食後の睡眠はNG?良い睡眠をとるための食事習慣

食後の睡眠はNG?良い睡眠をとるための食事習慣

食事をしたらどうしても眠くなってしまいます。満腹のまま寝れたら気持ちがいいですよね。しかし食後すぐの睡眠は健康へのリスクがあります。眠くてもある程度我慢して、お腹が落ち着いてから眠った方がよいでしょう。なぜ食後すぐに寝てしまうと健康リスクが生じるのでしょうか?また、どうしても遅い時間に夕食を食べなければいけないときはどうすればよいのでしょうか?

目次

1.夕食の時間が遅いと生活習慣病のリスクが高まる

朝、昼、夕とどの食事が一番豪勢でカロリーが多くなりがちでしょうか?ほとんどの人は夕食が最もカロリーが高くなるメニューになると思います。夕食を食べる時間が比較的早く18時や19時に食べられるならば、問題はありませんが食べる時間が22時や23時になると健康上のリスクが生じる恐れがあります。なぜ、夕食の時間が遅いと健康リスクが生じるのでしょうか?

1-1.睡眠と食事の間隔と生活習慣病

現代では労働時間が長くなる傾向にあり、夕食を取る時間が21時を過ぎている人がめずらしくありません。夕食は一日の食事のなかで最もカロリーが多くなりがちです。夕食を食べた後、炭水化物や脂質は胃や十二指腸で分解され、糖や脂肪酸になりエネルギー源となります。糖や脂肪酸は小腸で吸収され、血液中に放出されます。

1-1-1.食事の間隔と生活習慣病

しかしすぐに眠ってしまうと、血中のエネルギー源は消費されません。消費されなかった糖や脂質は肝臓で回収されて、中性脂肪へと再合成されます。肝臓で再合成された中性脂肪は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられ、肥満を招きます。1日程度ならば直接肥満に繋がりませんが、遅い夕食が習慣化すると肥満になりやすくなります。

また、日本栄養・食料学会誌 第66巻 第4号 185-193(2013) に掲載されている「勤労者の夕食終了から就寝時間までの間隔と健康状態の関係」によると、夕食と就寝時間の間隔が短ければ短いほど、血圧が高いという結果出ていると報告されています。

夕食と就寝時間の間隔が短いと肥満と高血圧を招く可能性があります。これらはどちらも生活習慣病に分類され、健康上のリスクとなります。

1-2.生活習慣病によるリスクとは

夕食と就寝時間の間隔が短く、肥満になってしまうとコレステロール値にも影響がでてきます。血中のコレステロール値を下げる働きのあるHDL(善玉)コレステロールは肥満になると減少します。HDLコレステロールが極端に少なくなると血液中にLDL(悪玉)コレステロールが増え、脂質異常症になるリスクがあります。また肥満の人は血糖値を調整するインスリンの働きが弱いことが多く、糖尿病のリスクにもなります。

肥満、脂質異常症、高血糖、高血圧はメタボリックシンドロームの診断基準となっている項目です。これらに複数当てはまると循環器に非常に大きなダメージが現れます。特にリスクが高くなるのが動脈硬化です。血液を全身に送る動脈は、正常な状態ならば弾力に富んでいてます。しかし高血圧や高血糖の状態が続くと、血管壁に常に圧力が掛かった状態となり、弾力を失い硬くなっていきます。動脈が弾力を失い硬くなることを「動脈硬化」と呼びます。

動脈硬化になると血管が破れやすくなってしまいます。特に脳や心臓の動脈が破れてしまい、脳血管疾患や虚血性心疾患になると脳や心筋の壊死を起こし、生命の危機にもなります。肥満や高血圧などそれぞれ単体ではあまり自覚症状は見られません。しかし複合することにより、循環器に大きなリスクを与えてしまいます。

