うるさいいびき対策 原因と対応防止方法

いびきは多かれ少なかれ誰にでもあります。ただし自分ではなかなか気づけないものです。同じ部屋で眠る人に指摘されて初めて気づくという人もいるのではないでしょうか?いびき自体は決して病気ではありません。なぜいびきは起きるのでしょうか?そして対応する方法はあるのでしょうか?いびきに悩んでいる人に向けて解説します。
1.いびきの出るメカニズム
夜寝ている間に、音を出してしまういびき。音の大きさの程度はありますが、まったくいびきのない人はいないでしょう。昼間はいびきのような音は出ないのにも関わらず、なぜ夜間になるといびきは出てしまうのでしょうか?
1-1.どうしていびきが出るの?
いびきが出るメカニズムの一つは「気道が閉塞すること」です。例えばリコーダーなどの楽器は空気の通り道を狭くすることで空気抵抗が小さくなり、音が出ます。いびきが出る仕組みはリコーダーなどの楽器と同じです。
1-2.自律神経といびき
夜間、就寝中は人間の自律神経のうち「副交感神経」が優位になります。副交感神経は心身をリラックスさせて十分に休息するときに働きます。それと反対の働きをするのが「交感神経」で心身を興奮させて日中に仕事やスポーツをする時に働きます。夜間に働く副交感神経と、昼間に働く交感神経がシーソーのようにバランスを取りつつ働くことで人間は活動しています。
副交感神経は休息する際に働く神経ですので、全身の緊張を緩和させます。喉の筋肉の緊張も緩和されるため、仰向けに寝た際に舌が喉の奥の方に落ちて、気道が狭くなります。このため空気抵抗が増して、いびきの音が出るようになります。
1-3.いびきと健康の関係は?
いびきは基本的に健康に悪影響を及ぼしません。単純性いびきと呼ばれる一過性のいびきが健康リスクになることはあまりないでしょう。単純性いびきはお酒を飲んだときや疲労が溜まっている時(眠りが深くなっている時)、鼻がつまっている時など一時的にいびきが発生する状態です。毎日のように大きないびきが発生することがない場合はこれに当てはまります。
お酒を控えたり、疲労を回復させたりすると単純性いびきは自然と軽くなります。では単純性いびきのほかにはどのようないびきがあるのでしょうか?
1-4.大きいいびきは睡眠時無呼吸症候群の可能性あり
大きないびきが毎日のように発生する場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群はその名の通り、睡眠時に一時的に呼吸が停止することです。無呼吸は「気流(呼吸)停止が10秒間以上続くこと」と定義されています。この無呼吸が一晩に30回以上、もしくは1時間あたりに5回以上あれば睡眠時無呼吸症候群とされます。
睡眠時無呼吸症候群で無呼吸が発生すると、脳が酸素不足を感じて心拍数を増加させます。循環器に負担が掛かるほか、心身が半覚醒状態となり睡眠の質が低下してしまいます。睡眠時無呼吸症候群の具体的なリスクは次の項目で見ていきましょう。
2.いびきの健康リスクとは

いびき自体は大きな健康リスクにはなりません。ただし以下のような健康リスクや悪影響をもたらす場合があります。
2-1.騒音障害
睡眠時無呼吸症候群の人は一晩のうちに何度も無呼吸が生じます。いびきも大きく、長くなる傾向にあるため、同室で眠る人の睡眠時間を少なくしてしまうリスクがあります。睡眠時間がきちんと確保できないと、やはり人はイライラしてしまうため、人間関係にも悪影響が出る可能性があります。
2-2.睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群によるいびきが出ている場合、睡眠の質の低下が大きな問題となります。睡眠は脳が働いているレム睡眠と脳が休息をしているノンレム睡眠を繰り返しています。無呼吸が続くと脳は半覚醒状態となり、酸素不足に対処するために心拍数を増加させようとします。脳が一時的に覚醒状態になってしまうため、無呼吸の状態が続くとノンレム睡眠が阻害されて脳が十分な睡眠を取ることができません。事実、睡眠時無呼吸症候群の人は朝、起床したときに熟睡感がなく、スッキリ起きることが難しいです。
熟睡感がないだけではなく、日中の眠気も問題になります。睡眠の質の低下により、どうしても睡眠が不足してしまうため猛烈な眠気に襲われることもあります。特にバスやタクシー、トラックなど乗り物を運転する職業の人が睡眠時無呼吸症候群になると大きな事故に繋がる可能性もあります。
さらに無呼吸中は心拍数が高まるため、循環器系の負担も高まります。睡眠時無呼吸症候群は肥満や高血圧などと大きな関りがあるとされています。肥満や高血圧などのリスクを持つ人は健康な人よりも循環器系のリスクが高いため、睡眠時無呼吸症候群を併発することで健康リスクが大きく高まります。
3.いびきの対応方法とは?

いびきは単純性いびきならば、疲労や飲酒など原因を取り除けば自然と軽くなるため、そこまで気にしなくても構いません。どうしても気になる時は、仰向けで寝るのではなく横向きに寝てみるとよいでしょう。舌が喉の奥に落ちることを防げるので、いびきに対応できる可能性があります。ただし合わない寝姿勢で疲れてしまうのはよくないので、気を付けましょう。
3-1.睡眠時無呼吸症候群なら治療が必要
睡眠時無呼吸症候群はいびきが大きいだけのものではありません。睡眠の質の低下により、疲れが溜まっていったり、集中力や注意力が欠如したり、大きな事故の原因になったりすることもあります。循環器のリスクも高まるため、大きな健康リスクになります。
睡眠時無呼吸症候群が疑われるようならば、一度医療機関で診察を受けましょう。その結果次第では治療が必要です。睡眠時無呼吸症候群の診療科は耳鼻咽喉科ですが、可能ならば睡眠外来や睡眠センターが設置されている病院で診てもらうようしましょう。
3-2.睡眠時無呼吸症候群チェックリスト
以下のチェックリストにあるものは睡眠時無呼吸症候群の典型的な状態です。いくつか自覚や指摘があるようならば一度、診察を受けるようにしましょう。
・いびきが毎日のように起きる
・就寝中にいびきといびきが止まる状態が繰り返される
・就寝中、息苦しさで目が覚めることがある
・起床時に口が臭くなっている、乾いている
・熟睡感がない
・日中に眠気に襲われる
・集中力が散漫になる
4.まとめ
・いびきは気道が狭くなることで空気抵抗が増し、音が出るようになる
・いびき自体に健康リスクはあまりない
・ただし睡眠時無呼吸症候群が原因になっている場合、健康リスクとなる
・睡眠の質の極端な低下により日中の活動に支障が出ることも
・循環器の負担が増えることで、健康リスクも高まる
・睡眠時無呼吸症候群の自覚や指摘があるならば病院で診察を受けることが大切
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