- 1.寝ても疲れが取れないのはなぜ?
- 1-1.睡眠の質が悪く、ぐっすり眠れていない
- 1-1-1.ストレス
- 1-1-2.カフェインの過剰摂取
- 1-1-3.寝る前のスマホ、テレビ、パソコン
- 1-1-4.就寝直前の飲酒
- 1-1-5.就寝直前の入浴
- 1-2.疲れが溜まりやすい身体になっている
- 1-2-1.エネルギーが足りていない
- 1-2-2.過重労働で疲れが溜まりすぎている
- 1-2-3.貧血でエネルギー生産が行われない
- 1-2-4.更年期障害でバランスが乱れやすくなっている
- 1-2-5.うつでバランスが崩れている
- 1-2-6.運動不足で筋肉量が低下している
- 2.睡眠の質を高める方法
- 2-1.深部体温が高まる入浴をする
- 2-2.ベッドでは眠ること以外のことをしない
- 2-3.起床したら4時間以内に太陽の光を浴びる
- 2-4.夕方に軽い運動を行う
- 2-5.起床時間、就寝時間を一定にする
- 2-6.カフェインは15時までに
- 3.疲れにくい身体を作る方法5選
- 3-1.エネルギーをしっかり摂取する
- 3-2.適度な運動習慣で免疫力をつけておく
- 3-3.血流をよくする
- 3-4.バランスの取れた食事をする
- 3-5.市販の薬やサプリメントを使う
- 4.疲労を放置すると起こる悪影響
- 5.まとめ|正しく対処して「寝ても疲れが取れない」とはおさらばしよう!
寝ても疲れが取れない原因は?スッキリ目覚める方法もあわせて解説
「十分に睡眠時間を確保しているはずなのに疲れが取れない・・・」
このような悩みを持っている人もいるのではないでしょうか。睡眠は睡眠量だけではなく、睡眠の質が大事です。睡眠時間をしっかりと確保していても、睡眠の質が低下していると疲れが溜まって、寝ても身体がだるかったり、日中眠くなったりしてしまうこともあります。日頃の疲れをすっきり取って、気持ちよく休日を過ごすための睡眠スキルを身に付けましょう。
本記事では、寝ても疲れが取れない原因を詳しく解説しながら、睡眠の質を上げる方法や、疲れが溜まりにくい身体を作る方法など、スッキリ目覚める方法も紹介しています。ぜひ最後までお読みください。
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1.寝ても疲れが取れないのはなぜ?
人間に必要な睡眠時間には個人差があります。
4~5時間眠れば十分な人もいれば7~8時間寝ても疲れが取れないという人もいます。ただしいつも通りの睡眠時間を取っているはずなのに疲れが取れないということも十分にあります。その時にはなにが起きているのでしょうか?
寝ても疲れが取れない理由は「睡眠の質」が低下しているからです。睡眠の質はノンレム睡眠の長さによって左右されますが、カフェインの過剰摂取や日常的なストレスなどでノンレム睡眠が短くなってしまうと、夜中に起きてしまったり、朝早く起きてしまったりして睡眠の質が低下してしまうのです。
ここからは上記、寝ても疲れが取れない原因について、とってしまいがちな行動と共にそれぞれ詳しく解説します。
1-1.睡眠の質が悪く、ぐっすり眠れていない
人間の睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠があります。
ノンレム睡眠は脳も体も眠っている状態で、レム睡眠は脳が起きていて体が眠っている状態です。ノンレム睡眠とレム睡眠は交互に現れています。
就寝したばかりの時は深くノンレム睡眠をしています。ノンレム睡眠は明け方になり起床する時間が近づくにつれ、眠りの深さが浅くなり、時間も短くなります。一方でレム睡眠はもともと浅い眠りです。明け方になるにつれ眠りの深さはより浅くなり、時間が長くなっていきます。深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠の繰り返しで人間は夜、睡眠を取っています。
人間の睡眠で重要なのはこのノンレム睡眠です。ノンレム睡眠を深くできれば、より睡眠の質が向上し、休息効果が高まり心身ともに疲労が回復します。しかしなんらかの要因によりノンレム睡眠の質が低下すると、休息効果は弱まり寝ても寝ても疲れが取れないということになります。
睡眠の質が低下する原因は、主に以下の4つです。寝る前のスマホ操作などついついやってしまいがちですが、寝ても疲れが取れない場合は避けたほうが良いでしょう。
・ストレス
・カフェインの過剰摂取
・寝る前のスマホ、テレビ、パソコン
・就寝直前に飲酒する
