- 1.歯ぎしりとは?
- 2.なぜ寝てる時に歯ぎしりが起きるの?
- 2-1.ストレス
- 2-2.噛み合わせ
- 2-3.飲酒・喫煙
- 2-4.癖
- 2-5.睡眠時無呼吸症候群
- 3.寝てる時の歯ぎしりが健康に与える影響は?
- 3-1.寝起きの肩や首の痛み
- 3-2.歯の摩耗・欠損
- 3-3.詰め物の欠損
- 3-4.顎関節症
- 3-5.歯周病
- 4.寝てる時の歯ぎしりを抑えるには?
- 4-1.マウスピースによる対応
- 4-2.歯列矯正
- 4-3.ストレスの発散
- 4-4.睡眠の質を高める
- 4-4-1.毎日同じ時間に就寝・起床する
- 4-4-2.就寝90分前には入浴を済ませる
- 4-4-3.就寝前2時間は食事をとらない
- 4-4-4.スマートフォンなどを見ない
- 4-4-5.寝室の環境を整える
- 5.まとめ|睡眠の質を高めて寝てる時の歯ぎしりを抑えよう!
寝てる時の歯ぎしりを抑えるには?健康に与える影響から対策まで解説
「寝てる時に歯ぎしりしてるよ?」
「歯ぎしりがうるさいから何とかならない?」
と言われた経験はありませんか?
寝てる間に起こる歯ぎしりは無意識に行っている場合が多く、自分ではなかなか治せないと考えてしまいますよね。しかし、歯ぎしりをしてしまうと歯や顎関節に大きな負担をかけるだけでなく、睡眠の質や健康にも悪影響を及ぼすことが知られています。
そこで本記事では、寝てる時に歯ぎしりしてしまう原因や健康に与える影響を解説します。また、自宅でできる簡単な歯ぎしり対策も紹介するので、ぜひ最後までお付き合いください。
なんだかスッキリ起きられない…そんな日が続いたら
もしかしたらその原因は「合わない寝具を使っている」ことにあるかもしれません。体に合わない寝具を使い続けることで、寝心地の悪さを感じるうえに、首や腰、背中への負担など様々な不調を引き起こす原因にも繋がるため注意が必要です。もしも現在そんなお悩みをお持ちであれば一度寝具の見直しをおすすめします。
1.歯ぎしりとは?
歯ぎしりとは強い力で、歯と歯を噛み合わせることを指します。起きている間の歯ぎしりと睡眠時の歯ぎしりは別のもので、起きている間の歯ぎしりはストレスや習慣など、どちらかというと癖によるものです。睡眠時の歯ぎしりは中枢性(脳)の問題であると考えられており、睡眠関連疾患の一つとされています。
歯ぎしりは主に2種類に分類されます。1つはグラインディングと呼ばれるもので、強い力で左右にゴリゴリ動かすような歯ぎしりです。グライディングは大きな音が生じるのが特徴で、歯への負担が大きくなってしまいます。
もう一つは、クレンチングという上下に強い力で食いしばるような歯ぎしりです。クレンチングは音があまり出ないため、発覚しにくいことが特徴です。
どちらも歯にかかる負担は70~100キロ程度と考えられています。しかし、左右の動きにより歯が削れてしまうため、グラインディングのほうがリスクが高いといわれています。
2.なぜ寝てる時に歯ぎしりが起きるの?
