加齢に伴う寝汗の理由は?その対策を考える

加齢に伴う寝汗の理由は?その対策を考える

嫌な寝汗の原因は、ストレスや運動不足、食生活の偏りなどさまざまですが、もしかしたら加齢が原因かもしれません。寝汗の具体的な対処法と、日々の生活や体調を整える根本的な解決手段をわかりやすく紹介します。

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寝汗は誰でもかくものです。でも、歳を重ねるにつれて、昔よりもその量が増えているように感じていませんか?朝起きたら下着がしっとりと湿っていたり、まくらが濡れていたりすると、なんとなく不安になってしまいますよね。

こうした寝汗の原因はひとつとは限らず、日々の生活のストレスや体に合わない寝具、体調の影響など、さまざまな要因が考えられます。一方で、歳を重ねたこと自体が寝汗の原因になることもあります。体調不良が原因の寝汗には注意が必要ですが、加齢が原因の寝汗は誰にでも起こる可能性があり、特別なことではありません。そこで今回は、加齢によって寝汗が増えてしまう理由とその対策について解説します。

1.なぜ年を取ると寝汗が増える?

汗が出る量は自分でコントロールできるものではなく、周囲の環境や体調によって自然に変化するものです。年を取ると寝汗が増えるのは、身体に備わった自然な機能が加齢により衰えたからかもしれません。ただし、寝汗の原因はさまざまであり、加齢が原因ではない可能性もあります。一般的な寝汗の原因について確認していきましょう。

皮膚表面と汗腺のイメージ図

1-1.寝汗は誰でもかくもの

年齢に関係なく、寝汗は誰でもかくものです。特に、代謝が活発な子どもや男性は、寝汗の量も多くなりがちです。人間は睡眠を取るときに一時的に体温を下げようとする仕組みを持っています。そのため、睡眠時に汗をかくことは自然な反応であり、特に問題となるようなことではないのです。

1日の体温変化

1-2.昔より汗かきになった…と感じる人は多い

寝汗自体は問題ではないといわれても、その量が多すぎれば気になってしまうものです。一般的には、加齢とともに汗を分泌する働きは低下するため、汗の量は少なくなるといわれています。しかし実際には、40歳を過ぎたあたりから、汗をかきやすくなったと悩む人が多くいます。ストレスや体調の変化などにより、汗の分泌量が異常に増えてしまうことがあるためです。

1-3.ストレスの影響

継続的にストレスを感じている場合、それが原因で寝汗が多くなっている可能性があります。ストレスなどの精神的な負担がかかると、自分の意思とは関係なく発汗を調節する機能が、不調になってしまうのです。加齢に伴い、仕事や家庭などでのストレスが増えたことが、寝汗につながっているのかもしれません。

1-4.肥満の影響

標準体重よりも明らかに体重が多く、BMI基準で肥満となっている場合、それが寝汗の原因になっていることもあります。若い頃よりも体重が増えた人は、そのために寝汗が増えているのかもしれません。また、肥満によって引き起こされる不調の場合にも、睡眠の質が低下して寝汗が多くなってしまうことがあります。

1-5.更年期のホルモンの影響

更年期とは、女性の閉経前後の約10年間を指す期間です。おおよそ40歳を過ぎたあたりから50歳代半ばまでが更年期となり、この期間にはホルモンのバランスが変わるため、体調を崩してしまうことがあります。その影響の一つとして汗の量が増えることがあります。なお、男性でも、40歳ごろから同じ状態になる人もいます。

女性ホルモン(エストロゲン)の変化

2.今日からできる!寝汗の対処法

寝汗の原因が判明したら、次はその原因に応じて対策を練っていきましょう。これから紹介する対策は、もちろん一つだけでも効果はありますが、無理のない範囲で組み合わせて対策していくのが効果的です。自分の生活に合わせて、無理なく実行できるものを考えてみてください。

2-1.就寝前はリラックスする

リラックスすることで、体は日中の活発な状態から、休息モードに切り替わります。興奮状態のままで布団に入ると、寝つきが悪かったり眠りが浅かったりして、ゆっくりと休むことができません。ぬるめのお風呂に入ったり、穏やかな音楽やラベンダーの香りで環境を整えたり、自分なりにリラックスできる環境を作りましょう。