1-1-1.ストレス
睡眠の質に最も影響するのがストレスです。
ストレスは交感神経を刺激して心身を緊張させてしまいます。ストレスを日常的に受けている人は就寝中も緊張して、眠りが浅くなります。ノンレム睡眠の質が低下してしまうほか、夜中に起きてしまったり(中途覚醒)、朝早く起きてしまったり(早期覚醒)してしまうことが多くなります。例えば就寝時間が23時で起床時間が6時だとしても、細切れで起きてしまうと睡眠は足りなくなってしまいます。
1-1-2.カフェインの過剰摂取
朝、コーヒーを飲むと頭がすっきりします。これはコーヒーに含まれるカフェインが脳を覚醒させるからです。夜までカフェインの影響が残っていると、寝付きづらくなったり眠りを浅くしたりする働きもあります。
15時くらいまでに飲むならばあまり問題はないでしょうが、その時間以降にカフェインを摂取してしまうとスムーズに眠気が現れないこともあります。
1-1-3.寝る前のスマホ、テレビ、パソコン
寝る前にスマホやテレビ、パソコンを使ってしまうと、強い光により目が冴えてしまいます。特にベッドに入った後はこれらの機器は使用せず、目をつぶってリラックスするようにしましょう。ベッドの中でスマホ等をいじるのが習慣化すると寝付きが悪くなります。
1-1-4.就寝直前の飲酒
就寝直前の飲食は消化・吸収のために頭が働き、目が冴えてしまいます。就寝直前に食事をしてしまうと翌日の胃もたれや肥満にも繋がるため避けた方が良いでしょう。
どうしても小腹が減っている場合は、消化のよいうどんや野菜スープなどで軽く済ませるのがおすすめです。
1-1-5.就寝直前の入浴
就寝直前の入浴は体の深部体温を高めてしまいます。人間が眠る際は深部体温が下がる必要があるため、入浴してすぐはどうしても寝付きづらくなります。入浴をするなら就寝する90分ほど前にすると、ちょうどよく深部体温が下がり寝付きやすくなります。
1-2.疲れが溜まりやすい身体になっている
睡眠をしっかりとっているにも関わらず疲れが取れない場合、そもそも疲れが溜まりやすい身体になっているかもしれません。運動不足で筋肉量が低下していたり、ついつい忙しくて食事を抜いていたりすると、身体に疲労が溜まってしまいます。こうした状態が続くと、睡眠時間を確保しても疲れが取れにくくなります。
ここでは、疲労が溜まりやすい身体になってしまう原因を6つ解説します。
1-2-1.エネルギーが足りていない
食事として摂取した糖質、タンパク質、脂質は消化器で分解され、エネルギー源となります。人間がエネルギーにできるのはこの三大栄養素だけです。
肥満や生活習慣病が問題となり、特に糖質や脂質は摂取を避けられる傾向にあります。しかし糖質は脳のエネルギー源となり、脂質は効率のよい身体のエネルギー源となります。
ついつい忙しくて食事を抜いてしまったり、糖質・脂質を極端に制限したダイエットを行ったりすると、エネルギーが不足してしまうことがあります。エネルギーが不足すると細胞内のミトコンドリアもATPを作ることができず、疲労が溜まっていきます。
1-2-2.過重労働で疲れが溜まりすぎている
「疲れ」を感じるということは、心身の限界を脳がアラートしているということです。疲れを感じているのに働き続けてしまうと、無理をしている状態となり、疲れがどんどん溜まっていきます。適度な労働ならば3食しっかりと食べてエネルギーを補給し、7~8時間程度の睡眠時間を確保すれば、次の日には疲れが取れています。
しかし過重労働をしていると、疲れの度合いが大きくなるため、多少エネルギーを補給したり睡眠を取ったりする程度では回復しきれなくなります。
1-2-3.貧血でエネルギー生産が行われない
血液は全身に酸素を運ぶ働きをします。
貧血は血液の中の酸素を運ぶ役割をするヘモグロビンの数が減り、酸素の供給量が減少してしまう病気です。酸素は細胞がエネルギーを作るために必要になる物質です。酸素不足になることでエネルギーの生産が十分に行われず、体が疲れた状態になってしまいます。
貧血を防ぐためには、鉄分を日ごろから意識して摂取することが必要です。女性は生理があるため出血により、鉄分が不足しやすいです。そのため日ごろから食事に気をつけたり、サプリなどで補ったりするとよいでしょう。
1-2-4.更年期障害でバランスが乱れやすくなっている
女性は30代後半から50歳くらいにかけて、徐々に女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減少していきます。女性ホルモンのバランスが崩れることで心身に様々な不調が生じるのが更年期障害です。
