スクワットダイエットの効果・正しいやり方徹底解説

スクワットダイエットの効果・正しいやり方徹底解説

なぜスクワットダイエットが効果的なダイエット方法だといわれるのか。その理由と具体的な方法についてご紹介します。

目次

1.スクワットダイエットとは

スクワットダイエットとは、その名の通り、スクワットのエクササイズを取り入れることで身体のダイエットを目指す方法です。今、このスクワットダイエットが短期間で効率よくダイエットできる方法として注目を集めています。なぜスクワットダイエットが効果的なダイエット方法だといわれるのか。その理由と具体的な方法についてご紹介します。

2.ダイエットを成功させるには基礎代謝量アップがカギ

そもそもダイエットを成功させるにはどうしたらいいのでしょうか。ダイエットを成功させるには、1日の消費エネルギーが食事による摂取エネルギー量を上回らないといけません。人間の1日のエネルギー消費量は、基礎代謝、生活活動代謝、食事誘導性熱代謝からなりますが、一番大きい代謝は全体の60~70%を占める基礎代謝です。基礎代謝とは、内臓を動かしたり、体温を維持したりなど生命を維持するために消費される必要最低限のエネルギーのことです。ただ寝ているだけでも消費されるエネルギーなので、食事、運動管理に加え、この基礎代謝量を増やすことができれば「太りにくく、痩せやすい身体」になります。
厚生労働省の調べによると、例えば体重70kgで1日の基礎代謝量1700kcalの人の場合、1日のエネルギー代謝量器官別トップ3は、①骨格筋370kcal(基礎代謝量の22%)、②肝臓360kcal(基礎代謝量の21%)、③脳340kcal(基礎代謝量の20%)です。つまり基礎代謝量を増やすには、身体器官の中で最もエネルギー代謝量の大きい骨格筋(筋肉)の量を増やすことが早道といえます。

エネルギー代謝量の比率 骨格筋22% 肝臓21% 脳20% 心臓9% 腎臓8% 脂肪組織4% その他16%

引用元:厚生労働省、”加齢とエネルギー代謝”、e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html(参照2017/12/25)

「運動や食事制限をしているのに以前より効果が出にくい」「昔と比べて痩せにくくなった」と思ったことはありませんか。それは歳を取るにつれて骨格筋が減少し、基礎代謝量が落ちていくから。筋肉量を増やして基礎代謝量を上げ、エネルギーを効率よく消費することがダイエットを成功させるための押さえるべきポイントです。

2-1.スクワットダイエットが効果的な理由

では、筋肉量を増やしてダイエットするには、どんな筋トレ方法が有効なのでしょう。今、効果が高いと注目を集めているのが「スクワットダイエット」です。

2-1-1.スクワットはBIG3のひとつ

数多くあるトレーニング方法の中で、アスリートが率先して行っている「BIG3」と呼ばれる3つの種目があります。ベンチプレス、デッドリフト、そしてスクワットです。

ベンチプレスは大胸筋(胸)、上腕三頭筋、肩をメインで使い、体幹を安定させるために腹筋、背筋を使います。

ベンチプレス1
ベンチプレス2

デッドリフトは大臀筋(お尻)、ハムストリング(太もも裏)、脊柱起立筋、広背筋(背中)、僧帽筋、大腿四頭筋(太もも前)、菱形筋(菱形筋)を使います。

デッドリフト1
デッドリフト2

そしてスクワットは、大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋など下半身の筋肉全体と腹直筋、外腹斜筋を使います。

スクワット1
スクワット2

この「BIG3」に共通しているのは、「大きい筋肉を鍛える」という点です。胸・背中・下半身の筋肉のような身体の中でも大きい筋肉から鍛えた方が、トレーニング後の基礎代謝の向上も見た目の変化も期待できます。中でもスクワットで使う太ももの筋肉は特に大きく、一番カロリーを消費します。つまりスクワットは、筋トレの中で最もカロリーを消費できて、効率よく筋肉量を増やすことができる筋トレ方法といえます。

