- 1.マットレスと腰痛の関係
- 2.腰痛が悪化しやすいマットレスの特徴
- 2-1.柔らかすぎるマットレス
- 2-2.硬すぎるマットレス
- 2-2-1.マットレスが硬すぎないかチェックする方法
- 2-3.へたっているマットレス
- 3.腰痛持ちがマットレスを選ぶ際の7つのポイント
- 3-1.サイズ
- 3-2.素材
- 3-2-1.コイルマットレスは「ポケットコイル」がおすすめ
- 3-2-2.ノンコイルマットレスは高反発ウレタンがおすすめ
- 3-3.硬さ
- 3-3-1.ポケットコイルマットレスの場合
- 3-3-2.ウレタンマットレスの場合
- 3-3-3.複層構造のマットレスもおすすめ
- 3-4.耐久性
- 3-5.マットレスの厚み
- 3-6.マットレスの通気性
- 3-6-1.カビ対策は必須
- 3-7.お試し・保証期間
- 4.腰痛対策のためにできること
- 4-1.姿勢(立ち方・座り方)に気をつける
- 4-2.適度な運動を取り入れる(トレーニング・ストレッチ)
- 5.改善しない場合は病院へ
- 6.まとめ|腰痛持ちの場合は硬めのマットレスを選ぼう
腰痛持ち、どのマットレスを選べばいい?7つのポイントを解説
「腰痛対策にマットレスを買い替えたい」
「マットレスを買い替えたいが、何を選べばいいか分からない」
このような悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。マットレスは素材や密度、厚みなど、見るべきポイント要素が多い寝具です。自分に合わないマットレスを購入してしまうと、かえって腰痛を悪化させるおそれがあるため慎重に選ぶ必要があります。
本記事では、腰痛持ちの方向けに、どのような素材・厚み・硬さのマットレスを選べばいいかについて詳しく解説します。腰痛向けのマットレスを探している方は是非ご覧ください。
なんだかよく眠れない…とお困りではありませんか?
もしかしたらその原因は「合わないマットレスを使っている」ことにあるかもしれません。
体に合わないマットレスを使い続けることで、寝心地の悪さを感じるうえに、首や腰、背中への負担など様々な不調を引き起こす原因にも繋がるため注意が必要です。
もしも現在そんなお悩みをお持ちであれば一度マットレスの見直しをおすすめします。
1.マットレスと腰痛の関係
腰痛を引き起こす原因は、運動不足や普段の姿勢、椎間板ヘルニアなどさまざまです。しかし、朝起きて腰に痛みを感じる場合は、マットレスが腰痛の原因かもしれません。
元々、マットレスの役割は睡眠時に身体の負担を分散させることです。人間は睡眠時横になりますが、人間の身体はS字にカーブしているため、首・背中・腰・足に負担がかかりやすくなります。特に腰は全体重の44%の圧力(体圧)がかかっています。
合わないマットレスを使い続けると2つの体圧が分散されることなく、ダイレクトに腰へのしかかってしまいます。この状態が続くと血流やリンパの流れが悪くなったり、筋肉がかたくなったりしてしまうため、腰に痛みが生じてしまうのです。
2.腰痛が悪化しやすいマットレスの特徴
合わないマットレスを使い続ける悪影響について説明しましたが、腰痛持ちが選んではいけないマットレスは次の3つです。
・硬すぎるマットレス
・柔らかすぎるマットレス
・へたっているマットレス
2-1.柔らかすぎるマットレス
柔らかすぎるマットレスを使い続けると、身体が沈みこんで寝返りが打ちにくくなります。
寝返りは、身体への負担を軽減する役割を持つ重要な行為です。寝返りを打つことで1か所に収集しがちな負担を別の部位に分散することができます。しかし柔らかすぎるマットレスを使い続けると身体がうまく寝返りを打つことができません。1つの姿勢で寝続けてしまうことになるため、血行が滞ったり、筋肉がこわばったりしてしまうので、一つの部位に身体からの圧力(体圧)が集中してしまいます。
基本的に低反発マットレスは腰痛持ちにはあまりおすすめできません。
2-2.硬すぎるマットレス
腰痛対策には、一般的に硬めのマットレスがおすすめです。
しかし一概に「硬いからよい」ということではありません。身体に合わない、硬すぎるマットレスを使い続けるとマットレスと腰の間にすきまができます。
マットレスと腰の間にすきまが空いてしまうと、身体の出っ張った部分にいつも負担が集中しやすくなり、逆に腰痛を悪化させてしまう可能性があります。
重要なのは硬さの指数ではなく「自分に合っている硬さかどうか」です。以下で詳しく解説します。
2-2-1.マットレスが硬すぎないかチェックする方法
