- 1.早期覚醒の原因とは?
- 1-1.加齢による自然現象
- 1-2.うつ病でホルモンバランスが崩れる
- 1-3.生活習慣の乱れ
- 1-4.ストレスで神経バランスが崩れている
- 2.自分でできる早期覚醒の対策・治し方とは?
- 2-1.加齢による早期覚醒は気にしすぎない
- 2-2.生活習慣の改善を試みる
- 2-2-1.起床時間と就寝時間は一定にする
- 2-2-2.運動習慣をつける
- 2-2-3.入浴は就寝90分前までに済ませる
- 2-2-4.食事は就寝2時間前までに済ませる
- 2-2-5.ベッドではスマホや本を読まない
- 2-2-6.午後3時以降のカフェインは避ける
- 2-3.ストレスを溜めすぎないようにする
- 2-3-1.「ストレスコーピング」を意識する
- 2-3-2.ほっとできる居場所をもつ
- 2-3-3.日記などで自分を客観視する
- 2-3-4.ストレスを解消できる趣味を見つけることが重要
- 3.早期覚醒の他に早く目が覚めてしまう理由があるかも?
- 3-1.睡眠時無呼吸症候群
- 3-2.むずむず脚症候群
- 3-3.中途覚醒・入眠困難
- 3-4.うつ病
- 4.程よい朝型は活動的になれる!
- 4-1.午前中に脳が活発化する
- 4-2.健康的で病気になりにくい
- 5.まとめ|早期覚醒は原因別に正しく対策しよう!
早期覚醒の原因とは?対策やストレス解消法を紹介
「朝までゆっくりと寝たいのに、二度寝できない…」
「なぜこんなにも早く目が覚めてしまうのかがわからない」
このように長時間熟睡したくても、早い時間に起きてしまうこともあるのではないでしょうか?
朝、早い時間に起きてしまうのは「早期覚醒」と言います。
早期覚醒の主な原因は以下の4つです。
・加齢による自然現象
・うつ病でホルモンバランスが崩れる
・生活習慣の乱れ
・ストレスで神経バランスが崩れている
早期覚醒が起きていたとしても、しっかりと眠気が取れていて、熟睡感があるならば問題ありませんが、そうでなければ対策の必要があります。
本記事では、早期覚醒の原因や対策・治し方を詳しく解説します。加えて、早期覚醒の他に考えられる関連症状も紹介しています。朝までぐっすり眠れずに困っている方はぜひ最後までお読みください。
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1.早期覚醒の原因とは?
早期覚醒とは、睡眠障害の一つです。「もっと寝ていたい」と思うのに、早い時間に起きてしまい再度眠ることが難しい状態のことを指します。
早く起きてしまったとしても、日中に眠気や疲労感なく元気に活動することができれば心配はありません。しかし、反対に眠気や疲労感で日中の活動に支障が出るようならば、問題であると言えます。
早期覚醒に限らず睡眠障害は総じて、原因が非常に多岐に渡ります。
その中でも主な原因は、以下の4つです。
・加齢による自然現象
・うつ病でホルモンバランスが崩れる
・生活習慣の乱れ
・ストレスで神経バランスが崩れている
ここからは、早期覚醒の原因となる代表的な要因をひとつずつ解説します。
1-1.加齢による自然現象
高齢になればなるほど、早期覚醒することが多くなります。
身の回りにいる高齢者を想像してみると、朝早くから活動している人が多いのではないでしょうか。加齢するにつれて眠りが浅くなっていくのは、自然な老化現象です。高齢になればなるほど、早期覚醒しやすくなったり夜中に何度も起きてしまうなど中途覚醒しやすくなります。
つまり高齢者の早期覚醒の場合、あまり心配ないことが多いです。高齢者では覚醒と睡眠の揺れ幅が小さくなり、眠りが浅くなりがちです。朝、早く起きてしまったり、夜中に何度も起きてしまったりする代わりに昼間にウトウトと軽い睡眠を取って睡眠時間のバランスを取っています。
実際に昼間、元気に活動的でいれば問題ありません。多少昼寝などをしてしまうこともあると思いますが、夜にある程度眠れているならば大丈夫です。ただし「精神的に落ち込むことが多い」「夜によくトイレに行ってしまう」「昼間の眠気がつらい」などの早期覚醒以外が現れているようならば、一度医療機関で診察を受けるようにしましょう。
1-2.うつ病でホルモンバランスが崩れる
早期覚醒は、うつ病の典型例の一つです。
うつ病は幸せや安静を感じる神経伝達物質の分泌異常が原因の一つとされています。ドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンといった神経伝達物質のバランスに異常が現れ、精神的な落ち込みが生じやすくなります。
睡眠にはメラトニンというホルモンが重要になります。メラトニンはセロトニンから作られますが、うつ病によりセロトニンの分泌量が少なくなるとメラトニンも不足し、眠りの質が低下すると考えられています。
1-3.生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れも、早期覚醒をしてしまう原因です。
例えばアルコールをよく飲む生活をしている人は、眠りの質が低下してしまいます。アルコールはある程度の入眠導入作用がありますが、アルコールの作用が切れたところで脳は興奮状態となってしまいます。アルコールを飲んで3~4時間ほど眠ったら起きてしまった、という経験がある人も多いのではないでしょうか?
