になることが、40代になって疲れを感じる原因のひとつといえるでしょう。

筋肉量の20歳からの変化のイメージ(女性)

1-2.ストレスが増えている

40代は男女とも働き盛りです。仕事の責任も大きくなり、人間関係や職場の上下関係なども複雑になる時期です。また家庭でも子育てや子供の受験、家の取得や親の介護などの問題に直面する時期に差し掛かってきます。40代は肉体的な疲労はもちろんですが、さまざまな悩みごとが重なり大きなストレスとなって心の疲れが増える時期と言えるでしょう。

1-3.睡眠の質が低下している

疲れやすくなる原因の一つは、加齢による睡眠の質の低下です。「寝ている間に尿意で何度も目が覚めてしまう」、「暗いうちから目が覚めるものの、ウトウトと布団の中で過ごしている」などに当てはまる場合は、加齢によってぐっすり眠れずに疲労を溜めている可能性があります。

加齢とともに、睡眠のパターンは変化します。一般的に、歳を重ねるごとに必要な睡眠時間は短くなるのですが、それに対して実際に寝ている時間が長すぎるケースが少なくありません。

1-4.偏った食事が増えている

育児や仕事が忙しくてついつい食事を抜いてしまったり、糖質・脂質を極端に制限したダイエットを行ったりすると、エネルギーが不足してしまうことがあります。エネルギーが不足すると細胞内のミトコンドリアもATPを作ることができず、疲労が溜まっていきます。

人間がエネルギーにできるのは、三大栄養素だけです。食事として摂取した糖質、タンパク質、脂質は消化器で分解され、エネルギー源となります。肥満や生活習慣病が問題となり、特に糖質や脂質は摂取を避けられる傾向にあります。しかし糖質は脳のエネルギー源となり、脂質は効率のよい身体のエネルギー源となるため、適度な摂取が必要です。

1-5.更年期障害の影響が出ている

女性は閉経前後10年間を更年期と言い、早い方では40歳代前半から女性ホルモンが少しずつ低下することで、さまざまな症状が現れることがあります。体のほてりやのぼせ、ホットフラッシュ、発汗の他、めまい、動悸、疲れやすさ、気分の落ち込み、意欲の低下、いらいら、情緒不安定、不眠などを訴える方が多いようです。

男性も女性と同様、男性ホルモンが低下しますが、ゆるやかに低下するため、女性と比べて症状が出にくいようです。男女とも40歳代から感じる疲れやすさは、更年期の影響かもしれません。

女性ホルモン(エストロゲン)の変化

2.40代の疲れにくい身体を作る方法

「歳だから」、「忙しいから」といって疲れを放置してはいけません。
疲れは、以下の対策を行うことで、溜めこまずにこまめにリセットするのが一番です。

・身体を動かす習慣で筋力をつける
・普段の食事にも気を遣う
・ストレス対処能力を高める
・寝る前の習慣を改善する
・睡眠環境を整える


ここからは、疲れにくい身体を作るための習慣や行動を詳しくお伝えしています。自分に合った疲れの解消法や改善法をみつけましょう。

2-1.身体を動かす習慣で筋力をつける

前述の通り、筋力の低下が疲れに繋がります。ただ、わざわざジムに行って筋力トレーニングをする必要はありません。日常生活の中で、少しずつ活動量を増やすことが大切です。

2-1-1.駅や職場では階段を使う

疲れていると、エレベーターやエスカレーターに頼りたくなりますよね。
しかし日頃から階段を使うように心がけましょう。階段を使うことで足や体幹の筋肉量を維持する、あるいは増やすことが期待できます。1階分だけでも階段を使うことから始めてみましょう。

2-1-2.よい姿勢でふだんから速めに歩く

胸を張って、姿勢を正して速歩きで歩くことを心がけましょう。
体幹や下半身の筋肉を使うようにし、手を大きく振って歩くと腰への負担も少なくなります。速歩きで心拍数を上げると、心臓や肺にも良い影響があります。

特に、インターバル速歩といって、ゆっくり歩きと速歩きを3分ずつ交互に歩く方法では、筋力アップと体力アップ、生活習慣病の減少、うつや身体の痛みの改善などが期待できることがわかっています。気軽に取り組むことができますので、ぜひチャレンジしてみましょう。

