寝起きで首が痛いのは寝違え?ストレートネック?対処法も解説

首が痛い…「ストレートネック」「寝違え」など、原因チェック

首の痛みは寝違えやストレートネック、肩こりなど様々な原因により発生します。
首には非常に多くの、しかも重要な神経が通っているため、首の痛みを放置してしまうと神経が障害されて思わぬ症状が現れることがあります。

本記事では、首の痛みの原因を7つ紹介するので、自分に当てはまる症状はどれなのか、目安としてチェックしてみてください。

睡眠時や起床時、なんだか首や肩がつらい...とお困りではありませんか?

もしかしたらその原因は「合わない枕を使っている」ことにあるかもしれません。

合わない枕を使い続けることで、肩や首への負担をはじめ、様々な不調を引き起こす他、「寝ているはずなのになかなか疲れがとれない...」と、快眠を妨げる原因にも繋がります。

もしも現在そんなお悩みをお持ちであれば一度枕の見直しをおすすめします。

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目次

1.寝起きに首の痛みがある時の主な原因は7つ

首は様々な神経や動脈、静脈が通っている部位です。非常に複雑な構造をしているため、様々な原因で首の痛みが生じます。

起床時に首が痛い場合、ほとんどは無理な姿勢による寝違えであることが多いです。しかし腕に痺れを感じる場合は椎間板ヘルニア、交通事故などの強い衝撃を受けた覚えがある場合は靭帯損傷などが考えられます。

本章では症状別に、首の痛みがある場合の代表的な原因を解説します。「自分の首の痛みは何なんだろう…」と不安に思う方はぜひご覧ください。

・寝違え
・ストレートネック
・外傷
・椎間板ヘルニア
・肩こりに付随する首の痛み
・筋肉痛
・枕が合っていない

1-1.寝違え

朝、起きたときに首が痛くなっている場合は寝違えの可能性が高いです。寝違えは朝目覚めたとき、首に強い痛みが生じている状態です。痛みの度合いは強弱があり、首を動かすと痛みを感じる程度のものから、非常に強い痛みで首を一切動かせないようなものまであります。寝違えが起きる明確なメカニズムは解明されていませんが、就寝中の無理な姿勢が一つの原因とされています。無理な姿勢により、首の一部の筋肉への血液の供給が滞り、しこりとなり目覚めたときに痛みが生じるとされています。

寝違えは早急に病院で診察を受ける必要はありません。数時間のうちに痛みが緩和してくるため、経過観察で大丈夫です。ただし、寝違えの痛みが数日たっても続いたり、非常に強い痛みが生じている場合は別の病気の可能性があるため病院での診察が必要になります。

1-2.ストレートネック

「姿勢が悪い」「猫背だね」と指摘されることがある場合、首の痛みの原因はストレートネックにある可能性が高いです。ストレートネックでは首の痛みのほかに眼精疲労や頭痛、腕や手の痛みが生じます。首の痛み、姿勢の悪さに加えてこれらの症状があるならばほぼストレートネックが原因によるものと考えられます。

ストレートネックは日常的に猫背など不自然な姿勢を続けることで、頸椎がまっすぐになってしまった状態のことを指します。頸椎は正常ならば緩いくの字を描いていますが、まっすぐになってしまうと頭が前に飛び出た前傾姿勢となります。

この姿勢になると頭部の重さがすべて首や頸椎にかかってきます。首の筋肉がこわばり、肩や首の痛みに繋がるほか、神経を害して手や腕のしびれ、頭痛、眼精疲労などを引き起こすこともあります。ストレートネックは合わない枕や猫背の状態でのデスクワーク、スマートフォンの長時間の使用などが原因となります。まずストレートネックにならないように日常生活の姿勢を見直すのが重要です。

1-3.外傷

交通事故や高所からの落下のように首に大きな衝撃を受けた覚えがある場合、靭帯を損傷している可能性があります。靭帯を損傷した場合、長期間にわたって痛みやしびれが持続することがあります。また首だけではなく頭痛や腕のしびれも現れるようになります。頸椎を安静にさせ、消炎湿布薬などを用いることで治癒も早まるので、病院で診察を受けることが重要です。

強い衝撃を受けると首の骨と骨をつないでいる靭帯が損傷を受けます。頸椎の靭帯が捻挫を引き起こすと、長期間の痛みや頭痛、めまいが引き起こされることがあります。

1-4.椎間板ヘルニア

腕に痺れがある場合、頸椎椎間板ヘルニアの可能性も考慮して早めに病院で診察を受けることが必要です。

椎間板とは骨と骨の間のクッションの役割をする器官です。この椎間板が何らかの原因により骨と骨の間から飛び出た状態を椎間板ヘルニアと呼びます。頸椎の椎間板ヘルニアを頸椎椎間板ヘルニアと呼び、飛び出した椎間板は神経を刺激して首に痛みを引き起こします。また首だけではなく腕にも痛みやしびれを引き起こすことがあります。