引用元:荒川孝行、岡田隆、“第1章BIG3とパワーリフティング競技”、スクワット・ベンチプレス・デッドリフト 完全攻略!パワーリフターに学ぶBIG3パーフェクトメソッド,ベースボール・マガジン社B.B.MOOK1309,4-15ページ

3.スクワットダイエットの正しいやり方

スクワットダイエットが身体のシェイプアップに有効であるということはご理解いただけたと思います。しかし、正しいやり方でスクワットをしないと、十分な効果を得られません。ここでは、効果的な正しいスクワットのやり方をご紹介します。

3-1.スクワットの正しいフォーム

基本のスクワットのやり方は次の通りです。
ポイントは息を止めないことです。息を吸いながら腰を落とし、吐きながら立ち上がる、ゆっくりとした動作を心掛けましょう。

① 足は肩幅より少し広めに開きます。
② 足の爪先は真っ直ぐよりも少し外側を向けます。

スクワットの正しいフォーム1

③ 股関節も曲げてお尻を真下に落とすイメージで膝を曲げます。

スクワットの正しいフォーム2

④ お尻を後ろに突き出し、膝が爪先より前に出ないように椅子に座るイメージです。
⑤ 顔を上げ、胸を張り、背筋を伸ばしましょう。

スクワットの正しいフォーム3

⑥ 太ももと床が平行になるまで腰を落とします。

スクワットの正しいフォーム4

⑦ 腰を軽く曲げたところまで立ち上がります。

スクワットの正しいフォーム5

3-2.スクワットをするときの膝の角度

スクワットは膝を曲げる角度によって5種類に分けることができます。

① クォータースクワット:浅めに腰を落とすスクワット
② ハーフスクワット:両ひざの内側の角度が90°程度になるまで腰を落とすスクワット
③ パラレルスクワット(推奨):太ももと地面が平行になるまで腰を落とすスクワット
④ フルスクワット:腰を落とせるところまで落とすスクワット
⑤ フルボトムスクワット:さらに腰を落とす、最大可動域のあるスクワット

スクワットをするときの膝の角度

ひざを曲げる角度によって、筋肉にかかる負荷の大きさが変わります。ひざを曲げるほど筋肉の可動域が広がり、筋肉にバランスよく負荷がかかります。逆に、ひざをあまり曲げないと負荷は軽くなり、大殿筋(お尻)やハムストリング(太もも裏)への刺激も少なくなります。
フルスクワットは負荷が大きくひざを痛めやすいと思われがちですが、実はパラレルスクワットより安全です。フルスクワットの場合、膝を伸ばし始めると筋肉に負荷が分散されますが、パラレルスクワットは、膝に負荷が集中してしまうのです。
ただしフルスクワットは正しいフォームを崩しやすいというデメリットがあります。なので、まずはパラレルスクワットから始めて、正しいフォームをマスターした後、フルスクワットなど他のスクワットにトライしましょう。

3-3.スクワットの回数

フィットネスの分野において世界共通の資格のひとつに、「Certified Strength & Conditioning Specialist:CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)」という資格があります。ここでは、日本でトップクラスの資格であるこのCSCSが推奨している、トレーニングの目標別の回数をご紹介します。

トレーニング目標 負荷 目標反復回数 セット 休息時間
(インターバル)
筋力 ≧85 ≦6 3~5 2~5分
パワー 80~90 1~2 3~5 2~5分
一回の最大努力
複数の最大努力
75~85 3~5    
筋肥大 67~85 6~12 3~6 30秒~1.5分
筋持久力 ≦67 ≧12 2~3 ≦30秒

引用元:Thomas R.Baechle(著),Roger W.Earle(著),金久博昭(監修),岡田 純一(監修)、NSCA決定版 ストレングストレーニング&コンディショニング第3版

ダイエットに必要な代謝アップ、シェイプアップは筋肥大(筋発達)によるものです。筋肥大が目的のトレーニングは1セット6~12回(最大筋力の70~80%)くらいが効果的だといわれています。6~12回で限界を感じるくらいの負荷で、1セット6~12回を3~6セット行います。1セット行うごとに30秒~90秒のインターバルをとりましょう。