では、人はなぜ夜寝ている間に歯ぎしりをするのでしょうか?歯ぎしりの原因はスレトスや嚙み合わせの悪さなどさまざまです。
ここでは代表的な歯ぎしりの原因を5つ紹介します。
2-1.ストレス
歯ぎしりの原因として多いのはストレスです。人間は多かれ少なかれ、夜間に歯ぎしりをしています。これは不安やストレスに対してグッと歯に力を込めることで、それを解消しようとしているためです。ある程度の歯ぎしりは問題ありませんが、あまりに強く、慢性的に歯ぎしりをすると歯の健康によくありません。
強いストレスのある人はその分、歯ぎしりの力も強くなってしまいがちです。一時的なストレスならば、ストレスの原因が取り除かれれば歯ぎしりも納まる傾向にありますが、強いストレスを受け続けると歯ぎしりが習慣化してしまいます。
2-2.噛み合わせ
歯並びが悪かったり、食べ物を咀嚼するとき片側の歯ばかりを使っていたりすると噛み合わせは悪くなっていきます。ほかにも、歯の治療をして詰め物などが合わない場合も同様です。噛み合わせが悪いと、上の歯と下の歯がぶつかりやすくなり歯ぎしりをしやすくなってしまいます。
2-3.飲酒・喫煙
明確なメカニズムは分かっていませんが、大量にお酒を飲む人やタバコを吸う人は歯ぎしりを起こしやすいとされています。
2-4.癖
日常的に歯ぎしり(特に食いしばりのようなクレンチング)が癖になっている人も存在し、そのような人は寝ている間も歯ぎしりをしやすくなります。日中も歯ぎしりを行い、夜間も歯ぎしりをしてしまうと歯へのダメージが深刻なものになるでしょう。
2-5.睡眠時無呼吸症候群
就寝中に一時的な無呼吸が生じることを睡眠時無呼吸症候群と言います。
一時的に無呼吸になるため、脳が覚醒して睡眠の質が低下し、大きないびきをかくのが特徴の病気です。睡眠の質の低下による日中の強い眠気、酸素不足による循環器への負担などが主なリスクですが、睡眠時無呼吸症候群は歯ぎしりの原因にもなります。
3.寝てる時の歯ぎしりが健康に与える影響は?
寝ている時の歯ぎしりは無意識に起こるので軽視してしまいがちです。
しかし、歯ぎしりの対策をせず長期間放置すると、以下のような健康リスクを高めてしまいます。
3-1.寝起きの肩や首の痛み
歯ぎしりすると寝ている間の首や肩に強い力がかかり、首や肩周辺の筋肉が緊張して疲労物質や睡眠時の痛みの原因物質が蓄積されていきます。夜にしっかり寝ているのに、朝起きたら肩や首に痛みが出ているならば歯ぎしりをしているのかもしれません。
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3-2.歯の摩耗・欠損
寝てる時に行う歯ぎしりは、起きている時に行うよりもかかる力が強くなります。
歯ぎしりで受ける歯への圧力は100kgを超えることもあり、毎日のように歯ぎしりすると歯が欠けたり、擦り減ったりしてしまいます。若いうちから歯ぎしりが習慣化してしまうと、年をとってから健康な歯が残りにくくなってしまうでしょう。歯の本数というのは、高齢者になってからのQOL(Quality Of Life)に大きく関わるといわれています。食事を楽しめるかどうかも左右されるため、歯ぎしりをしているという指摘を受けたのならば、なるべく早めに対応するようにしましょう。
3-3.詰め物の欠損
強い力で欠けてしまうのは歯だけではありません。せっかく治療した歯の詰め物も欠けてしまうことがあります。歯の詰め物は消耗品なので、いつかは壊れてしまうものですが、なるべくなら長続きさせたいものですよね。治療の回数が多くなることで時間的・経済的な負担もかかるようになります。
3-4.顎関節症
歯ぎしりで強い力がかかるのは歯だけではありません。
顎にも強い力がかかり、顎関節がズレたり変化が生じたりして顎関節症になってしまう場合があります。顎関節症のおもな兆候は、顎の痛みや口が開けづらくなる、顎を動かすと音が鳴る、などが挙げられます。口が開けづらくなるので、硬い食べ物や大きな食べ物が食べづらくなるのも特徴です。
3-5.歯周病
歯ぎしりをしていくうちに歯そのものが弱っていき、歯の生え際に隙間が生じて歯周病菌が増殖しやすくなります。歯ぎしりを強くする人は、歯ぎしりをしない人に比べて歯周病の進行スピードが速くなるといわれています。
また、歯周病は歯を失うリスクが高くなるほか、循環器系疾患のリスクにも注意が必要です。歯周病菌自体が血管にダメージを与えるほか、歯周病による炎症で作られた炎症性サイトカインが心臓血管の異常を引き起こすからといわれています。
4.寝てる時の歯ぎしりを抑えるには?