また極端に運動不足の人も睡眠の質が低下し、早期覚醒してしまうことがあります。ある程度の疲労感は眠りの質を高めるために重要になります。
生活習慣は人それぞれなので一概には言えませんが、基本的に規則正しく健康的な生活をしたほうが睡眠の質は高くなります。
1-4.ストレスで神経バランスが崩れている
ストレスはあらゆる睡眠障害の原因となります。人間はストレスが掛かると交感神経が優位になり、血圧や心拍数が増加します。交感神経は仕事やスポーツなど日中の活発な活動をするために必要になる神経ですが、夜間に優位になってしまうと寝付きづらくなったり睡眠の質が低下したりします。ストレスを日常的に受けていると、睡眠の質が低下し早期覚醒してしまうことがあります。
2.自分でできる早期覚醒の対策・治し方とは?
前項では早期覚醒が起きる代表的な要因をお伝えしましたが、人によって環境が異なるため原因は様々です。
基本的に、早期覚醒は高齢者に多いですが加齢によるものはあまり心配する必要がありません。しかし他の原因が考えられる場合は、早期覚醒が起きないように対策が必要です。
ここからは自分でできる、対策や治し方を紹介します。まずはできそうなものから始めてみましょう。
2-1.加齢による早期覚醒は気にしすぎない
先ほどもお伝えしましたが、早期覚醒は基本的に高齢者に多い睡眠障害です。加齢による早期覚醒は、そこまで深刻なものではありません。
高齢になればなるほど、覚醒と睡眠の振れ幅が小さくなり、睡眠が浅くなっていきます。早期覚醒しやすいのもそうですし、中途覚醒や入眠困難なども多くなります。しかしもともと高齢者は若者ほど睡眠時間が必要ではありません。
また朝早くに起きてしまったり、夜何度も起きてしまったりしたとしても昼間に多少の睡眠を取って睡眠時間を確保しています。日中の眠気で活動に支障が出る、などではない限りそこまで心配することはないでしょう。
2-2.生活習慣の改善を試みる
早期覚醒の対策には、生活習慣を改善することが重要です。朝、早く起きてしまうことで悩んでいる場合、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
・起床時間と就寝時間は一定にする
・運動習慣をつける
・入浴は就寝90分前までに済ませる
・食事は就寝2時間前までに済ませる
・ベッドではスマホや本を読まない
・午後3時以降のカフェインは避ける
全てを完璧にやろうとすると続かないので、日常の中でほんの少しだけでも意識して徐々に改善していきましょう。
2-2-1.起床時間と就寝時間は一定にする
脳は規則正しい時間に起きて、眠るようになっています。
就寝する時間と起きる時間を一定にして生活をしていれば、自然と起きたい時間に起きれて眠りたい時間に眠れるようになります。なるべく起床時間と就寝時間は一定にするようにしましょう。
なんらかの理由で夜、眠る時間が遅くなってしまった時も普段通りの時間に起きるようにすると、規則正しい生活を維持しやすくなります。
2-2-2.運動習慣をつける
適度な運動習慣は睡眠の質を高めるために重要です。
人間はある程度の疲労があると、眠りを必要とします。ウォーキングやジョギングなどの軽い有酸素運動を習慣化して、軽い疲労感があると夜に眠気が起きやすくなります。
時間帯としては夕方から夕食後くらいまでがおすすめです。長時間運動をする必要もなく、30分程度で十分です。
2-2-3.入浴は就寝90分前までに済ませる
眠気が生じるには体の奥の「深部体温」が低くなる必要があります。
入浴してすぐは深部体温も高いままなのですが、その後90分ほどかけて徐々に下がっていきます。眠気が生じるためには深部体温の落差が必要なため、一時的に入浴で高くしてから時間をかけて下げると眠気が生じやすくなります。