2-2.寝室の温度と湿度を調整する

人間には、個人差がありますが、睡眠に最適な温度と湿度が存在します。何も身に着けずに眠るとすれば、睡眠に最適な室温は約29度といわれています。しかし、パジャマを着て布団で眠る場合は、この室温だと高すぎるため、夏ではおおよそ25度前後、冬では22度前後になるよう調整すると良いでしょう。湿度は季節に関係なく、50%程度が最適とされています。

2-3.吸湿性のよいパジャマや肌着を着る

睡眠時には、寝汗をしっかり吸収し、そして速やかに乾く素材のパジャマや肌着を着るようにしましょう。また、締め付けが強い衣服はストレスを感じる原因となり、心地よい睡眠を妨げます。ゆったりと余裕のあるパジャマを選びましょう。

2-4.速乾性のシーツを敷く

いつもの敷布団の上に、速乾性のシーツを一枚敷くのも効果的な対処法です。速乾性のシーツを敷くと、通常のシーツでは吸収しきれない汗も吸いとってくれて、高い通気性ですぐに乾くため、寝汗が出ても快適に眠ることができます。

2-5.汗をかきやすい箇所に薄手のタオルを敷く

局所的に寝汗がひどい場合は、汗をかきやすい箇所に薄手のタオルを敷いて受け止めてあげるのも良い対策となります。寝汗が出やすい箇所は人によって異なりますが、一般的には上半身に多く、頭部や首筋からの汗が多いようです。

2-6.熱のこもりにくいマットレスにする

寝具は良い睡眠をとるのに非常に重要な部分です。シーツを変えるのも大切ですが、根本的にマットレスまで自分に合ったものに変えるとより効果的でしょう。寝汗対策でマットレスを選ぶときは、吸湿性と乾きやすさに着目しましょう。また、通気性も大切なポイントになります。睡眠に最適とされている布団の中の温度は33度前後ですので、その温度を維持できるよう、熱のこもりにくいマットレスを選びましょう。

3.バランスを整えて寝汗を軽減しよう

体の機能の乱れや体調不良が原因で寝汗が出ているのであれば、バランスを整えることも効果的なアプローチです。体内環境を整えるためのコツを紹介します。

3-1.生活リズムを整える

バランスは、結局のところ生活リズムが一定であれば、整いやすくなるものです。おおよそ定まった時間に寝起きし、食事の時間を定め、定期的に運動の時間を取れば、バランスも次第に整っていくことでしょう。

3-2.食生活を改善する

食生活は、自分の体を左右する重要なもの。基本になるのはバランスの良い食事です。主栄養素である炭水化物・タンパク質・脂質のバランスを整え、ビタミンやミネラル類を摂取するために野菜も積極的に取りましょう。女性の場合は、特に納豆や豆腐、枝豆などの大豆製品を食べるようにすると、女性ホルモンに似た成分を含むため、体調を整えるのに役立つでしょう。

3-3.定期的に運動する

定期的な運動には、体の働きを調整する効果があり、体調不良の緩和にも良いとされています。特に、ウォーキングやヨガなどの有酸素運動が効果的です。1日に30分程度を目安に運動するとよいでしょう。

3-4.サプリメントをとる

バランス調整に必要な成分をそのままサプリメントで摂取することは不可能です。しかし、ほてりや寝汗に効果があると謳うサプリメントが販売されています。たとえば、ドンクアイ(当帰)や、アカツメクサなどは効果的だといわれています。

3-5.医療機関で診てもらう

自分の力だけでバランスを整えるのには、どうしても限界があるものです。困っているのなら、婦人科などの医療機関を受診すると、速やかに状態を改善できる可能性があります。医療機関ではバランスを整えるための具体的な指導や、薬の処方など、確実な対策を練ってくれます。

4.まとめ

寝汗は誰でもかくものですが、量が多すぎる場合、日常生活に問題があるのかもしれません。ストレスが多く不規則な生活をしていると、睡眠の質が低下して寝汗が増えてしまいます。また、加齢によってバランスの乱れが生じると、それが寝汗の増加につながります。まずは寝汗の具体的な対策として寝具を整え、睡眠の質を上げるための努力をしましょう。次に、生活を見直して睡眠の妨げになっているものを改善しましょう。バランスを整えるための行動をするのも、大切なことです。環境と体調を整え、寝汗に悩まされない快適な睡眠を手に入れてください。

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