3-4.スクワットの頻度

筋肉は負荷をかけた運動をすると筋線維の一部が破断します。その後破断した筋繊維が修復されると、もとの筋線維よりも少し太くなります。これを「超回復」といいます。筋トレは、この「超回復」を利用しています。トレーニング(破断)と休息(回復)を繰り返して筋肉を太くし筋力を上げていくのです。
トレーニングの後は必ず回復のための休息時間が必要です。トレーニングの間隔が短すぎると筋肉の修復が間に合わなくなり、筋肉が落ちてしまいます。トレーニングをするときは、2日~3日間隔を空けながら、自分のペースで継続することが大切です。

4.部位別に効果的なスクワットの種類

スクワットダイエットは全身のシェイプアップ、特に下半身の引き締めに効果的です。さらに「脚を引き締めたい」「ぽっこりお腹を解消したい」など、目的にあわせて少し工夫すれば、より理想の身体に近づくことができます。ここでは目的別スクワットのやり方をご紹介します。

4-1.ヒップアップに効果ありのスクワット

スクワットは、大腿四頭筋(モモの前)、ハムストリングス(モモの裏)、大臀筋など下半身の筋肉全体を使うので、引き締まった上向きヒップを目指したい方にはピッタリの筋トレ方法です。足幅をより大きく開くスクワット「ワイドスタンススクワット」は、大殿筋(お尻)や内転筋(内モモ)が特に鍛えられるので、より高い引き締め効果が期待できます。

ヒップアップに効果ありのスクワット

4-2.足の引き締めに効果ありのスクワット

スクワットは、脚の開く幅によって使う筋肉が変わります。引き締めたい部分の筋肉をより使うスクワットをすると効果的です。

4-2-1.内モモを重点的に引き締めたい方は

足幅を大きく開く「ワイドスタンススクワット」がおすすめです。大殿筋や内転筋がより鍛えられます。憧れの「太もものすきま」をゲットできるかもしれません。

4-2-2.脚全体を引き締めたい方は

足幅を小さく開く「ナロースタンススクワット」がおすすめです。大殿筋や内転筋の負荷が軽くなる分、大腿四頭筋を集中的に鍛えることができます。全体により引き締まり、見た目も美しい美脚が目指せます。

脚全体を引き締めたい方は

5.相撲スクワットとは

相撲スクワット(四股)は究極の股関節柔軟化ストレッチです。股関節周囲のインナーマッスルを鍛え、身体の軸を作ります。ヒップアップよりも太ももをスッキリ見せたいという要望に応えるスクワットです。

5-1.腹筋に効果ありのスクワット

両手両腕を肩の位置まで上げてまっすぐ前に伸ばし、顔を上げることを意識しましょう。姿勢が起きた状態を自然に保ちながらスクワットを行うことができます。胸を張って、上体をしっかり支えた状態が保てるため、腹筋群、背筋群のトレーニングにもつながり、お腹の引き締め効果が高まります。

腹筋に効果ありのスクワット

5-2.運動初級者向けのスクワット

ひざに不安のある方やスクワット初心者の方には、高齢者向けの運動療法にもよく用いられる「椅子スクワット」がおすすめです。やり方は次の通りです。
① 適切な高さの椅子を身体の後ろに置きます。
② 椅子の前で両脚を肩幅に広げます。顔を上げ、背筋を伸ばします。
③ 息を吸いながらゆっくりと膝を曲げ、お尻が椅子に触れるまで腰を下ろします。
④ お尻が椅子に触れたら、一旦静止します。
⑤ 息を吐きながらゆっくりと立ち上がります。③~⑤を繰り返します。

運動初級者向けのスクワット1

椅子をつかったスクワット

6.スクワットダイエットをするときの注意点

6-1.関節を痛めないポイント

スクワットはシェイプアップにもっとも効果的なエクササイズのひとつですが、正しい姿勢でスクワットをしないと、膝や腰を痛めてしまう恐れがあります。
そこで、以下の膝や腰を痛めない3つのポイントを覚えておきましょう。

