ついやってしまう「二度寝」が体によくない理由

ついやってしまう「二度寝」が体によくない理由

「もうちょっとだけ…」その誘惑に負けてはいませんか?二度寝をしてしまう理由は何なのでしょうか?そもそも二度寝のメカニズムとは?ここでは、私たちの生活に与える二度寝の悪影響、その緩和法までご紹介します。快適な生活や理想の自分を一緒に目指しましょう!

なんだかスッキリ起きられない…そんな日が続いたら

もしかしたらその原因は「合わない寝具を使っている」ことにあるかもしれません。体に合わない寝具を使い続けることで、寝心地の悪さを感じるうえに、首や腰、背中への負担など様々な不調を引き起こす原因にも繋がるため注意が必要です。もしも現在そんなお悩みをお持ちであれば一度寝具の見直しをおすすめします。

知っておきたい寝具の選び方
目次

1.なぜ二度寝をしてしまう?

皆さんはどのようなときに「二度寝」をしてしまいますか?きっと多くの方が、意識的ではなく、うつらうつらとする中でうっかり二度寝をしてしまっているのではないでしょうか。二度寝をしてしまう要因について確認していきましょう。

1-1.睡眠不足、睡眠の質の低下

二度寝をした理由を尋ねると「睡眠不足」と答える方が多いのではないでしょうか。私たちの身体は「寝溜め」はできませんが、睡眠不足が蓄積すると睡眠負債を抱えている状態になります。睡眠負債は1回ゆっくりと寝ただけでは解消できません。睡眠不足による睡眠負債を取り戻すため、二度寝をしてしまうことがあります。
また「睡眠時間は足りているのに」と思われた方は、睡眠の質が低くなっているのかもしれません。睡眠の質が低いと、十分な睡眠時間をとっても睡眠不足と同様の状態になります。睡眠時間はとっているけど「朝になっても眠い」「寝た気がしない」など満足な睡眠ができていないと感じる方、「寝ている途中で何度か起きてしまう」など連続した睡眠がとれていない方は、睡眠の質が下がっている可能性が高く、それが原因で二度寝をしてしまう場合もあるのです。

1-2.体内時計の乱れ

私たちの身体には1日周期の体内時計が備わっています。夜になると自然と眠くなり、身体と心は休息状態に入ります。体内時計は約25時間の周期で1日のリズムを刻んでいるため、定期的に調整する必要があります。その調整機能の代表的なものが、朝の太陽の光です。朝、日の光を浴びることで体内時計がリセットされます。
体内時計を正しく調整するためには規則正しい生活が重要です。毎日同じ時間に起床し、同じ時間に食事をし、同じ時間に就床することが理想的です。そのリズムが乱れてくると、体内時計も乱れてしまいます。起きる時間になっても眠たくて起きられず二度寝をしてしまい、それにより寝る時間になっても眠くならないため、睡眠不足につながり、さらに二度寝を繰り返してしまいます。また、二度寝自体が体内時計を乱すきっかけにもなり、本来起きる時間に寝てしまうことで、体内時計が乱れ、また二度寝を繰り返すという負のスパイラルに陥ってしまうのです。

1-3.肉体的・精神的な疲れ

身体や心の疲れも睡眠不足と同様に二度寝に影響してきます。本来は睡眠をとることで、肉体的な疲れや精神的な疲れを解消できているのですが、過度な疲労が原因で朝まで疲れが残ってしまう場合があります。疲れが残っていると、「もう一度寝たい」「起きるのがつらい」と思い、自然と二度寝につながってしまいます。皆さん、寝る前に過度な運動をして目が冴えてしまったり、緊張していたり不安なことがあるときに、睡眠が浅くなってしまったという経験はありませんか。そういった寝て起きても残っている疲れは、二度寝を起こしてしまう原因にもなりかねません。

1-4.就寝環境の問題

睡眠環境が悪いと二度寝の原因となります。寝室の明るさや温度などポイントに分けてご紹介していきます。

1-4-1.寝室の明るさ

質の高い睡眠をとるための寝室の明るさは、0.3~10ルクス程度と言われています。眠る前には徐々に暗くしていき、明かりの色は間接照明や暖色系の蛍光灯などを用いるのが理想的とされています。暗い状態が不安な方は、足元灯をつけるなどして対応するのが良いでしょう。
就床前と就床中の明るさも大切ですが、二度寝に直結するのは朝の明るさです。朝起きたときに太陽の光を浴びることで、私たちの脳は自分自身に「朝であること」を伝えます。朝日が差し込むように、カーテンを5~10cmほど開けておき、遮光カーテンは閉めないようにするのがおすすめです。カーテンを開けて寝ることに抵抗がある方は、起床後すぐにカーテンを開けるなど、朝日を浴びる習慣を作って、二度寝をしてしまう原因を減らしていきましょう。