マットレスの間に手を差し込んで、すきまがないかどうかチェックしてみましょう。すきまがある場合、身体にマットレスがフィットしていない可能性が高いです。
2-3.へたっているマットレス
素材にもよりますが、5年以上使い続けているマットレスは要注意です。へたった状態のままマットレスを使い続けると、身体が必要以上に沈み込んでしまい、身体の負担を分散させることができません。腰痛の原因となってしまいます。
お使いのマットレスがへたっているかどうかは以下を基準にチェックすると良いでしょう。
・寝ころんだ時に腰やお尻の部分がへこむ
・マットレスを触ったとき、腰やお尻の部分が柔らかくなっている
3.腰痛持ちがマットレスを選ぶ際の7つのポイント
腰痛を抱えている方がマットレスを選ぶ際には、以下の7つのポイントを見ると良いでしょう。
1. サイズ:適度に寝がえりが打てる
2. 素材:ポケットコイル・高反発ウレタンなど
3. 硬さ:適度な硬さがあるもの
4. 耐久性:密度が高いもの
5. 厚み:厚みが20cm以上あるもの
6. 通気性:通気性があるもの
7. 試用期間:お試し・保証期間があるもの
ここからは各項目で理由も含めて詳しく紹介します。
3-1.サイズ
マットレスのサイズにはシングルやダブル、セミダブルなど様々な種類があります。ご自身の体格や身長、使用人数に合わせて選びましょう。
1人で使う場合はセミダブル、2人で寝たい人はダブルやクイーンサイズがおすすめです。
また親子3人でベッドを使う場合、クイーンサイズではなくシングル・ダブルベッドを1つずつ購入するのがおすすめです。お子さまが成長してからもシングルベッドをそのまま使うことができますよ。
また腰痛持ちの場合は腰にかかる負担を分散させる必要があるため、特に「寝返りを打ちやすいかどうか」が重要になります。一人暮らしの場合にシングルベッドを検討する方も多いですが、シングルベッドは横幅が100cm程度しかなく、うまく寝返りができないケースも多いです。一人暮らしの場合はセミダブル以上がおすすめです。
3-2.素材
まずはマットレスの種類を選びます。
具体的には、コイルスプリング(路面からの振動を抑えて衝撃を吸収する役割)が使用されているものと使用されていないものに分けられます。
ノンコイルマットレス | コイルマットレス | |
素材 | ウレタンフォーム ファイバー ラテックスなど |
ボンネルコイル ポケットコイル スプリングコイルなど |
厚み | 10~20cm前後 | 20~35cm前後 |
重量 | 7~15kg前後で軽め | 20~30kg前後で重め |
耐久性 | 低反発:3~5年 高反発:6~8年 ファイバー:6~8年 ラテックス:6~8年 |
ポケットコイル:7~10年 ボンネルコイル:8~12年 |
通気性 | 低め | 高め |
機能性 | 高め ※折り畳み可能なため |
低め |
価格 | リーズナブル ※30,000円~60,000円程度 |
高め ※150,000円以上 |
廃棄 | しやすい | しにくい |
3-2-1.コイルマットレスは「ポケットコイル」がおすすめ
コイルマットレスは、内部にコイル(ばね)と呼ばれるスプリングが組み込まれたマットレスです。
・ボンネルコイル:複数のコイルスプリングを連結させまとめたマットレス
・ポケットコイル:コイルスプリングを1つ1つ独立させて敷き詰めたマットレス
腰痛に悩んでいる場合、ポケットコイルマットレスがおすすめです。ポケットコイルマットレスは、コイルが1つ1つ独立しているため体にフィットしやすく寝心地がよいのが特徴です。腰や背中など出っ張りの部分の負担を減らすことができます。
ボンネルコイルマットレスは、硬く体が沈み込みにくいメリットはありますが、コイルが独立していないため体にあまりフィットしません。マットレスと体にすきまができてしまい、逆に腰痛を招いてしまう可能性があります。
3-2-2.ノンコイルマットレスは高反発ウレタンがおすすめ
ノンコイルマットレスは、内部にコイルが入っていないマットレス全般を指します。ウレタンやファイバーなど様々な種類があり、年々採用が増えている種類でもあります。
・低反発ウレタン:ウレタン素材を使用。反発力が低く深く沈み込む
・高反発ウレタン:ウレタン素材を使用。反発力が高く一定の硬さがある
・ファイバー:樹脂で作られたファイバー素材を使用。ポリエチレンやポリエステルなどを使用しており、通気性が高い
ノンコイルマットレスのうち、一般的に用いられている素材はウレタンです。ウレタン素材には高反発と低反発の2種類があります。