心身が女性ホルモンのバランスの乱れに対応するために様々な無理をします。その際、エネルギーが使われ疲労感や倦怠感が生じるようになります。疲労感・倦怠感は更年期の女性の7割が感じる、更年期障害の典型的な症状です。
1-2-5.うつでバランスが崩れている
うつになると精神的な落ち込みにより、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れて、心と身体に疲労が現れます。また食欲も低下する傾向にあり、エネルギー不足による疲労が起きやすくなります。
1-2-6.運動不足で筋肉量が低下している
運動不足が続くと、筋肉量が低下していきます。筋肉は熱を生産するため、消費するエネルギーも多くなります。
運動不足が続くと身体が「ここまでの筋肉はいらない」と判断して、消費エネルギーを少なくするため筋肉量を低下させてしまいます。筋肉量が低下していくと、少しの動きだけでも疲れやすくなります。最低限、日ごろから筋肉量が低下しない程度の運動をすることが大切です。
2.睡眠の質を高める方法
ここまででは、寝ても疲れが取れない原因について「睡眠の質」「疲労が溜まりやすくなる身体」を解説しました。
ここからは睡眠の質を高める6つの方法について解説します。
・深部体温が高まる入浴をする
・ベッドでは眠る以外のことをしない
・起床したら4時間以内に太陽の光を浴びる
・夕方に軽い運動を行う
・起床時間、就寝時間を一定にする
・カフェインは15時までに
2-1.深部体温が高まる入浴をする
突然ですが、就寝する際に人間の体温は高くなると思いますか?それとも低くなると思いますか?
実は意外なようですが、人間が眠る際には体温、特に体の内部の深部体温が低くなる必要があります。そのためスムーズに入眠して、ノンレム睡眠を深くするためにはまず深部体温を高めて、そこから急激に下げていくことが有効です。
深部体温の調整に効果的なのは入浴です。40度程度のお湯に15分程度浸かることで、深部体温は高くなります。深部体温は90分ほどで下がっていくため、就寝時間の90分前までに入浴を済ますことで、スムーズに眠ることが可能になり、ノンレム睡眠も深くなります。もちろん水分補給も大事です。体を冷やしすぎないように、常温の水を入浴後に飲むのがよいでしょう。
2-2.ベッドでは眠ること以外のことをしない
ベッドに入るとついついスマホをいじったり、ベッドライトをつけて本を読んだりしてしまうと思います。しかし電子機器の強い光を見たり、頭を使う本を読んだりすると脳は覚醒に近づいてしまいます。
睡眠の質を高めるためには、ベッドでは横になって眠ること以外しないようにするとよいでしょう。しばらくこの習慣を続けると体がベッドに入る=眠るということを覚えて、入眠しやすくなります。
2-3.起床したら4時間以内に太陽の光を浴びる
人間の脳は覚醒してからおよそ16時間後にメラトニンという睡眠のホルモンが分泌され、眠くなります。朝6時に起きる人ならばだいたい22時くらいにまた眠気が誘発されるというイメージです。質の良い睡眠のためには規則正しい生活が必要なのはこれが理由です。
太陽の光を浴びると、脳が覚醒してまた16時間後に眠気が誘発されます。できるだけ起床してから1時間以内に浴びるようにすると、規則正しい生活リズムとなります。休日などでもう少し眠りたいという場合でも可能な限り、普段の起床時間の4時間以内に太陽の光を浴びるようにしましょう。
2-4.夕方に軽い運動を行う
入浴の項目でも解説しましたが、人間が眠る時には体の深部体温を下げる必要があります。日中の活動により、深部体温が上がっていれば就寝するまでに下がり、質の良い睡眠に繋がります。
夕方の16時から20時くらいまでの間に軽く汗ばむ程度の運動を行うと、深部体温が高まります。その後、食事や入浴などさらに深部体温を高めるとより深い眠りにつきやすくなります。夕方から就寝90分ほど前までに深部体温を高め、そこから下げることで熟睡できるようになります。
2-5.起床時間、就寝時間を一定にする
人間の脳は基本的に規則正しく生活をするようになっています。起床してからおよそ15時間で眠気が誘発されるように、脳は「だいたいこの時間に起きてこの時間に眠る」というスケジュールをパターン化しています。起床時間と就寝時間を一定にすることで、規則正しく眠気が誘発され睡眠の質が高まります。
2-6.カフェインは15時までに