照度(ルクス)と明るさのイメージ

1-4-2.寝室の温度

質の高い睡眠をとるためには寝室の温度や湿度も重要です。夏の暑さ、冬の寒さ、梅雨のじめじめとした湿度など、どれも寝苦しさにつながってきます。特に暑さと睡眠の関係は深く、私たちの体は、徐々に体温を下げて眠りについていくため、就床前、就床中の温度調整が睡眠環境を整える上で不可欠になってきます。
目安として、寝具の影響がない状態で室温を29度に設定すると暑くも寒くも感じることなく眠ることができるといわれています。
また、寝具を用いた場合では、夏場は室温を26度、湿度は50~60%に設定することがおすすめです。また、冬場では室温を16~19度、湿度は同様に50~60%が理想的といわれています。これを機に寝室の温度をチェックしてみましょう。

理想的な就寝時の温度・湿度

1-4-3.目覚まし時計の使い方

最後は目覚まし時計についてです。目覚まし時計は1回のアラームで起きられるようにすることが大切です。スヌーズ機能を使っているのに二度寝を繰り返してしまう人は、無意識のうちに次のアラームで起きればいいや…と思ってしまい、1回で起きられていないのかもしれません。
アラームが鳴るごとに脳は活性化した状態になるため、その後の睡眠で疲れをとることは難しく、睡眠の質もよくありません。
また、目覚まし時計が体の近くにあるのも望ましくありません。アラームを消すという動作を浅い眠りの間におこなうため、気づかないうちにアラームを消してしまうことがあるからです。目覚まし時計を置く位置は自分の身体から少し離したところにしてみましょう。

2.二度寝すると、体内で何が起きている?

二度寝をすると、起きたときに何となく頭の中がぼーっとしてしまい、目覚めを良くすることが難しいです。これは、睡眠のサイクルである「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の影響があると言われています。ここでは、二度寝をすることで、体の中で何が起きているのか詳しく紹介していきましょう。

2-1.最初の目覚めの後、体内では…

眠りには「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類があります。レム睡眠は、浅い睡眠であり、身体は眠っていて脳は覚醒に近い状態といえます。一方、身体も脳も眠っている状態がノンレム睡眠です。どちらもしっかりと休ませることができ、深い睡眠になります。この2種類の睡眠が約90分間のサイクルで繰り返され、最初の目覚めは覚醒に近いレム睡眠の状態であることが多くなります。
このレム睡眠の状態で目覚め、活動を開始することが理想的なのですが、前述したように睡眠不足が続いていたり、睡眠の質が下がっていたりするとなかなか活動を始めることができず、二度寝をしてしまいます。また、レム睡眠中はすっきり目覚められることが多いのですが、ノンレム睡眠の間にアラームなどで無理に起きてしまうと、二度寝につながってしまうケースもあります。

レム睡眠・ノンレム睡眠のリズム

2-2.なぜ二度寝をすると夢を見るの?

夢を見る睡眠は、「レム睡眠」、「ノンレム睡眠」の二つの睡眠サイクルのうち、より眠りが浅いレム睡眠にあたります。レム睡眠の時、体は休息状態ですが脳は活動して覚醒状態にあるため夢を見やすい状態であるといえます。通常の睡眠であれば、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」を交互に繰り返し、だんだんと睡眠が浅くなり覚醒に近づいていきます。二度寝は、レム睡眠になるため、外部からの刺激も受けやすく、それが夢に反映されることもあります。

2-3.なぜ二度寝は心地よいと感じるの?