2-1-3.仕事や家事、趣味で身体を動かす

デスクワークで1日中座っている方は腰に負担がかかり、下半身の筋肉が低下しがちです。最近、立った状態でパソコンを使うことがすすめられています。立っているだけでも十分に運動になるので、配置を考えてみましょう。

掃除をしたり、庭の草を取ったり、少し遠いスーパーに歩いていくだけでも運動になります。また趣味がスポーツ以外であっても、材料を買いに行く、趣味仲間に会うなど、一歩踏み出すことが大切です。

2-2.普段の食事にも気を遣う

疲労を溜め込まず、日々回復するためには、普段の食生活においても気をつけなければならないことがあります。どのようなものがあるのか見ていきましょう。

2-2-1.毎日決まった時間に食事をする

食事は朝昼晩をなるべく決まった時間にとることが大切です。
決まった時間に食事をすることで、体内の代謝がスムーズになり、血糖値が上昇、下降のリズムも保たれるため、身体に負担がかかりにくくなると言われています。食べる時間がずれるとしてもできるだけ1時間程度までに留めましょう。

2-2-2.「ちょこちょこ食べ」をやめる

先程規則正しい時間に食事をすることが大切と挙げましたが、間食の回数が多くなることによっても身体の代謝のリズムに乱れが生じます。そのため、一回の食事の量を減らしてちょこちょこ食べをすると身体へ負担がかかり、疲労を助長してしまうため注意が必要です。

2-2-3.カフェインやエナジードリンクはほどほどにする

最近ではコンビニなど身近に多くの栄養ドリンクやエナジードリンクを目にしますが、これらは疲労回復の効果があると科学的に実証されているわけではありません。飲んだ後に一時的に目が覚めたり、エネルギーが湧いてきたり感じるかもしれませんが、それはカフェインによる覚醒作用や気分高揚作用によるものです。

徹夜作業や仕事をひと頑張りしたい時には良いかもしれませんが、一時的に疲労をごまかしているだけです。疲労自体は蓄積されてくるので、栄養ドリンクの飲用はほどほどにしましょう。

2-3.ストレス対処能力を高める

長期間に日常生活ができなくなるほどの疲労を抱え込む方は、完璧主義でこだわりが強く、繊細で、自分ですべてを解決したいタイプの方が多いことがわかっています。思い当たる方は、ストレスをやりくりして、いい意味でのいい加減さを身に付けることも大切です。

とは言え、毎日の生活でどうしてもストレスが溜まってしまうという方は、ストレスの芽が小さいうちに摘み取ることが疲れをためない秘訣です。ストレスを受けた時に、ため込まずにうまく対処することをストレスコーピングといいます。それではストレスコーピングの方法を紹介します。

2-3-1.「ストレスコーピング」を意識する

ストレスコーピングの方法には、ストレスそのものに働きかけて問題を解決する方法と、ストレスに対する自分の考え方や感じ方を変える方法があります。ストレスの大きさや種類によっても違いますが、「まず相手に働きかけて、変わらなければ自分が変わる」ことで、解決に結びつくかもしれません。大きなストレスを抱え込む前に、ストレスコーピングを意識して、解決する方法を見つけていきましょう。

2-3-2.ほっとできる趣味や居場所をもつ

気晴らし型コーピングと呼ばれます。
運動や趣味、カラオケ、温泉など、いわゆるストレス解消法といわれるものです。自分にあった方法をみつけておきましょう。

2-3-3.日記などで自分を客観視する

日記を書くことで、今直面しているストレスの状況、その時の感情や気持ち、考えを客観的にみることができます。自分の考えを客観的にみることでストレスに対して距離を置くことが出来る可能性があります。そして別の見方や考えを書くことで前向きな思考に変えられるかもしれません。その結果どのように変化したかも書いていくには、日記を利用するのも良いでしょう。

2-4.寝る前の習慣を改善する

40代の疲れを改善するには、睡眠をしっかりとることが最も大切です。
忙しくて寝る時間が無い、人間関係などのストレスで良く寝られないという方も少なくありません。そんな方に向けて睡眠をしっかりとるための、寝る前にできるちょっとした工夫をご紹介します。