頭をすっきりさせるのにカフェインは有効です。しかし頭を覚醒させてしまうので、ぐっすりと眠るためにはよくありません。コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインが入った飲み物は15時くらいまでにして、それ以降はノンカフェインの飲み物を飲むようにしましょう。
3.疲れにくい身体を作る方法5選
疲れを溜めず、元気でいるためには身体づくりが必要です。疲れを溜めがちと感じたら、以下のようなポイントを意識してみるとよいでしょう。
・エネルギーをしっかり摂取する
・適度な運動習慣で免疫力をつける
・血流をよくする
・バランスの取れた食事をする
・市販の薬やサプリメントを使う
ここからはひとつずつ、具体的な行動やポイントとあわせて丁寧にご紹介します。
3-1.エネルギーをしっかり摂取する
糖質制限や脂質制限を行うと、エネルギーが不足して疲労が溜まりやすくなります。極端に食事制限をするのは避けて、しっかりと炭水化物、タンパク質、脂質を摂取することを意識しましょう。
肥満になることが心配ならば、ご飯を少なめにする、調理法を揚げ物ではなく焼きや煮物にする、肉より魚を中心に食べることを意識すれば問題ありません。
3-2.適度な運動習慣で免疫力をつけておく
運動をする習慣がないと、知らず知らずのうちに筋肉量が低下していきます。筋力が足りないと些細なことで疲労を感じやすくなります。
筋肉量が少ないと体温が低下して免疫力が下がり、体が疲れたタイミングで風邪を引きやすくなるというデメリットもあります。適度に運動をすることで筋肉が落ちないようにすることが大切です。
3-3.血流をよくする
筋肉に溜まった疲労物質は、血流に乗り流れていきます。反対に血流が悪いと疲労物質が筋肉に残りやすくなり、全身の倦怠感が長く残ります。
疲労を回復させるためには血流をよくすることが重要です。具体的には、入浴やストレッチ、こまめな水分補給が有効です。
3-4.バランスの取れた食事をする
疲れにくい身体になるには、まずは栄養がしっかり摂れていることが大切です。そもそも身体活動を支えているのは、食事による栄養です。これが不足すると、体の働きが滞ってしまい、疲れやすくなります。
タンパク質・脂質・炭水化物の三大栄養素をバランスよく摂取し、ビタミン・ミネラルの不足が起きないようにすることで、効率よく疲労の回復ができる体をつくれます。
3-5.市販の薬やサプリメントを使う
疲労を軽減する市販の薬やサプリメントが販売されているので、普段から積極的に使用することも有効な手段です。
特に疲労を和らげるとされるものは、ビタミンCやオルニチンを含んだ製品です。また、BCAAやクエン酸などは、疲労回復に効果的なアミノ酸といわれています。逆に、カフェインを多く含む製品は、一時的に疲労感をごまかしてくれますが、その効果が切れた時には逆に疲れを強く感じるため、注意が必要です。
4.疲労を放置すると起こる悪影響
「寝ても疲れが取れない」状態を放置しておくと、身体の免疫が低下してしまい、心身共に悪影響を及ぼします。
人間の体内は疲労状態の時、血液中の活性酸素が増加します。これにより正常な身体の活動が邪魔されてしまうのです。その結果、寝つきが悪くなったり、感情的になったり、脳の機能が低下することも知られています。
また睡眠の質が低かったり、睡眠時間が不足してしまったりしていて、睡眠負債の蓄積により状態が悪化すると、心身ともに影響が出てしまいます。具体的には、記憶力、コミュニケーション能力、判断力、集中力、思考力、計算能力、モチベーションなどがすべてダウンし、何をやってもやる気が出ない、失敗するという事態に陥ります。
疲労を感じていても、いろいろな理由で休めない人がいます。ですが、疲労は体からの大切なサイン。少しの無理なら後から回復できても、無視ばかりしていると、何らかの大きな病気の原因となってしまうかもしれません。
5.まとめ|正しく対処して「寝ても疲れが取れない」とはおさらばしよう!
寝ても疲れが取れないと感じる原因は様々ですが主に3つ、睡眠が不足していること、睡眠の質が低下していること、疲れが溜まりやすい身体になっていることが考えられます。疲れが取れないと感じる原因や行動を特定して、正しく対処することが重要です。
次の日に備えて疲労を癒す対処法は、十分な睡眠時間を確保して疲れを残さないことが最良です。ただし睡眠量の確保だけでは疲れが取れないと感じる方は、「睡眠の質を高めること」「疲れにくい身体を作ること」を意識した生活習慣を送ってみましょう。
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