歯ぎしりを指摘されたら、なるべく早めに対応したほうがよいでしょう。
歯ぎしり自体は病気ではありませんが、上に挙げたような様々な健康リスクが発生する可能性があります。
寝てる時の歯ぎしりを抑える方法としておすすめなものをいくつか見ていきましょう。
4-1.マウスピースによる対応
マウスピースを寝る前時に装着すると、歯や顎、首、肩などにかかる負担を減らせます。この場合のマウスピースは、スポーツなどに使う市販のものではなく、歯科で自分の歯に合わせて作ってもらうオーダーメイドのものが理想的です。歯ぎしりに悩んでいる旨を伝えればあなたに合ったマウスピースを製作してもらえます。
4-2.歯列矯正
噛み合わせが悪くて歯ぎしりをしている場合、歯列矯正を行うのも一つの手です。
歯列矯正によって歯並びが正常になれば、歯ぎしりも少なくなるでしょう。
4-3.ストレスの発散
歯ぎしりの原因の多くは、ストレスによるものといわれています。スポーツや趣味などでストレスを発散したり、ストレスの大元を取り除いたりするのも歯ぎしりにとって有効な対策といえるでしょう。
4-4.睡眠の質を高める
寝てる時の歯ぎしりを抑えるためには、睡眠の質を高めることも重要です。睡眠の質を高めて歯ぎしりの原因の一つであるストレスを解消することが、寝てる時の歯ぎしり抑制につながると考えられるからです。
ここでは、長期的に睡眠を見直すためにできることを紹介します。
4-4-1.毎日同じ時間に就寝・起床する
人間の身体は、一定の生活リズムを刻んでいます。起きる時間と寝る時間を一定にし、過度な夜更かしや二度寝はなるべくしないようにしましょう。
また、身体の生活リズムを整えるのに有効なのが、朝日を浴びることです。太陽光を浴びると身体が朝と認識するため、すっきりと目覚めます。また、15時間後に自然と眠気が生じるようになります。
4-4-2.就寝90分前には入浴を済ませる
スムーズな入眠には深部体温が下がることも重要です。寝る直前の入浴だと深部体温が高まってしまうため、最低でも90分前には済ませるようにしましょう。
4-4-3.就寝前2時間は食事をとらない
寝る前に食事を摂ると、食べ物の消化吸収にエネルギーを要するため、睡眠の質が低下してしまいます。なるべく2時間前までに食事を済ませるようにし、もし難しい場合にはうどんやおかゆなど、消化の良いものを食べるようにしましょう。
4-4-4.スマートフォンなどを見ない
スマートフォンなどの電子機器が発する光は、脳を覚醒させてしまうため、睡眠の質が低下しがちです。また、多くの楽しい情報を得られるため、気づけば数時間経ってしまっていたり、気になることが増えて脳が活発になってしまいます。
「ベッド=寝る場所」と身体が覚えることも、スムーズな入眠を助けます。スマートフォンなどはベッドに持ち込まないようにしましょう。
4-4-5.寝室の環境を整える
マットレスや枕など、寝具の見直しも睡眠環境の改善に効果的です。例えば首や肩の痛みが気になるなら枕を見直したり、程よいフィット感がほしいなら低反発マットレスに変えるなど、自分が「心地よい」と思える環境に整えることも、質の良い睡眠につながります。
5.まとめ|睡眠の質を高めて寝てる時の歯ぎしりを抑えよう!
本記事で解説した寝てる時に歯ぎしりしてしまう原因や健康に与える影響は、以下のとおりです。
・歯ぎしりの大きな原因はストレスであり、ストレスが大きいと歯ぎしりも強くなりがちである
・噛み合わせの悪さも歯ぎしりの原因になる
・飲酒喫煙をする人は歯ぎしりをしやすく、また日中の歯ぎしりが癖になっている人も夜間に歯ぎしりをしやすいといわれている
・歯ぎしりは歯の摩耗や欠損、顎関節症など健康リスクになる
・もしも他者に指摘されていたり、自覚したりしているならば歯医者で治療を受けるのも検討する必要がある
また、歯ぎしりを抑える方法は歯医者での治療以外にも、睡眠の質を高めることが重要です。寝る前の習慣を変えたり、寝室の環境を整えたりすることで睡眠の質を高めることは可能です。
自宅で簡単にできる歯ぎしり対策を実践して、寝てる時の歯ぎしりを抑えましょう!
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