2-2-4.食事は就寝2時間前までに済ませる
食事を摂るタイミングは、就寝する2時間前までにしましょう。
眠る直前に夕食を食べてしまうと、胃や腸が消化のために働くため、睡眠の質が低下します。
満腹になると眠くなるため入眠しやすくはなるのですが、中途覚醒しやすくなったり、翌朝の胃もたれに繋がります。もし眠る直前に食事をしなければいけない場合、おかゆや少量のうどんなど消化の良いものを選ぶようにしましょう。
2-2-5.ベッドではスマホや本を読まない
ベッドに入ったら、リラックスして眠ることだけに集中しましょう。
スマホや本は脳を興奮させてしまう働きがあるため、ベッドの中で操作しているとなかなか眠気が生じない可能性があります。またベッドに入ってすぐに眠るようにすると、体と脳がベッドに入る=眠るということを覚えて眠気が生じやすくなります。
2-2-6.午後3時以降のカフェインは避ける
カフェインは脳を覚醒させ、眠気を覚まして集中力を高める働きがあります。
しかし午後3時以降にカフェインを摂取すると、カフェインの影響が21時過ぎまで残ってしまいます。
寝ようと思っている時間になってもカフェインの影響で寝付きが悪くなることがあるので、午後3時以降のカフェインは避けるようにしましょう。コーヒーやお茶類、栄養ドリンクはもちろんのことチョコレート系のお菓子にもカフェインは含まれています。
2-3.ストレスを溜めすぎないようにする
ストレスは早期覚醒だけではなく、中途覚醒、入眠困難などすべての睡眠障害の原因となります。ストレスを溜めないことが最善ですが、非常に難しいでしょう。そのためストレスを発散できる方法を、各々で見つけることが大切です。
ここでは、ストレス解消できるおすすめの方法を4つ紹介します。
2-3-1.「ストレスコーピング」を意識する
ストレスコーピングの方法には、ストレスそのものに働きかけて問題を解決する方法と、ストレスに対する自分の考え方や感じ方を変える方法があります。
ストレスの大きさや種類によっても違いますが、「まず相手に働きかけて、変わらなければ自分が変わる」ことで、解決に結びつくかもしれません。大きなストレスを抱え込む前に、ストレスコーピングを意識して、解決する方法を見つけていきましょう。
2-3-2.ほっとできる居場所をもつ
気晴らし型コーピングと呼ばれます。
カラオケや温泉など、いわゆるストレス解消法といわれるものです。自分が心地よいと感じる居場所を見つけておきましょう。
2-3-3.日記などで自分を客観視する
日記を書くことで、今直面しているストレスの状況、その時の感情や気持ち、考えを客観的にみることができます。
自分の考えを客観的にみることでストレスに対して距離を置くことが出来る可能性があります。そして別の見方や考えを書くことで前向きな思考に変えられるかもしれません。その結果どのように変化したかも書いていくには、日記を利用するのも良いでしょう。
2-3-4.ストレスを解消できる趣味を見つけることが重要
ストレス解消できるならば、内容はなんでも大丈夫です。テニスやフットサルなどスポーツで気分転換ができる人もいますし、カラオケで大きな声を出すことでストレス解消ができる人もいます。
毎週のように行うと健康を害してしまう可能性がありますが、ほんのたまにバイキングなどで好きなものを思いっきり食べることもストレス解消の方法としては有効です。「これならばストレスが解消できる」という自分なりの趣味を見つけることも、ストレス発散するために重要です。
3.早期覚醒の他に早く目が覚めてしまう理由があるかも?
