ストレートネックと枕の関係は?自分に合った枕の選び方を解説

ストレートネックという言葉を聞いたことがあるでしょうか?ストレートネックは頸椎がゆがんでしまうことによって生じます。頸椎がゆがむと姿勢が悪くなり、頭痛や肩こりなど様々な状態が現れるようになります。
これらの症状を悪化させないためには、日々の姿勢改善はもちろん、自身の枕を見直すことも効果的です。本記事では、ストレートネックの原因や自分に合う枕の選び方を解説します。
1.ストレートネックとはどのような状態か?
ストレートネックは生活習慣の中で無理な姿勢を続けることで頸椎(首の骨)にゆがみが生じた状態のことを指します。
通常、頸椎は緩く「く」の字を描くようなカーブをしています。頭は意外にも重く、5kgから10kg程度となっていますが、頸椎が正しく「く」の字の形になっていると、頭の重さは下方向にまっすぐかかります。
しかしストレートネックの状態になると、このカーブがなくなり、頸椎がまっすぐになってしまいます。頭の重さを頸部だけで支えなければならなくなるため、首への負担が増えてしまうのです。
2.ストレートネックによる弊害とは
頸椎が正常な状態ならば頭の重さはまっすぐ下の方向にかかり、正しい姿勢を保つことができます。しかしストレートネックになると頭の重さが斜め下の方向にかかるため、姿勢が悪くなっていきます。頭の重みにより肩や首に負担が掛かる状態となるため、以下のような弊害が現れます。
2-1.睡眠時の肩や首の痛み
睡眠時には肩や首など特定の部位に負担が掛かりやすくなります。ストレートネックになると、首と肩への負担が増加して、睡眠時の痛みの原因となります。頸椎がまっすぐのため頭が高くなりすぎて、それを支える首や肩に頭の重みが圧し掛かってくるためです。そのため朝、起きたときに首や肩に痛みが生じやすくなります。
睡眠時の首や肩の痛みではありませんがストレートネックの人は頭が高い位置になり気道が閉塞されがちです。大きないびきの原因になったり、場合によっては睡眠時に生じるリスクの要因になることもあります。
2-2.頭痛、めまい
ストレートネックになると前傾姿勢となるため、立っている時に重心が前のほうに傾きます。頭の重さを主に首だけで支えるようになるのですが、首は様々な神経が通っている非常に重要な部位です。普段の生活の中で負担が掛かり続けることで、首の痛みが現れるようになります。慢性的に首の痛みが生じていると、筋肉が炎症を起こし首の神経を傷めてしまうことがあります。首の神経が障害されると、頭痛の原因となります。
2-3.眼精疲労
ストレートネックで日常的に首や肩の筋肉がこわばっていくと、視神経にも影響が出てきます。視神経を直接障害することはありませんが、眼精疲労を起こすことがあります。目が疲れやすくなり視力が低下したり、目がショボショボとしやすくなったりします。
2-4.手や腕のしびれ
普段の生活で首の筋肉がこわばると、手や腕につながる神経が圧迫され、しびれがでてくることがあります。ピリピリとした一時的なものがほとんどですが、ストレートネックを放置すると慢性化する可能性があります。
3.ストレートネックを予防するには
ストレートネックを悪化させる一番の要因は、姿勢です。昨今ストレートネックに悩む人が増えていますが、これは現代特有の生活習慣が影響しています。本章では、ストレートネックを予防するためにできる3つのことを解説します。
3-1.枕を変える
睡眠時の頸椎の姿勢が不自然だとストレートネックが懸念されます。特に高さが合っていない枕を使っていると、睡眠中も頸椎がまっすぐ伸びた状態となっていき、ストレートネックの一つの要因となり得ます。
寝ている間の首への負担を軽減させるために重要なことは、頸椎が軽いS字カーブを描いていることと、枕と首がすきまなく密着していることです。普段使っている枕を確認し、もし高すぎたり低すぎたりする際は新たに購入することをおすすめします。
3-2.猫背を正す
猫背とは、頭が前に飛び出た前傾の姿勢です。頸椎がまっすぐになっているため、ストレートネックに近い状態になってしまっているのです。
これは、現代の働き方が要因の一つとされています。特にデスクワーク中心の方の場合、座り続ける姿勢に疲れ、気づけば猫背になってしまうこともあります。一見楽な姿勢に見えがちな猫背ですが、実は肩や背中に大きな負担がかかっています。
普段から姿勢の悪さが気になっている方は、背筋を意識的に伸ばすなど、日々姿勢を正しく保つようにしましょう。また、デスクワーク中に疲れたら一度立ち上がり、背筋を伸ばす動きをするなど、軽いストレッチを取り入れることもおすすめです。
3-3.スマートフォンやタブレットの長時間使用は避ける
デスクワーク以上に、現代人にストレートネックが多い原因がスマートフォンやタブレットの使用であると考えられています。
スマートフォンを扱う時、自然とのぞき込むような前傾姿勢になることが多いのではないでしょうか。このときの頸椎はまっすぐに近い状態になっており、首や肩へ大きな負担をかけています。
スマートフォンやタブレットを使用する際は、目の高さで使用したり長時間の使用を避けるなど、姿勢の悪い状態が続かないようにしましょう。
4.理想的な寝姿勢を作る!枕選びのポイントとは?