① 膝を曲げる向きはつま先と同じ方向にする。

関節を痛めないポイント1

② 膝がつま先より前に出ないようにする(膝を曲げるというより、お尻を後ろに引くイメージ)。

関節を痛めないポイント2

③ 膝を曲げても腰は曲げずに背筋が伸びた状態を保つ。

関節を痛めないポイント3

【初心者・女性向け】正しいスクワットのフォーム、やり方解説はこちら

6-2.筋肉痛について

「筋肉痛がある=効果が出ている」という訳ではありません。「筋肉痛がない=効果が出ていない」という訳でもありません。
筋肉痛は、筋肉の使い方や使う筋肉によって、起きたり起きなかったりします。運動する人の体質、過去の運動経験、持っている筋組織によっても異なります。ここでは、そんな筋肉痛のケア方法をご紹介します。

6-2-1.ビタミンB1、カルシウムを多く摂取

筋肉痛を緩和するには、豚肉、ウナギ、カレイなどビタミンB1を多く含む食物、牛乳、乳製品、ワカサギなどの小魚、小松菜、ヒジキなどカルシウムを多く含む食物を食べると効果的といわれています。

6-2-2.有酸素運動が効果的

また、調子を見ながら少し体を動かしてみることが必要です。急激な運動はさらに筋肉を傷めてしまうので軽めの有酸素運動がいいようです。
有酸素運動をすることで、血液の循環がよくなり、溜まった乳酸を放出しやすくなります。軽いウォーキングやランニングなど、無理しない程度に運動しましょう。

6-2-3.ストレッチも効果的

縮んだ筋肉を伸ばし、血流を良くするために、食事とお風呂上がりのストレッチも有効です。しかし、急激に伸ばしてしまうと、返って筋肉が縮こまってしまうので、徐々に伸ばしましょう。

6-2-4.しっかり休息を取ることが大事

筋トレの強度によって、筋肉痛の度合いや長さは異なります。しっかりとしたトレーニングで追い込んだのにもかかわらず、非常に短期間で筋肉痛が治まってしまうケースや筋肉痛が出ないケースなどもあります。「筋肉痛がない=筋肉が超回復した」と思ってしまいがちですが、筋肉の完全な超回復には十分な休憩が必要不可欠です。筋肉が超回復をしていないと、シェイプアップもしにくくなりますので、しっかり休息を取りましょう。
筋肉痛には、どれくらいで治るという目安はありません。運動不足の人は筋肉痛になりやすく、なかなか疲れが抜けず長引きがちです。
十分な強度で筋トレをしたら、トレーニング後最低でも2~3日の休息が必要です。ペースを考慮して、休むまたは鍛える部分を変えることが大切です。

7.アメリカで大人気!30日スクワットチャレンジとは?

今注目を集めている30日スクワットダイエットとは、スクワットだけでウエストを絞り、太ももを引き締め、ヒップアップを目指すエクササイズ法です。短期間(30日間)で種目をスクワットに絞っていることが特徴で、自分が立つスペースさえあればどこでもできるという利点があります。
初日なら30回または50回。30日スクワットチャレンジは、その日にこなすべきスクワットの回数が定められています。
初日から50回やるのは大変そうですが、例えば朝20回、昼10回、夜20回と分けてもOKなので、意外とできてしまいます。
基本的にはいつ行ってもよいのですが、満腹時だけは避けましょう。身体が食事の分解に全力を注いでいるため、充分な筋トレ効果を得られません。

今注目の30日スクワットチャレンジとは?

9.一番大事なのは、楽しみながら続けること

スクワットダイエットを始めて効果が出るまでの期間には個人差があります。体重が減る、足が引き締まってくるなど少しでも効果が出始めると、自然とやる気も起きますが、まずは効果を実感できるまで続けることが課題です。「反復性の原則」といって、トレーニングはある程度の期間続けないと効果は出ませんし、効果が出たからといって止めてしまうと、折角シェイプアップした身体も元に戻ってしまいます。だから、筋肉量を増やして新陳代謝をあげること、そしてトレーニングを続けることが大事なのです。無理してつらい筋トレをしても続きません。「楽しみながら続けること」が一番大事です。

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