ここまでは、早期覚醒の自分でできる対処法を紹介してきました。
しかし早期覚醒が起きる場合は睡眠障害など、他にも「早く目が覚めてしまう理由」が隠れているのかもしれません。
早期覚醒の他に早く目が覚めてしまう原因を、4つ紹介します。
3-1.睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群では睡眠中に気道が閉塞し、一時的に無呼吸状態が起こります。
肥満やもともとの舌やのどの形状により発生しやすくなります。無呼吸が生じることで、脳は無酸素状態に対応するため覚醒します。そのためノンレム睡眠が阻害され睡眠の質が低下して、熟睡できなくなります。
無酸素状態により心臓への負担が増し、循環器系疾患のリスクも高まるため、医療機関で診察と治療を受けた方が良いでしょう。特徴としては大きないびきと無呼吸が断続的に繰り返されることなので、大きないびきを指摘されたことがある場合は、一度検査を受けると安心です。
3-2.むずむず脚症候群
むずむず脚症候群は、夕方から就寝する直前くらいに脚に虫が這うような不快感が生じる状態です。
不快感が非常に強いため、寝付きづらくなります。また就寝中にも不快感で起きてしまうことがあり、睡眠の質が低下し熟睡できなくなります。
むずむず脚症候群が起きる原因は、ドーパミンの分泌不足か鉄の不足と考えられています。治療にはやはり医療機関が頼りになるため、むずむずするような不快感に悩んでいるなら一度診察を受けましょう。
3-3.中途覚醒・入眠困難
早期覚醒は思ったよりも早く目覚めてしまう症状であるのに対して、中途覚醒は夜中に何度も起きてしまうこと、入眠困難は寝付きづらくなる睡眠の問題です。
入眠困難により睡眠時間が足りなくなったり、中途覚醒によりノンレム睡眠が阻害され睡眠の質が低下したりすることで、熟睡できず早期覚醒が引き起こされることもあります。
これらはドーパミンやセロトニンといった、脳の神経伝達物質の分泌量が減少しているため発生します。
3-4.うつ病
うつ病の症状は様々です。例えば、気分が落ち込んでやる気が出なかったり、特に理由がないのに悲しい気持ちになったり、仕事や勉強に以前ほど打ち込めなくなったり、注意力が散漫になったり、今まで好きだった趣味に興味が持てなくなったり・・・などがあります。
早期覚醒はうつ病の典型例の一つです。早期覚醒とともに気分の落ち込みなどうつ病が懸念されるならば、医療機関で診察を受けるようにしましょう。うつ病の患者が眠れないからと言って、市販の睡眠導入剤を用いると状態が悪化する可能性があります。うつ病の治療をしていく過程で、早期覚醒を初めとする睡眠障害が軽減することもあります。
4.程よい朝型は活動的になれる!
ここまでは早期覚醒の原因や関連症状について詳しく解説してきました。
睡眠時間はもちろん重要ですが、熟睡感があるならば睡眠時間が少なくても気にしすぎないことも大切です。
個々人によって必要な睡眠時間は異なります。8時間睡眠が必要な人もいれば4~5時間で足りてしまう人もいます。もし睡眠時間が足りていないなら、翌朝スッキリと目覚めることはまずできません。朝起きた時にスッキリとした熟睡感があるなら問題ないので。睡眠時間にこだわりすぎないようにしましょう。
ここでは朝型の人ならではのメリットを、2つ紹介します。
4-1.午前中に脳が活発化する
元気と関連があるものは「体温」です。朝型の人たちは、午前6時には体温が上がるため、活動を開始する準備が整った状態になります。朝型の人は、体温が上がり、活動モードに入ると目覚めるようになっているため、寝起きもよく、すっきりと活動を開始できます。
実際に、脳の働きがどうなっているのかを、朝型の人と夜型の人の脳をスキャンして比べてみると、午前中では夜型の人に比べ朝型の人のほうが脳の動きが活発になっていました。午前中にテストを受けた場合、朝型の人のほうが成績が良いことが報告されています。
4-2.健康的で病気になりにくい
朝型のメリットとしては、健康的で病気になりにくいということが挙げられ、実際にそのような研究報告もあります。
一般的には「9時出社、17時退社」のように朝からしっかりと活動する方が多いと思いますが、このような活動パターンの場合、朝型の人は夜型の人よりも睡眠時間を確保できる傾向にあります。睡眠と病気との関連も報告されていることから、満足な睡眠を得られている朝型の人は、病気になりにくい環境にいるといえます。
5.まとめ|早期覚醒は原因別に正しく対策しよう!
早期覚醒が起きる原因は様々です。早期覚醒は高齢者に多いですが、加齢によるものはあまり心配する必要がありません。
生活習慣やストレスが原因で早期覚醒が起きてしまう場合は、睡眠の質を高めるように、まずは生活習慣を改善しましょう。加えて適度なストレスの解消も大切です。
一方でうつ病など、ほかの関連症状が原因で早期覚醒を起こしている場合もあります。このような時は、放置するとさらに悪化してしまうかもしれません。市販の薬でどうにかしようとせずに、医療機関で診察を受けるようにしましょう。
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