首が痛いのは枕が原因?対処法と最適な枕の選び方を解説
起きるときに首に痛みが走ることはありませんか?
首の痛みが続く場合、枕やマットレスが合っていない可能性があります。
枕の高さが合っていなかったり小さかったりすると、頭を支える首に負担がかかって、首が痛くなる原因となります。
そこで本記事では首の痛みと枕の関係性や合わない枕を使うと起こる影響、最適な枕の選び方を紹介します。
良質な睡眠はとれていますか?
あなたが眠れないのは枕が原因かも?
すっきり目覚めるカギは体と枕の「すきま」。起きた時に肩や首が辛い、すっきり目覚められない、朝起きた時に頭が痛いなど、1つでも当てはまった場合はもしかして枕が合ってないせいかも!?
良質な睡眠をとるために自分に合った枕を探してみませんか?
1.睡眠時の首の痛みは枕が原因?枕と首の関係
起床時の首の痛みは枕が合っていない可能性があります。
睡眠中に頭にかかる負担は体重のおよそ10%であり、その負担は首や肩が支えています。睡眠中の首や肩には負担が集中しやすいのですが、枕が首・肩を支えることで負担を集中させないようにしています。しかし枕が適切でないと、頭を支えている首に負担が掛かって、睡眠時に首が痛くなる原因となります。
枕が合っていない要因は、主に3つです。
・枕の高さが合っていない
・枕が柔らかすぎる、硬すぎる素材
・枕が自分の頭に合っていない
それぞれどのような理由で睡眠時の首の痛みの原因になるのか見ていきましょう。
1-1.枕の高さが合っていない
枕の高さは就寝中首への負担を左右します。理想的な寝姿勢は頸椎が緩いS字カーブを描いている状態です。直立した姿勢がそのまま仰向けになっているようなイメージです。
しかし、枕が高すぎてしまうと、頸椎のカーブが急になります。そのため首にかかる負担が強くなり、首周辺の筋肉がこわばってしまいます。
人間は眠っている間にある程度、寝返りを打つため同じ部位に負担が掛かり続けることはあまりありません。しかし体圧分散性の低い枕を使用していたり、寝返りをあまり打たなかったりする人だと同じ部位に負担が掛かり続けて、筋肉のこわばりが続き、睡眠時の痛みや不快感の原因となります。同じ部位に負担が掛かり続けることで血流も悪くなり、疲労物質や痛みの原因物質が消失するのも遅くなります。
反対に枕が低すぎても首に負担がかかる原因となります。枕が低すぎると頸椎が逆U字カーブを描きます。頭が低い位置になることで首や肩に負担がかかり、起床時の痛みや不快感の原因となります。
参考:枕が高すぎるとどうなるの?体に与える影響と自分に合った枕の選び方
1-2.枕が柔らかすぎる・硬すぎる
枕の素材も睡眠の質に関わる重要なポイントです。枕の素材にはビーズやそば殻、羽毛、ウレタンなど、様々なものがあります。
柔らかすぎる枕は頭の重さによって、深く沈みこんでしまいます。深く沈むと低すぎる枕を使用したときのように頸椎が逆U字カーブを描くこととなります。こうなると首に負担がかかって起床時の痛みに繋がります。
一方で硬すぎる枕も首の負担となります。仰向けで眠る時に硬い枕だと隙間が生じて、首を支えにくくなるためです。寝返りを打ちやすくなるというメリットはありますが、睡眠時の首の痛みに悩んでいるならば避けたほうがよいでしょう。
1-3.枕の大きさが合っていない
枕の大きさも見直しが必要です。
人間は睡眠中に20回から30回の寝返りを打つと言われています。寝返りは同じ部位に負担を掛け続けないために必要なものですが、寝返りを打てないと首や肩、腰など特定の部位に負担が掛かり続けることとなり、起床時の痛みの原因になります。
枕にはある程度の大きさが必要です。
枕が小さいと、寝返りを打った際に枕から頭が外れてしまい、ついつい起きてしまったりすることがあります。自然に目覚める以外の要因で起きてしまうと、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが乱れて睡眠の質が低下してしまいます。
2.合わない枕を使うと出る症状
合わない枕を使うデメリットは首の痛みだけではありません。肩などの身体の痛みのほか、「ストレートネック」「睡眠時無呼吸症候群」などを引き起こす可能性があります。それぞれ詳しく解説します。
2-1.肩など他箇所の身体の痛み
合わない枕を使い続けると、肩などの痛みを引き起こす可能性があります。
自分の頭に合っていないと、首や肩周辺の負担が大きくなり寝ている間に筋肉の緊張を招きます。寝ている間に首や肩周辺の筋肉に負担がかかると、だんだんと睡眠時の痛みの原因物質や疲労物質が蓄積していきます。そして朝、目覚めたときの肩回りの痛みや不快感の原因となります。