椎間板ヘルニアによる神経の圧迫が強くなると、手足のしびれが強くなり、日常生活に支障がでることもあります。そのため、頸椎椎間板ヘルニアを疑う症状が見られるようになったらなるべく早めに病院で診察を受けるようにしましょう。整形外科、もしくは脳神経外科が頸椎椎間板ヘルニアの診療科です。早めの治療をすると予後もよくなります。

1-5.肩こりに付随する首の痛み

無理な姿勢をはじめ、運動不足や冷え性が続くと、肩や首の筋肉がこわばり痛みの原因となります。肩こりに関わる筋肉は首の付け根から肩、背中まで広がる僧帽筋という筋肉です。僧帽筋は首の付け根にも存在しているため、肩こりと同時に首が痛くなることもあります。首に負担がかかりにくい枕を使用するなどして、肩こりが起こりにくくなるような対策をしましょう。

1-6.筋肉痛

筋力トレーニングを続けることで、首の筋肉に負担が掛かり、筋肉痛になることがあります。首を使った激しい運動というのはラグビーや格闘技などになります。ラグビーや格闘技を日常的に行っている人は少ないとは思いますが、普段運動不足の人が急に首に負担をかけると筋肉痛が生じやすくなります。
筋肉痛は数日で消えていきます。よく温めて食事と睡眠をしっかりと取るようにしましょう。また普段から運動習慣をつけることで予防することも可能です。

1-7.枕が合っていない

起床時の首の痛みは枕が合っていない可能性があります。睡眠中に頭にかかる負担は体重のおよそ10%であり、その負担は首や肩が支えています。睡眠中の首や肩には負担が集中しやすいのですが、枕が首・肩を支えることで負担を集中させないようにしています。

しかし枕が適切でないと、頭を支えている首に負担が掛かって、睡眠時に首が痛くなる原因となります。枕が合っていない要因は、主に3つです。

・枕の高さが合っていない
・枕が柔らかすぎる、硬すぎる素材
・枕が自分の頭に合っていない


それぞれどのような理由で睡眠時の首の痛みの原因になるのか見ていきましょう。

1-7-1.枕の高さが合っていない

枕の高さは就寝中首への負担を左右します。理想的な寝姿勢は頸椎が緩いS字カーブを描いている状態です。直立した姿勢がそのまま仰向けになっているようなイメージです。

しかし枕が高すぎてしまうと、頸椎のカーブが急になります。そのため首にかかる負担が強くなり、首周辺の筋肉がこわばってしまいます。反対に枕が低すぎても首に負担がかかる原因となります。頭が低い位置になることで首や肩に負担がかかり、起床時の痛みや不快感の原因となります。

肩に負担のかかる寝姿勢の例

1-7-2.枕が柔らかすぎる・硬すぎる

枕の素材も睡眠の質に関わる重要なポイントです。枕の素材にはビーズやそば殻、羽毛、ウレタンなど、様々なものがあります。

柔らかすぎる枕は頭の重さによって、深く沈みこんでしまいます。深く沈むと低すぎる枕を使用したときのように頸椎が逆U字カーブを描くこととなります。こうなると首に負担がかかって起床時の痛みに繋がります。

一方で硬すぎる枕も首の負担となります。仰向けで眠る時に硬い枕だと隙間が生じて、首を支えにくくなるためです。寝返りを打ちやすくなるというメリットはありますが、睡眠時の首の痛みに悩んでいるならば避けたほうがよいでしょう。

1-7-3.枕の大きさが合っていない

枕にはある程度の大きさが必要です。枕が小さいと、寝返りを打った際に枕から頭が外れてしまい、ついつい起きてしまったりすることがあります。

また人間は睡眠中に20回から30回の寝返りを打つと言われています。寝返りは同じ部位に負担を掛け続けないために必要なものですが、寝返りを打てない枕の大きさだと首や肩、腰など特定の部位に負担が掛かり続けることとなり、起床時の痛みの原因になります。

2.寝起きに首が痛くなるときの予防法

これまで寝起きに首が痛くなる7つの原因について解説してきました。痛みがひどい場合や原因によっては病院での診察が必要ですが、痛くならないようにやはり日頃から予防しておくことが大切です。