二度寝を心地よいと感じている方もいらっしゃるかと思います。これも二度寝がレム睡眠であることに関係しています。レム睡眠は浅い眠りであり、外部からの刺激を受けやすいとお伝えしました。そのため、二度寝のときほど、枕の柔らかさや布団のぬくもりをより一層感じてしまうのです。また「動きたくない」「まだ寝ていたい」という思いで迎える二度寝タイムは特別感もあり、「ベッドの中、最高!」という気分を味わいながら、眠りにつけることも、二度寝に幸せを感じる方が多い理由です。

3.二度寝がもたらす悪影響

一度目が覚めてから、あと5分、あと10分と誘惑に負け、眠りの世界に入っていくことは、その瞬間起きるつらさから離れることができ、ある意味気持ちのよいかもしれません。しかし、二度寝が私たちの体に及ぼす悪い影響はたくさんあるのです。ひとつずつ確認していきましょう。

3-1.「睡眠効率」が低下する

本来起きる時間に寝てしまうことで、私たちは浅い眠りである「レム睡眠」を迎えます。レム睡眠のとき、体は休息状態でも脳は活動して覚醒状態にあるため二度寝は質の低い浅い睡眠になってしまします。このため、二度寝して睡眠時間を増やしても疲れは取れにくいことが多いです。
また、睡眠全体のうち、75%がノンレム睡眠、25%がレム睡眠といわれていますが、二度寝をすることでこの睡眠周期のバランスが崩れ睡眠の質が低下してしまいます。

3-2.生活リズムが乱れる

私たちは朝、光を浴びることで体内時計をリセットし、1日の生活リズムを整えていることは前述しました。二度寝をしてしまうと、1日の始まりである朝の生活リズムを整えることができず、ぼーっとした状態で過ごす時間が増えてしまったり、朝から脳にストレスがかかり、疲れとともに1日を過ごすことが多くなります。
二度寝をしてしまうと単純に睡眠リズムが乱れるだけではなく生活リズム全体をも乱す結果につながってしまうのです。

3-3.美容やダイエットに悪影響

あまり知られていませんが、実は二度寝は美容やダイエットにも悪影響を及ぼします。質のいい睡眠がとれず朝に体内時計をうまくリセットできないと、成長ホルモンの分泌量が落ち、代謝の悪化に繋がります。代謝の悪化は肌の再生活動を妨げる要因となり、肌つやが悪くなってしまうおそれがあります。
また、成長ホルモンには脂肪を燃やす働きがありますので、睡眠不足で成長ホルモンの分泌量が落ちると脂肪の燃焼効率も悪化してしまうおそれがあります。二度寝をして睡眠リズムを乱してしまうことは美容やダイエットにもマイナスの要素となってしまうのです。

3-4.自己嫌悪から精神的ストレスに…

二度寝をして失敗した経験をもっている方はいらっしゃいませんか?友人との約束に間に合わなかった、会社に遅刻してしまった…など、二度寝は周りの人にも影響を与えてしまうことがあります。その「失敗してしまった」という自己嫌悪が精神的ストレスにつながってしまうこともしばしばあります。また、二度寝は習慣化しやすい特徴もあるため、1回で終わらず、「また寝てしまった」「また約束に間に合わなかった」という繰り返しが更なるストレスにつながります。また二度寝してしまったらどうしようという不安から、夜うまく眠れなくなってしまうなど、二度寝から脱出できない悪循環に陥ってしまったりする場合もあるのです。

4.二度寝の悪影響を緩和するには

二度寝のデメリットはわかっていても、習慣化してしまうとなかなかやめられないもの。二度寝をしてしまってもできるだけ体に負担がかからない方法をご紹介しましょう。ポイントは睡眠習慣や生活リズムを乱すような二度寝をやめることです。だらだらと長時間二度寝を繰り返してしまうと、睡眠リズムの乱れに繋がります。
朝に余裕がある休日などは、一度起きて太陽の光を浴びたり、朝食をとったりした後、午前中の昼寝として二度寝をすることをおすすめします。時間は午前10時頃に15分ほどがよいでしょう。午後であれば14時頃がいいといわれています。こうすることで、体内時計を狂わせず睡眠を補うことができます。
つぎに、朝に余裕がない平日などでは、繰り返し二度寝はせず、二度寝を5~15分以内にすることで悪影響を緩和できます。15分よりも長く寝てしまうと、だんだんと浅い眠りから深い眠りに移行してしまうので、目覚めたときの不快感が強くなってしまうので注意しましょう。

5.まとめ

「もうちょっとだけ…」という二度寝の誘惑に潜む、私たちの生活への悪影響をご紹介しました。二度寝の原因と二度寝による悪影響は重なるものもあり、それが二度寝からなかなか抜け出せず習慣化してしまう原因でもあります。二度寝をしないことが理想的ですが、それが難しいときには悪影響を緩和する方法を試してみてください。

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