- 1.ストレスとは
- 1-1.ストレスとは心身への負荷
- 1-2.ストレスは精神的なものだけではない
- 2.ストレスが乱す自律神経
- 2-1.交感神経と副交感神経
- 2-2.睡眠時に優位になる副交感神経
- 2-3.ストレスが溜まると交感神経が優位になる
- 2-4.交感神経が優位になるとノンレム睡眠が少なくなる
- 3.ストレス解消の方法
- 3-1.ストレスを解消できる趣味を見つけることが重要
- 4.ストレスによる睡眠不足の影響を和らげる方法
- 4-1.日中に長時間の昼寝はしない
- 4-2.カフェインの摂取は避ける
- 4-3.深部体温を下げることが重要
- 4-4.食事は就寝の2時間前までに
- 4-5.室温は涼しめが寝付きやすい
- 4-6.アルコールは控えめに
- 5.まとめ
ストレスと睡眠の関係性|睡眠不足の影響を和らげる6つの方法と根本的な改善法

夜自然と眠気が生じて、朝時間になったらすっきり起きれる、このような睡眠が取れるのが理想的です。そのためには睡眠の質をよくすることが必要不可欠ですが、ストレスはその大きな敵となります。ストレスはなぜ睡眠の質を低下させてしまうのでしょうか?またストレスを和らげ、睡眠の質を高めるにはどのようなことを意識すればよいのでしょうか?
1.ストレスとは
一言でストレスと言っても、種類はたくさんあります。そもそもストレスとはどのようなものなのかを解説していきます。
1-1.ストレスとは心身への負荷
ストレスとは外部から与えられる心身への負荷のことを指します。人間関係や仕事、家庭などの外部の要因により与えられる不安や緊張などがストレスとなります。
人にストレスを与える外部の要因のことをストレッサーと言います。適度なストレスは刺激となり、意欲を沸き立てたり、目標に向かって邁進するモチベーションとなります。しかしストレスが大きかったり、持続的にかかったりすると心身に悪影響が現れるようになります。
慢性的にストレスがかかることで起きる反応には不安やイライラ、うつ症状、意欲の低下などがあります。また精神的な症状だけではなく、肉体にも症状が出ることがあります。頭痛や動悸、息切れはストレスによる肉体症状の典型的なものです。
1-2.ストレスは精神的なものだけではない
ストレスと聞くと人間関係や仕事などの心理的、精神的なものをイメージすることがほとんどだと思います。しかしストレスは精神的なものだけではありません。暑さや寒さ、騒音や混雑、肉体的な疲労、極端な運動不足などもストレッサー(ストレスの原因)になります。
2.ストレスが乱す自律神経
大きなストレスや慢性的なストレスを受けると自律神経が乱れていきます。自律神経とは交感神経と副交感神経から構成されています。自律神経は不随意(無意識的)に働く神経で、人が生命を維持するために24時間人体のあらゆるところで働いています。
心臓を動かして血液を全身に循環させたり、呼吸をして酸素を取り入れたり、食事で摂取した栄養素を消化吸収したり、汗をかくことで体温調節をしたりと非常に幅広い働きをしています。
2-1.交感神経と副交感神経
交感神経は日中に優位になる神経です。交感神経が優位になると血管が収縮し心拍数が増加するため血圧が高まります。筋肉への血流量が増加することで、活発に活動するのに適した状態となります。また脳を興奮させる働きもあり、眠気を覚まし仕事や勉強などに適した状態にもなります。
一方で副交感神経は夕方から深夜にかけて優位になる神経です。副交感神経が優位になると、血管が拡張して心拍数が低下します。血圧も下がり筋肉への血流ではなく、消化器への血流量が増加します。心身ともにリラックスした状態となるため、眠気が生じやすく休息に適した状態になります。
2-2.睡眠時に優位になる副交感神経
日中は活発に活動する必要があるため、交感神経が優位になります。その後夕方になるにつれ交感神経の働きが弱まり、副交感神経の働きが強くなっていきます。副交感神経が働くことで、心身は落ち着き、夜に眠気が生じるようになります。
スムーズに寝付いて、睡眠の質を高めるためには副交感神経の働きが重要になります。ストレスがない状態ならば、就寝時に副交感神経は優位になっているはずです。しかし過度のストレスが掛かっていると、就寝時に副交感神経が働かなくなります。
2-3.ストレスが溜まると交感神経が優位になる
人間関係や仕事のストレスがかかっていると、交感神経が刺激されその働きが強くなります。交感神経が優位になると脳が興奮して、日中のように活動に適した状態となります。日中は仕事や勉強、運動などをする必要があるため交感神経が優位になる必要がありますが、夜間に交感神経が優位になると心身ともに緊張した状態が続き、休息が取れなくなります。
2-4.交感神経が優位になるとノンレム睡眠が少なくなる
眠気が生じづらく、眠れたとしても睡眠が浅くなり夜中に何度も目が覚めてしまうようになります。人の睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠に分類されます。ノンレム睡眠は脳が眠っている睡眠、レム睡眠は脳が起きている睡眠です。脳の疲労を回復させるためにはノンレム睡眠が必要になりますが、ストレスにより脳が緊張すると眠りが浅くなるためノンレム睡眠が少なくなります。そのため十分に脳が休息を取ることができず、睡眠不足の状態となります。
3.ストレス解消の方法