寝起きの首の痛みを予防するには身体をリラックスさせること、就寝時の環境を整えることが重要です。ここでは簡単にできる予防法を4つ紹介していきます。

2-1.肩や首を暖かくして寝る

肩や首まわりが冷えてしまうと、血管が収縮して、肩や首の筋肉がこわばったり、緊張が高くなったりして睡眠時の肩の負担を強めてしまいます。

特に冬の時期は室温が低くなりやすいため、肩や首が冷えてしまい、筋肉がこわばってしまいます。寝る前にエアコンで部屋を温めておくと良いでしょう。
また、寝ている時には大量に汗をかきますが、それが冷えてしまうと肩や首が緊張しやすい状態になってしまいます。そのため、マットレスや掛け布団は吸湿性、放湿性、保温性の高いものが望ましいでしょう。

理想的な就寝時の温度・湿度

2-2.就寝前にリラックスする

就寝前にストレスを感じていると、身体や脳が興奮状態になり良い睡眠を得にくくなります。良い睡眠を得るためには、就寝前にできるだけリラックスすることが重要です。

ここでは就寝準備でおすすめの行動を、3つ紹介していきます。

2-2-1.泥酔した状態で寝ない

泥酔した状態では寝返りが少なくなったり、普段とは違う場所で寝てしまったり、不自然な姿勢で寝てしまいがちです。

枕が外れた状態で寝てしまって、朝起きたら首が痛いなんてこともあります。泥酔したまま寝てしまうことがないように、酔って帰ってきたら一旦酔いを覚ましてから寝ることが大切です。

2-2-2.就寝前にゆったりと入浴する

入浴には体の深部から温めて、リラックスする効果があります。緊張状態を和らげることで寝違えの予防にもなります。

就寝前の入浴で体を十分に温めてから寝るようにしましょう。ただし、寝る直前の入浴は逆に睡眠の妨げになることもあるため、就寝前2-3時間前の入浴がおすすめです。

2-2-3.アロマやマッサージグッズを使用する

寝る前にアロマを焚いたり、マッサージをしたりすることで良い睡眠が得られるといわれています。アロマは香りが脳を刺激するので、リラックスタイムにピッタリで、マッサージは筋肉の緊張をほぐす効果が期待できます。

また最近は、孫の手のように肩や背中に簡単に届くツボ押し棒や、首に巻き付けるタイプの電動マッサージ機など、手ごろなマッサージグッズが増えてきています。寝る前に少し行うだけでも筋肉がほぐれて効果的です。

2-3.自分に合った枕を選ぶ

肩への負担をラクにして睡眠をとるためには、自分に合った枕で寝姿勢を整えることは非常に大切です。枕にも多くの種類があり、どれを選べば良いのか迷うかと思いますが、重要なポイントとなるのは、「高さ」「サイズ」「素材、硬さ」「形状」の4つです。

高さは体型や年齢などによって変わってきますが、男性や体格の良い方は高めの枕がおすすめです。逆に女性や細身の方は低めの枕の方がフィットしやすいです。適切な高さを見極めるには、首と敷布団との間にすき間ができていないかどうかをチェックするようにしましょう。

理想的あ枕の高さ

2-4.負担のかかりにくい布団やマットレスを選ぶ

正しい首の位置、寝相で寝るには枕だけではなく、布団とマットレスの硬さも自分に合っているかどうか見直すことも大事です。

柔らかすぎるのも硬すぎるのも睡眠時の体に負担をかけてしまうので、適度にフィットする低反発タイプなどを試してみるのも手です。体にかかる圧力を分散して衝撃を吸収するので、睡眠時の体への負担も軽減されやすくなります。仰向け、横向きのどちらでも無理のない自然な姿勢をサポートしてくれる布団・マットレスを選ぶようにしましょう。

マットレスによる体圧分散のイメージ

3.気になるようならば病院で診察を受けよう

首は重要な神経や血管が通っている部位です。頸椎も頭を支えるために複雑な構造をしています。色々な要因が重なって首が痛くなることもあり、調べてみると重大な病気や外傷が隠れていることもあります。

数日間痛みが続いたり、痛みが非常に大きかったり、手足にしびれを感じたりと、違和感があるようならば、整形外科の病院で診察を受けるようにすると安心です。

4.まとめ|気になる場合は早めの診察と治療が必要

首の痛みは様々な原因により発生します。起床時に首が痛い場合、無理な姿勢により筋肉がこわばり、寝違えが起きている可能性が高いです。痛みがひどい場合や原因によっては病院での診察が必要ですが、日頃から予防しておくことも大切です。

効果的な予防法として、睡眠時に首に負担がかからないように就寝環境を整えるようにしましょう。具体的には枕やマットレスを自分に合ったものを選ぶこと、首や肩を温めて寝ること、就寝前にリラックスすることがおすすめです。

しかし首の痛みを放置すると手や腕の麻痺や筋力の低下を引き起こすこともあるので、痛みが続く場合には、早めに診察と治療するようにしましょう。

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