ストレートネックを防止するには、起きている間に正しい姿勢を意識することはもちろん、寝ている間の姿勢も大切です。仰向けに眠る人と、横向きに寝る人がいると思いますが、それぞれの理想的な寝姿勢は以下のようになっています。
仰向き寝のとき:「背骨が緩やかなS字カーブを描くくらいの高さ」
横向き寝のとき:「背骨がまっすぐになるくらいの高さ」
理想的な寝姿勢を作るために重要なのは、自分に合った枕を使用して、睡眠時の首や肩への負担を軽くすることです。本章では、自分に合う枕の選び方として3つのポイントを紹介します。
4-1.体圧分散性
体圧分散性とは、特定の部位にかかりやすい負担を全体に分散させることで、負担を軽減させる働きのことを指します。体圧分散性の高い素材から作られている枕を選ぶことで、睡眠時の頸椎や肩への負担を軽減させることができます。
一般的に、低反発素材で作られた枕は体圧分散性が高いと言われています。
4-2.大きさ
枕の大きさ選びも重要なポイントの1つです。枕が小さいと、寝返りした際に枕から頭が外れたり落ちたりしてしまい、朝まで正しい寝姿勢をキープできなくなってしまうほか、途中で起きてしまうなど睡眠の質も低下してしまいます。そのため、寝返りをしても頭が外れない大きさ・広さの枕を選ぶことが重要です。
また、枕が支えるのは首だけではありません。より正しい寝姿勢を保ちたいなら、しっかりと肩まで支えられるよう、枕が肩に当てた状態で頭を支えられるくらいの大きさを意識してみてください。
関連:低反発枕と高反発枕はどちらがいいの?最適な選び方、ポイントを解説
4-3.高さ
先述の通り、理想の寝姿勢は、直立時と同じ「く」の字を描いた状態です。枕の高さが合っていないと、様々なリスクが生じます。
例えば枕が高すぎると、背骨や頸椎が急なカーブを描くことになります。周辺の筋肉が緊張しこわばった状態が朝まで続くため、起きた時に痛みや不快感が生じてしまいます。逆に、低すぎても枕に頭が沈み込んでしまい、正しい寝姿勢をキープできません。
自身の体格に合う枕の高さを選ぶことで、睡眠時の首や肩への負担を軽減できます。
5.ストレートネックになったら整形外科へ
デスクワークやスマートフォンの使用時間が長く、姿勢の乱れが気になっている場合ストレートネックになってしまっていることがあります。姿勢が以前と比べて悪くなっていることに加えて、頭痛や眼精疲労、手や腕のしびれ、肩・首の痛みなどが現れているならば、ストレートネックの可能性が高いと考えられます。
ストレートネックも初期の段階ならば、そこまで日常生活で困るものでもありません。しかし治療せず、慢性化させてしまうと神経を障害して日常的に頭痛やしびれが出るようになります。
QOLを著しく低下させる可能性があるので、ストレートネックかもしれないと思ったら整形外科で診察を受けるようにしましょう。
6.まとめ|正しい寝姿勢でストレートネックを予防しよう
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、現代の生活習慣からストレートネックに悩む方が増えています。症状を悪化させないためには、普段から正しい姿勢を意識することはもちろん、自分に合う枕を使い、正しい寝姿勢をキープすることが重要です。
自分に合ったよい枕の条件は「体圧分散性」「大きさ」「高さ」の3要素が適切であることです。枕を選ぶときは事前に使用感を試してみて、理想的な寝姿勢を保てるかどうかを確認してから購入するとよいでしょう。
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