現代社会では完全にストレスをなくすことは非常に難しいでしょう。複雑化した仕事や人間関係など、精神的にプレッシャーを感じることが非常に多くなっています。ストレスを溜めないことが一番ですが、ストレスを避けられないのならばしっかりとストレス解消する必要があります。
3-1.ストレスを解消できる趣味を見つけることが重要
ストレス解消できるならばその内容はなんでも大丈夫です。テニスやフットサルなどスポーツで気分転換ができる人もいますし、カラオケで大きな声を出すことでストレス解消ができる人もいます。毎週のように行うと健康を害してしまう可能性がありますが、ほんのたまにバイキングなどで好きなものを思いっきり食べることもストレス解消の方法としては有効です。「これならばストレスが解消できる」という自分なりの趣味を見つけることも、ストレス発散するために重要です。
4.ストレスによる睡眠不足の影響を和らげる方法
ストレスがかかるとどうしても睡眠が不足してしまう傾向にあります。もともとストレスが溜まっているのに、睡眠不足が新たなストレスとなり悪循環となってしまいます。ストレスで眠りが浅くても、その影響を最小限にすることを意識することが大切です。
4-1.日中に長時間の昼寝はしない
ストレスで自律神経が乱れていると、夜眠れず日中に眠気が生じることがあります。日中に眠いからと言って長時間の昼寝をしてしまうと、夜眠れなくなってしまい本末転倒になってしまいます。日中に眠気を感じても長時間の昼寝はしないようにしましょう。どうしても眠い時は15分から20分程度の昼寝をすると、午後からの集中力が高まります。
4-2.カフェインの摂取は避ける

カフェインは交感神経を刺激する働きがあります。自律神経が乱れていると夜間に交感神経が優位になってしまうので、カフェインはそれを助長してしまう可能性があります。ストレスで夜眠れないときコーヒーやお茶類は午前中までにしておきましょう。午後になったらカフェインを摂取しないようにすると、夜に影響が現れにくいです。
4-3.深部体温を下げることが重要
スムーズに入眠するためには深部体温を下げる必要があります。そのため就寝する90分前に入浴するようにするとよいでしょう。入浴直後は深部体温が高くなっています。しかしそこから時間をかけて冷えていくことで、眠気が生じやすくなります。同様に部屋の室温も少し涼しめがよいでしょう。涼しめにすることで深部体温が冷えやすくなり、スムーズに寝付きやすくなります。ただし風邪を引かないように、空調の風邪が直接当たらないように気を付けましょう。
4-4.食事は就寝の2時間前までに
食事を摂ると満腹中枢が刺激されるため、眠気が生じます。しかし食べたものの消化吸収のために消化器が働いているため、そのまま寝てしまうと眠りが浅いものになってしまいます。夜眠る前の食事は避け、最低でも2時間前までに済ませるようにしましょう。どうしても眠る直前になってしまう時はおかゆやうどんなど消化の良いもので小腹を満たす程度にしましょう。
4-5.室温は涼しめが寝付きやすい
スムーズに眠るためには深部体温を低くする必要があります。室温が高いと深部体温が低くなりづらく、なかなか眠気が生じません。室温は25~28度程度の涼しさを感じるくらいに調整するとよいでしょう。
4-6.アルコールは控えめに
アルコールは入眠を促す働きがあります。確かに寝付きをよくする効果はあるのですが、中途覚醒を促してしまうという欠点もあります。なかなか眠れないときに寝酒代わりに1杯程度のむくらいなら問題ありませんが、泥酔するまで飲んでしまうと睡眠の質が低下します。アルコールは1-2杯程度にしておきましょう。
5.まとめ
・ストレスは人間関係や仕事、暑さ、寒さ、騒音など外部から与えられる心身の負荷のことを指す
・ストレスが掛かると自律神経のバランスが乱れる
・交感神経が優位になることで、寝付きづらくなったり睡眠の質が低下したりする
・ストレスを溜めすぎると睡眠不足で体調を崩すため、適度に発散することが重要
・ストレスによる睡眠不足を和らげるため、生活習慣の改善をすることも大切
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