高反発マットレスと低反発マットレスという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、本来はウレタン素材の「高反発」「低反発」を表しています。
「反発性」とはマットレスに圧力がかかった場合、素早く元の形状に戻るかどうかという特性を指します。反発力が低いマットレスほど柔らかく、包み込むようなフィット感を持ちます。
しかし柔らかすぎるマットレスは身体が沈み込みすぎてしまい、うまく寝返りを打つことができません。同じ姿勢で寝続けてしまうことになるため、血行が滞ったり、筋肉がこわばったりしてしまうことがあります。
腰痛に悩んでいる方は低反発マットレスではなく、少し硬めの高反発マットレスを選びましょう。
3-3.硬さ
腰痛持ちの場合は硬めのマットレスがおすすめです。硬さといってもメーカーによって寝心地は異なってきますので、一度店頭でマットレスを試してみましょう。
また、店頭で試すことができない場合は、品質表示ラベルをチェックするのがおすすめです。商品サイトの情報だけでも、ある程度の硬さを予測することができます。
硬さの基準となる数値は素材別に異なります。ここでは代表的なマットレスである、ポケットコイルマットレスとウレタンマットレスに絞って解説します。
3-3-1.ポケットコイルマットレスの場合
ポケットコイルマットレスの硬さは線径、配列の要素を見ることで判断できます。ただしこれらの情報は、商品サイトに掲載されていない場合もあります。店頭で試せる場合は実際に足を運んでみましょう。
硬さの基準の一つである線径は、コイルばねの材料の直径を指します。この幅が太いほど硬く、細いほど柔らかな寝心地になると考えてください。
また表の中で言う「配列」とはコイルをどのように配置しているかを指します。配列には並行配列と交互配列の2種類があり、この2つは硬さや寝心地に影響してきます。
交互配列はコイルを隙間なく配置する方法です。スプリングがぎっしりと敷き詰められているのでしっかりとした寝心地になります。一方の並行配列では、隙間をわざと作る形でスプリングが埋め込まれているため、柔らかな寝心地になりやすいです。
腰痛持ちの場合は、しっかりと身体を支えてくれる交互配列がおすすめです。
3-3-2.ウレタンマットレスの場合
前述のとおり、ウレタン素材のマットレスには「高反発マットレス」と「低反発マットレス」の2種類があります。腰痛持ちの方には、寝返りの打ちやすい高反発マットレスがおすすめです。
ウレタン素材の硬さはN(ニュートン)という単位を見ることで確認することができます。
3-3-3.複層構造のマットレスもおすすめ
複層構造とは、異なる層や素材を組み合わせて快適性を向上させたマットレスです。
例として、ボトム層は身体を支えるため高反発性の硬い素材、表面層は快適な寝心地を実現するために低反発性の柔らかい素材を使う、といったマットレスが挙げられます。
先ほど腰痛には高反発マットレスがおすすめと書きましたが、どうしても寝心地という点では低反発マットレスの方が優れています。しかしながら、複層構造のマットレスであれば、寝返りを打てる硬さと優れた寝心地を両立できます。
3-4.耐久性
耐久性は、腰痛持ちがマットレスを選ぶ際に見るべきポイントの一つです。耐久性が低いとマットレスの「へたり」が早くなってしまい、腰への負担が増加してしまいます。
高価なものほど良いというわけではありませんが、安価なマットレスは耐用年数が落ちるのが早いので、あまりにも値段が低いものなどには注意した方が良いでしょう。
素材によって耐久年数の目安は異なります。腰痛持ちにおすすめの硬めマットレスだと大体6~10年程度になります。
また、ウレタンの場合は密度によってもある程度の耐久年数を出すことが可能です。詳しく以下の表で確認してみましょう。
※D=Density(密度)の略
長くマットレスを活用していきたい場合は密度が高くなっているものを選ぶことがおすすめです。
3-5.マットレスの厚み
マットレスの厚みについても確認しておきましょう。床に直置きするかベッドフレームに載せるかによっても厚みは異なります。
ただし、腰痛持ちの場合、床に直置きするタイプのマットレスはおすすめしません。直置き用のマットレスは厚みが10cm以下の製品が多く、底つきが発生する可能性があります。
底つきとは、床の硬さを身体や腰で感じることです。マットレスが薄すぎると、マットレスが身体を支えられないため腰が沈み込んでしまうため、腰痛悪化の原因にもなります。