2.睡眠の質を高めるための食習慣

睡眠の質を高めるための食習慣

夕食と就寝の間隔が短いと、健康上のリスクが高まるだけではなく睡眠の質が低下してしまいます。食事をしたあとは胃や腸が食べた食品を消化・吸収します。満腹感があると眠くなりますが、その状態で眠ってしまうと胃や腸が働いているため、眠りが浅くなり夜中に起きてしまう原因となります。睡眠の質を高めるためには、以下のようなポイントに注意しましょう。

2-1.食事は就寝2時間前までに済ませる

食べてすぐ眠ってしまうと、胃や腸の働きにより睡眠の質が低下してしまいます。夕食を食べたら最低2時間は眠らないようにしましょう。理想は4時間以上間隔を空けることです。

2-2.夕食が遅くなってしまったら軽めに済ませる

夕食が遅くなってしまったら軽めに済ませる

タンパク質や脂質は消化吸収に時間が掛かるため、夜遅くに食べると胃や腸が長時間働くことになり睡眠の質が低下してしまいます。夕食の時間が遅くなってしまったら、炭水化物を中心に軽く済ませるようにするとよいでしょう。手軽に食べられるバナナや消化のよいうどんやおかゆなどがおすすめです。どうしても小腹が減る場合はきんぴらごぼうのような噛み応えのあるものを食べると満腹中枢が刺激され、満足感が出てきます。

2-3.遅くなることが分かっているならば事前に夕食を済ませる

あらかじめ残業などで遅くなることが分かっているならば事前に夕食を済ませてしまいましょう。19時くらいに夕食を済ませておけば帰って寝るころには、消化吸収が負担になりません。夕食を食べた後も働くため、多少カロリーの高い食事を食べてもエネルギーを消費することができます。

2-4.できれば朝と昼をしっかり食べて夕食は軽めに

夕食はどうしても時間が不規則になりやすいので、朝と昼にしっかり食べて夕食を軽めにすることもおすすめです。朝と昼ならば、食事をしたあとも活発に活動をするためカロリーを消費することができます。夕食を軽くすることで消化器への負担も軽減され、睡眠の質を高めるのに効果的です。睡眠の質を高めるだけではなく、生活習慣病によるリスクも軽減することができるのでおすすめの食習慣です。

3.夕食の時間が遅くなってしまったら

夕食と就寝時間の間隔が短いことによるデメリットは生活習慣病リスクと睡眠の質が低下することです。どうしても夕食が遅くなってしまった場合、この2つのリスクを回避する必要があります。

3-1.可能ならば30分程度の軽い運動をする

夕食を食べた後、可能ならば30分程度の軽い有酸素運動をすると、生活習慣病のリスクを減らすことができます。30分ほどウォーキングを行えばおよそ120kcalほどの消費になるはずです。ご飯一膳の半分程度のカロリーを消費できるため、脂肪が付きづらくなります。

3-2.眠る時間を遅らせるのも一つの手

夕食を食べる時間が遅くなってしまったら、眠る時間を遅らせるのもよいでしょう。最低でも夕食と就寝時間は2時間ほど間隔を空けたいので、普段23時に寝ている人が22時に夕食を取ったのならば24時に眠るようにする、といった形です。多少睡眠時間が減ってしまいますが、その分睡眠の質も高まり、生活習慣病のリスクも減るため、そこまで気にしなくてよいでしょう。できれば次の日に早めにベッドに入れるとなおよいです。

4.まとめ

・夕食と就寝時間の間隔が短いと肥満と高血圧のリスクがある
・肥満になると高血糖、脂質異常症のリスクも高まる
・肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症が重なると循環器へのダメージが増え、動脈硬化のリスクが高まる
・動脈硬化は脳血管疾患や虚血性心疾患の原因となる
・夕食と就寝時間の間隔が短いと、睡眠の質も低下する
・夕食と就寝時間の間隔は最低2時間、できれば4時間ほど取りたい
・夕食が遅くなることが分かっているならばあらかじめ済ませたり、軽めに済ませたりすることが重要
・夕食の時間が不規則ならば朝と昼にしっかり食べて、夜は軽めにするという習慣もよい

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