起床時の肩の痛みや対処法について、詳しくは関連記事「肩が痛いのは枕が原因かも!痛みの要因と4つの対処法を紹介」をご覧ください。
2-2.ストレートネック
ストレートネックとは、日常的に猫背や前のめりなど不自然な姿勢を続けることで、頸椎がまっすぐになってしまった状態のことを指します。頸椎は正常ならば緩い「く」の字を描いていますが、まっすぐになってしまうと頭が前に飛び出た姿勢になります。
この姿勢になると頭部の重さがすべて首や頸椎にかかってきます。首の筋肉がこわばり、肩や首の痛みに繋がるほか、神経を害して手や腕のしびれ、頭痛、眼精疲労などを引き起こすこともあります。
合わない枕を使っていること以外にも、スマートフォンの見すぎやパソコンの見すぎなどといった現代人特有の生活習慣も原因のひとつです。ストレートネックになると上記のようにさまざまな弊害を引き起こすため、ストレートネックにならない習慣をつけることが必要です。
詳しくは関連記事「首が痛い…「ストレートネック」「寝違え」など、原因チェック」をご覧ください。
2-3.睡眠時無呼吸症候群
主に高すぎる枕を使っていると、気道が狭くなりやすく睡眠中に一時的に無呼吸状態が発生することがあります。呼吸が止まってしまうため、脳が覚醒して睡眠の質が低下します。大きな事故の原因になってしまうほか、循環器にも負担が掛かるリスクが高まります。睡眠時無呼吸症候群はできるかぎり早急に治療したほうがよいです。枕が合っていないと、このようなリスクを高めてしまうこともあるので気を付けましょう。
なお、睡眠時無呼吸症候群に適した診療科は睡眠外来や睡眠センターです。
どこにでもある診療科ではありませんが、かかりつけの医師に相談すれば近くのこれらの診療科がある病院や総合病院、大学病院などを紹介してもらうことができます。
3.首が痛くならないための予防策
ここまでは、合わない枕を使い続けるデメリットについて説明しました。
ここからは、枕が自分に合っているかを確認する方法や枕の選び方について解説します。
3-1.枕の高さが合っているか確認する
前述のとおり、枕の高さはよい枕の条件の中でも特に重要です。
高さが合っていないと、例えどんな上質な素材、どんな大きさの枕を使っても、睡眠の質を高めることは難しいでしょう。枕は高すぎてもいけない上に、低すぎてもいけません。仰向けに眠る時は「背骨が緩やかなS字カーブを描くくらいの高さ」が理想的で、横向きに眠る時は「背骨がまっすぐになるくらいの高さ」が理想的です。
これだけではちょっとイメージがつきづらいと思うので、枕を購入する際は一度試してから購入しましょう。睡眠指導士がいるお店で直接聞いてみてもよいでしょう。
3-2.枕の素材を見直す
枕の素材は本当に様々な種類があります。
羽毛やそば殻、シルク、ビーズ、ポリエステル、ウレタンフォームなどがあります。高さが適切ならば、枕の素材にそこまでこだわる必要はありません。それぞれの素材による使用感は人によって異なるため、好みで決めてしまってもよいでしょう。ただし、睡眠中の肩や首の痛みに悩まされている人には柔らかい素材の枕がおすすめです。
睡眠時の首の痛みは、その部位に負担が集中することで生じます。体圧分散性とは特定の部位に集中しやすい体圧(体重)を広い範囲に分散させることで、睡眠時の特定部位への負担を軽減させる性質のことを指します。
柔らかい素材の枕は体圧分散性が高く、特定部位への負担を軽減し、睡眠時の首や肩の痛みを緩和してくれます。また包み込むような使用感もあり、寝心地がよいことも特徴です。
3-3.大きな枕を使う
枕の大きさは比較的単純です。それは「なるべく大きいものを使う」ことです。
枕があまりに小さいと、寝返りを打った際に、枕から頭が外れてしまいます。その時に起きてしまい、睡眠時間の不足や睡眠の質の低下を招いてしまうことがあります。さらに枕から頭が外れた状態で眠り続けることで、首や肩への負担が増し、朝起きたときの痛みの原因になることがあります。
枕を選ぶ際はなるべく大きめ、最低でも寝返りを打っても大丈夫なくらいの大きさの枕を選ぶようにしましょう。
4.まとめ|理想の枕を選んで睡眠を快適にしよう
朝起きたときに首が痛いのは、枕の高さや素材、大きさが合っていない可能性が高いです。適度な高さ、かつ体圧分散性のある素材、自分の頭に合った大きさの枕を選ぶ必要があります。
合わない枕を使い続けるとストレートネックや睡眠時無呼吸症候群といった症状を引き起こす要因にもなり得ます。また、自分に合った寝方をすることで首の痛みは改善できる場合もあるので、ぜひこの記事で紹介した対策を試してみてください。
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