腰痛持ちは、なるべく20cm以上の厚みを持つマットレスを選びましょう。おおよそ10cm単位での違いによって寝心地が変わってきますが、厚みが増すほど値段がかさむ傾向にあります。予算と合わせて検討してみましょう。
3-6.マットレスの通気性
通気性の良いマットレスの代表的なものは、空気の通る隙間のあるボンネルコイルマットレスとファイバーマットレスです。
反対にラテックスマットレスなどは環境にやさしい素材でできておりヨーロッパ諸国ではよく使われていますが、天然ゴムの含有量が多いため通気性には欠けます。
3-6-1.カビ対策は必須
マットレスを扱う際には、カビ対策は必須です。マットレスは素材の性質上、湿気を溜め込みやすい傾向にあります。そのため、定期的に天日干しをするか、壁に立てかけるなどを行って除湿を行うことが必要です。
また、自宅の環境上どうしても天日干しができない場合には、除湿シートをマットレスの下に敷いて自動的に水気を抜く方法もあります。除湿シートは洗うことで何度でも使用できるので、干す手間やマットレスを動かす手間を省きたい方におすすめです。除湿器の使用も良いでしょう。
3-7.お試し・保証期間
服装や環境を含め自宅と同じ環境で2週間~1カ月程度、マットレスを使い続けましょう。店頭でマットレスを試す場合が多いと思いますが、店頭は服装や照明など、普段の睡眠環境と全く異なる場所です。そのため身体が緊張状態になってしまい、自分に合うかどうかの判断が難しくなります。家でマットレスを使って、寝心地や腰痛への影響をチェックしてみましょう。
最近は、開封後に返品できるマットレスも増えてきています。マットレス選びに悩んだら「返品可能かどうか」で判断するのも良いでしょう。
4.腰痛対策のためにできること
ここまではマットレスの選び方について解説しました。しかしながら経済的な理由などからすぐにはマットレスを買い替えられない方もいらっしゃることでしょう。
本章では、腰痛対策として日常生活で心がけるべきことやセルフケアなど、寝具選び以外にできることを紹介します。
4-1.姿勢(立ち方・座り方)に気をつける
日々の生活のなかで、以下のような習慣があると、無意識のうちに腰の痛みを引き起こしている場合があります。
・立っている時、どちらか片足に重心をかけている
・デスクワークなど長時間同じ姿勢でいることが多い
・椅子に座ると、足を組んでしまう
・普段ほとんど運動しない
【正しい立ち方】
背筋を伸ばし、まっすぐ立つようにしましょう。あごを引いて下腹に少し力を入れると、姿勢をキープしやすいです。また、伸ばした背筋の上に、頭をのせるイメージをしてください。
【正しい座り方】
立つ時には背筋を意識しますが、座る時は腹筋を意識します。なるべく深く腰かけ、足の裏全体が床につくとよりよいです。
4-2.適度な運動を取り入れる(トレーニング・ストレッチ)
適度な運動を取り入れ、腹筋や背筋などの筋力を高めることも、腰痛対策に効果的です。
お風呂上がりの10分やデスクワークの合間など、隙間時間を活用したストレッチを習慣づけてみましょう。
5.改善しない場合は病院へ
ここまで、腰痛が辛い方がマットレスを選ぶ時のポイントや、日常生活で取り組める腰痛対策について紹介してきました。
しかし、「なかなか症状が改善しない」「腰痛だけでなく、足のしびれなどもある」ような場合は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの病気が潜んでいる可能性も考えられます。
姿勢改善や運動、マットレスの見直しなど自分でできる対策をしても改善しない場合は、痛みを我慢せず医療機関を受診しましょう。
6.まとめ|腰痛持ちの場合は硬めのマットレスを選ぼう
本記事では、マットレスと腰痛の関係や腰痛が辛い方向けのマットレス選びのポイント、日常生活で取り入れられる腰痛対策について紹介しました。
寝起きの腰の痛みの原因としては、マットレスがへたっていること、寝返りをうまく打てていないことが考えられます。うまく体圧が分散され、自身の体格に合ったマットレスを選ぶことで、腰の痛みを生じにくくすることが大切です。
とはいえ、マットレスを変えたからといって必ずしも腰痛が治るわけではありません。
姿勢改善やストレッチに取り組むなど、日常生活のなかで腰痛対策を行うことも大切です。また、症状が改善しない場合や足のしびれなどほかの症状もある場合は、速やかに病院を受診しましょう。
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