2-4-1.副交感神経を高める

夜は副交感神経が高まることによって入眠の準備をしていきます。寝付きやすくするために、できる限り入眠の前に副交感神経を高めましょう。
以下、副交感神経が高められる簡単な例を挙げてみます。

・家族との団らんを楽しむ。
・好きな曲を聴いてくつろぐ。
・感動するドラマを観て涙を流す。
(涙を流した後に副交感神経が高まるため)
・お笑い・バラエティ番組を観て大笑いする。(笑った後に副交感神経が高まるため)
・ペットを可愛がる。

2-4-2.脳の刺激になる行動を避ける

寝る直前に交感神経が高まってしまうと、入眠しにくくなり、入眠しても浅い睡眠に留まることがあります。
寝る直前にするとよくない例を挙げてみます。

・今日できなかったことをあれこれと考える。
・明日やらなければいけないことをあれこれと考える。
・直前の満腹や空腹。
・3~4時間前のカフェイン摂取。
・アルコール摂取。
(アルコールは睡眠を浅くしてしまいます。カフェインとアルコールは利尿作用があるため、トイレに行くために起きるなど中途覚醒につながってしまいます)
・寝る直前に部屋を明るくしすぎる。
・寝る直前にPCやスマートフォンを操作する。
(ブルーライトを浴びないようにしましょう)
・寝る直前の激しい運動は避ける

2-5.睡眠環境を整える

睡眠をしっかりとるためには、寝室の環境を整えることも重要です。
まずはパジャマに着替えて眠るという意識を持つことが大切です。また、パジャマに着替えることで寝るための気持ちの準備ができるという効果も期待できます。他に寝室の環境で意識すべきポイントを紹介します。

2-5-1.就寝時は部屋を暗くする

光は脳を刺激して、眠りを浅くしてしまいます。
熟睡するためには、部屋を真っ暗にするようにしましょう。厚手のカーテンを使って、外の光も入ってこないようにするとなおよいです。

2-5-2.睡眠の質を高めるマットレスを選ぶ

マットレスは睡眠時に体にかかる圧を分散する働きをしています。マットレスが硬すぎたり柔すぎたりすると、この圧を分散できないことがあるのです。

自分に合っていないマットレスを使っていると、快適に眠れないこともあるでしょう。睡眠の質を高めるためには、自分に合ったマットレスを選ぶことが大切です。

マットレスによる体圧分散のイメージ

2-5-3.睡眠の質を高める枕を選ぶ

枕が首を支えることで、睡眠時の首や肩にかかる負担を分散しています。枕の高さや素材が合っていないと、首や肩に無理な負荷がかかった状態になり、痛みが生じて睡眠の質の低下につながります。

合う枕の高さは、仰向けで寝たときの目線が天井を向く角度になるくらいです。仰向けになった状態で、正しい立ち姿勢を再現できているのが、枕が合っている状態といわれています。自分に最適な枕を使用して、睡眠の質を高めるようにしましょう。

理想的な枕の高さ

3.体調不良が続く場合は病院へ

疲れが重大な病気に繋がる可能性も否定できません。
体調不良や不眠のある方は、医師に相談してみましょう。また、日常生活に支障がでるような疲労が半年以上続く方は、疲労の専門外来の受診をおすすめします。

4.まとめ|40代で疲れやすくなるのは自然なこと。できる範囲で改善を試みよう!

40代以降は身体が変わり、全身の機能が少しずつ低下する年代です。
また社会的にもさまざまなストレスが重なりやすく、肉体的にも精神的にも疲れやすいと感じるのは、当然とも言えます。

疲れやすくなったと感じる際は、本記事で紹介した以下のような行動を習慣化して、疲れにくい身体を作るように心がけましょう。

・身体を動かす習慣で筋力をつける
・普段の食事にも気を遣う
・ストレス対処能力を高める
・寝る前の習慣を改善する
・睡眠環境を整える


人生100年と言われますが、ストレスを遠ざけ疲れにくい身体を作り人生の後半を健康で生き生きと過ごしましょう。

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